ホンダ・PCXでやり直す8輪生活(2):外観/性能検証篇

2017年5月17日水曜日、通勤スペシャルマシン=ヤマハ・NMAXの後ガマとして、「ホンダ・PCX」が公道デビューした(※拙宅周辺限定)。

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いまや大きめ原付2種のデファクトスタンダードであるPCXのインプレッションなんて「何を今さら」って感じだろうが、NMAXから乗り継いだ人はそう多くないだろうから、それとの比較を中心に書く。



 

エクステリア

ダーク“ブルー”?

NMAXのときは「通常使用」する前に近所で記念撮影したのだが▼、

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今回のPCXは納車日が平日の夜、翌日も平日だったということで、3日間使用した後の日曜日、遅ればせながら記念撮影に繰り出した。いいトシこいたおっさんが原付2種スクーターの写真を喜々として撮影するサマはハタから見れば滑稽だろうが、ま、気にしない気にしない。

色は「パールダークアッシュブルー」。
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この色には、ちょっと・・・というか、だいぶガッカリした。

ホンダ公式サイトに掲載されている画像▼から受けるイメージより、
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かなり「暗いアオ」だったからだ。「名は体を表している」と言えばそのとおりなのだが、サイトの画像はさほど「ダーク」ではないので、すっかりダマされてしまった。

実は最後までツートン(ポセイドンブラックメタリック×シルバー)と迷ったのだが、丸富オート販売・藤沢店では「ブルーは在庫車・即納可/ツートンは要発注・入荷待ち」ということで、1日でも早く乗りたかった私としては、若干妥協したのだった。

サイトの画像のとおり、もう少しキレイなアオだったら後悔もしなかったのだが、ご覧のとおり▼光の当たり具合によってはほとんどクロに近く見えるときもある。
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だから納車から1カ月が過ぎた今でも、
(どうせクロなら、ツートンにすれば良かったなあ)
と思ってしまうのだ。「あきらめ」がつくまでは、さらにもう少しの時間が必要だろう。

おっさん向けデザイン

随所にエッヂを効かせてはいるものの、全体から受けるイメージはNMAXに比べると「オーソドックス」というか、「従来からのスクーター的概念」の範疇に収まっている。
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「どれにも似ていない」という意味では、NMAXの方にデザイン的先進性を感じる。

特にオプションの「ボディマウントシールド」を取り付けると、風防効果はまったくないであろうデフォルトのシールドが醸し出す「イマ風な感じ」が消え失せ、悪く言えば「おっさん臭く」なってしまう。
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ま、実際におっさんが乗るんだから別にいいんだけど。

 

走行性能

エンジン

初めて乗ったときに驚いたのはエンジンである。NMAXに比べれば「まったく」と言っても過言でないほど振動がなく、それと比例して音も静かだったからだ。
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PCXに搭載されている「eSP」エンジンは、燃費向上のための「フリクション低減」に種々の技術が投入されているそうだが、それが低振動・低騒音にも貢献していると思われる。

www.honda.co.jp

ただ、それでパワーがあれば申し分はないのだが、残念ながらパワーの面ではNMAX(BLUE COREエンジン)に軍配が上がる。スクーターゆえ走り出しがカッタルいのはどちらも同じだが、加速を始めてからの力強さやスピードのノリは、明らかにNMAXの方が優れている。

「次世代感」たっぷりだが、パワーはいまいちなPCXにするか。
旧態依然なフィーリングだが、加速が力強いNMAXを選ぶか。

両方を知った今「どちらか一方を選べ」と言われたら、現時点では答えが出せない。それ程までに、両者のエンジンは甲乙がつけがたい。

ブレーキ

NMAXがディスクだったので、てっきりPCXもそうだと思っていたら、モノを見て愕然とした。リアブレーキが、なんとドラムだったのだ。
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天下のホンダが、なぜこんなところで手を抜いたのかはわからないが、多少バイアスはかかっているにせよ、ブレーキング時の「カチッ」とした感触に欠けるのは「ドラムならでは」である。また、左レバーを握ればフロント側も作動する「コンビブレーキ」が搭載されているが、ブレーキング時の安定感は増すにしろ、制動力に寄与するものではない。

ことブレーキに関しては、ABSも搭載しているNMAXの圧勝である。

サスペンション

リアサスペンションが、「ただのバネ」といった風情のコンベンショナルな2本ショック▼なのはNMAXと同様である。
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でもそのセッティングは大きく違っている。センタースタンドから下ろした時に違いがはっきりとわかるのだが、「ポンッ」と撥ねるNMAXに対して、PCXは「ボニョヮ」という感じで踏ん張ってくれる。

さらに荒れた路面だと、その違いはより明確になる。ポンポンと挙動に落ち着きがなくなるNMAXに対して、PCXの方は衝撃を「いなしてくれる」感覚がある。

例えば、帰り道のお楽しみ「戸塚区小雀町のプチ・ヘアピンカーブ」は、カーブへの導入路で嫌がらせのように車線中央にマンホールのフタが設置されていて、路面の凹凸が激しい▼。

(▲このストリートビューの画像では凸凹具合がまったく伝わらないが・・・)

NMAXの場合はそこで挙動が乱れるため、慎重にコース取りをする必要があったのだが、PCXはいい感じに衝撃を吸収してくれるので、多少雑に通っても無理なくカーブに入ることができる。

ただし、言うまでもなくこのサスペンションも一長一短である。平坦な路面であれば、キレのあるNMAXの方が、スムーズなコーナリングを楽しめるのだ。

以上、「エンジン+ブレーキ+サスペンション」の走りに関する総合的な特性は、「ジェントルなPCX」に対して「ヤンチャなNMAX」と、はっきり色が分かれている。それゆえだろうか、丸富オート販売・藤沢店の店長によると、故障の少ないPCXに対して、NMAXはいろいろと不具合を耳にするそうだ。

燃費

現時点では予測に過ぎないが、これは明らかにNMAXよりPCXの方が優れている。

本当は2度目の給油を済ませてきちんと燃費を割り出してから記事を書きたかったのだが、5月16日の納車直後に給油して、翌日から1カ月弱、片道10分の通勤に使用した現在(6月13日帰宅後)でも、まだガソリン残量のメモリが2つ残っている。
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今週の金曜日(6月16日)で納車からちょうどまる1カ月経過するわけだが、おそらくそれまでガソリンは持つだろう。
タンク容量の差こそあれ(PCX=8.0L:NMAX=6.6L)、NMAXは「ほぼ3週間に1回」の頻度で給油していて、生涯燃費は「33.0km/L」であった。

「短距離・短時間+急発進・急加速」を繰り返す、燃費には悪条件極まりない私の使用環境でも、PCXは「40km/L」を超えてくると思われる。

(つづく)