トヨタ博物館:日本車編
というわけで閉館時刻(17:00)まで余裕もあまりないので、とっとと日本車が展示してある3階へ向かう。
トヨペット クラウン RS型(1955, 日本)。 エスカレータを昇ってすぐのところにどどーんと(ってほどの迫力は無いが)鎮座。
同時代の他の日本車と比べると、確かに“格”が違う雰囲気。ま、この博物館で一番最高の“舞台”に置いてある、ってのも多少はあるけど。
(※以下、大量の写真が表示されます)
先日のドラマ *1 で見た程度の知識しかないので偉そうなことは書けないが、この人がいなければトヨタがこれほどのメーカーになることはなかっただろうし、日本の自動車産業もどうなっていたかわからないだろう。・・・ま、佐藤浩市はイイ男過ぎると思うけど。
いちクルマ好きとしてトヨタに失望した時期はあったが、喜一郎さんの子孫であるモリゾウさんが社長になってから、トヨタは随分変わったように思う。
どうかこの調子で、“便利さ”・“使い勝手”だけではなく、“速い”・“カッコいい”クルマづくりにも、どうか力を入れていって欲しい。
ダットサン 11型フェートン (1932, 日本)。 ちっっちゃ・・・
筑波号 東京自動車製造株式会社製(1935, 日本)。 横から見ると、まあフツーの超小型車だが・・・前から見るとと異様に車幅が狭くて、強烈な違和感を覚える。ランチア アストゥーラとかドラージュとかを見た後に、これら同時代の日本のクルマを見ると、「この国の自動車産業がいかに遅れていたか」がよくわかる。
トヨペット スーパーRHN型(1953, 日本)。これ、線路上を走った後に割り込んだんだろうな。昔も今も、アホはいるもんだ。それにしても、こういうアホに対して「神風」なんて言葉を使っちゃうあたりの、日本人の“配慮のない”感覚には、心底萎える。
トヨペット SA型乗用車(1951, 日本)。 件のドラマで、わりとメインで出てきたクルマ。このクルマは全然知らなかったので、ドラマ用にテキトーに作ったクルマかと思ってた。だって、ビートルに無理やりグリル付けたみたいじゃん?
トヨペット マスター RR型 (1955, 日本)。 「高級車」クラウンに対して、「営業車」として使われてたらしい。
フライングフェザー(1955, 日本)。 チャリンコみたいはタイヤはともかく、武骨でなかなかカッコイイ。
トヨペット コロナ ST10型(1957, 日本)。
フジキャビン 5A型(1955, 日本)。ときにクルマは「便所のスリッパ」なんて形容されることがある。このクルマこそ、その“称号”にふさわしい。
スバル 360 K111型(1958, 日本)。 説明不要の、稀代の名車。
ダイハツ ミゼット DKA型(1959, 日本)。 これはサイズ的にも、クルマってより「三輪スクーター」だね。
マツダ R360クーペ KRBB型(1961, 日本)。超絶の後方視界。「スクーターの免許で乗れる」 か・・・ さすがは「無秩序の時代」、昭和。
パブリカ UP10型(1961, 日本)。 超シンプルで、キライじゃない。売れなかったみたいだけど。「おとなの自動車保険」のCMで浜木綿子の息子が乗ってるハリボテを連想して、そっちを確認したら、似てんのは色だけだった。“ビミョーにテールフィン”が、泣かせる。
ダットサン 112型(1956, 日本)。「斬新なデザイン」とある。が、どの辺が斬新なのか、現代の感覚ではわからない。
日産 オースチン A50型(1960, 日本)。カタチはともかく、配色はなかなかステキ。
日野 ルノー PA62型(1962, 日本)。「日産って昔もルノーと・・・」と一瞬思ったら、日野だった。車名リストには書いてある「コンテッサ」は、この日は置いてなかった。残念。
ニッサン セドリック 30型(1960, 日本)。 この辺でようやく「クラウン越え」のクルマが出てくる。
そして、やっぱりテールフィン。
プリンス グロリア スーパー6(1964, 日本)。時期が少し後とは言え、セドリックより遙かにカッコいいし、高級そうに見える。スカイラインも元々はプリンスのクルマだったし、日産よりもいいクルマを作ってたように思える。でもだからって“勝てる”訳ではない。
トヨペット コロナ PT20型(1960, 日本)。
ダットサン ブルーバード P312型(1963, 日本)。
トヨペット コロナ RT50型(1965, 日本)。このクーペに気を取られてたら、なんと奥のセダンを撮り忘れてしまった。うっすらとした記憶の中では、おそらくオレが生まれて初めて乗ったクルマなのに。オレのバカ。
トヨペット クラウン RS41型(1963, 日本)。 初代に比べると、随分“現代的”になった。
ダットサン フェアレディ SP310型(1963, 日本)。Webサイトの解説には「わが国で初めて本格的なスポーツカーとして開発」とある。イスパノスイザ アルフォンソが1912年なので、世界から実に50年遅れていたことになる。・・・ちょっと無理やりだけど。それでも、このラインは美しい。色も、「瀬戸物」っぽくていい。横向きシートは「ノスヒロ *2」なんかで見て知ってたが、現物を見るのは初めて。 確かに、オレもクーペの後ろに乗せる人数って1人がほとんどだから、定員的には、これでもいいのかもしれない・・・あくまでも、定員的には(まかり間違っても、こんなシートに座りたくはない)。
ホンダ S500 AS280型(1964, 日本)。ホンダの「気合い」が感じられる一台。
「ホンダはミニバンやコンパクトばっかり作ってないで、こういうクルマを作って欲しい・・・」なんて、安モンの自動車雑誌みたいなことを書いてみたくなるけど、実際にこのクルマを見ると本当にそう思う。シフトが意外にショートストロークで驚いた。乗ってみたいね。
トヨタ スポーツ800 UP15型(1965, 日本)。 日本の有名なライトウエイトスポーツ。中学の頃、通学路の途中にある家にこのクルマが置いてあって、スーパーカーブーム世代(笑)のオレは「ヨタハチ(笑)」なんて馬鹿にしてたけど、このクルマの良さがわからなかったなんて恥ずかしい。ちょー・・・は付かないけど、じゅうぶんカッコイイ。 CGTVの田辺さんも昔乗ってたらしい。
当該番組のこの博物館の敷地内でこのクルマとは別の個体(色が違う)を走らせた回 *3 のナレーションで、「トヨタはもう一度こういうクルマを作ってはくれないものだろうか」と言っていたが・・・絶対作らないと思う。
「T」型ステアリングの中央に、「T」のエンブレム。シートの後方には、“手荷物スペース”もたっぷり。ただ、置いただけだと、ズレまくりマクリスティーだろうけど。
マツダ ファミリア SSA型(1966, 日本)。
スバル 1000(1967, 日本)。
ダイハツ コンパーノ スパイダー F40K型(1965, 日本)。
スズキ フロンテ360 LC10型(1967, 日本)。
ホンダ N360(1969, 日本)。この辺の年代になると、がぜん記憶にあるクルマが増えてくる。
トヨタ カローラ スプリンター KE15型(1968, 日本)。 このクルマも、ガキの頃ずっと近所に置いてあった。
ニッサン シルビア CSP311型(1966, 日本)。 ただ、このシルビアだけは初めて見た。Wikipediaによると554台しか生産されなかったとのこと。そら田舎じゃ見れねえわ。いわゆる、クリスプカット。
マツダ コスモスポーツ L10B型(1969, 日本)。 やっぱ、クルマはクーペがイチバンだねぇ・・・
いすゞ 117クーペ PA90型(1970, 日本)。ジウジアーロ・デザイン。
トヨタ カローラ KE10型(1966, 日本)。 キング・オブ・大衆車。
ダットサン サニー B10型(1966, 日本)。 その、ライバル車。 モータリゼーションの形成に大きく貢献したことに敬意を表してか、大衆車にも関わらず「特別ステージ」に2台並べて展示。
トヨペット コロナマークII RT62型(1968, 日本)。親父のクルマがずっとコロナだったので、その上位車種であるこのクルマは羨望の的だった (※オレ主観)。
トヨタ センチュリー VG20型(1967, 日本)。センチュリーって、こんなに古かったんだ。この時代にこれだけのクルマが作れるなんて、さすがはトヨタ。
いすゞ ベレット 1600GT PR90型(1966, 日本)。
ニッサン プリンス スカイライン "2000GT-B" S54型(1967, 日本)。
ハコスカでもケンメリでもなく、地味な2代目にしたのは、トヨタの意地なのか。
トヨタ 1600GT RT55型(1967, 日本)。2000GTと似てるのは、名前だけ。
トヨタ セリカ TA22型(1970, 日本)。 ダルマセリカ。リフトバックじゃねえんだ・・・と思ったら、そっちは新館の方に置いてあった。
三菱 コルト ギャランGTO-MR型(1971, 日本)。これも昔よく見かけたクルマだが、久しぶりに見たら思いの外カッコ良かった。
ニッサン フェアレディ Z432(1970, 日本)。今でもたまに見かけるから有難みはないけれど、こういう場所で改めて見ても、じゅうぶんカッコいい。
トヨタ 2000GT MF10型(1968, 日本)。
ザ・キング・オブ・稀代の名車。
一度だけ国道15号で見かけて、必死こいて追い付いてしばらく後ろを付いていったが(笑)、その時の印象は「ちっちぇえなあ」だった。だって、全幅たったの1,600mmだからね。でもこういうところで見ると、立派に見えるから不思議だ。デザインの力なんだろう。
昔「ノスヒロ」で、「チャイニーズ・アイ」ってのはこのフェンダーの上のライン(ボディが白だとよくわかんないけど)のことだって読んだ記憶があったんだが、今ネットで調べるとリアクォーターウィンドウの形のことらしい。オレの記憶はホントアテにならない *4。
トヨペット コロナ RT102型(1976, 日本)。親父が昔乗っていて、年に数回はこれに乗って遠出をした、つまり実家が最も幸せだった頃の、一家の象徴でもある。
納車したばかりの頃、本当にうれしそうにしてた親父を思い出す。具体的には忘れてしまったが、センターコンソールの何かを自慢してた記憶がある。だから運転席を見て確かめたかったが、「こっから入っちゃダメプレート」で囲われてたんであきらめた。
雪国なんで、タイヤ交換もよく手伝った。ちなみに当時は、「スパイクタイヤ」だった。
いすゞ ベレット ジェミニ PF50型 (1975, 日本)。 当初は「ベレット」が付いてたんだね。逆スラントノーズがカッコいい。
マツダ ファミリア BD型 (1984, 日本)。どうせならマイナーチェンジ前の、「赤いファミリア」を置いて欲しかった。
トヨタ カリーナED ST160型(1985, 日本)。 バブルの頃、めちゃくちゃよく見かけたクルマ。
イスズ ピアッツァ JR130型 (1982, 日本)。タイヤサイズを除けば、今でもじゅうぶん通用するデザイン。
トヨタ ソアラ 2.8GT(1981, 日本)。
トヨタ カローラ レビン AE86 (1983, 日本)。ピアッツァにしろソアラにしろレビンにしろ、この頃のクーペはリアクォーターウィンドウが広くて驚いた。
スカイラインクーペ(CKV36)なんて、斜め後ろほとんど見えないからね。
トヨタ MR2 AW11型(1984, 日本)。
ユーノス ロードスター(1989, 日本)。
トヨタ セルシオ UCF11型(1991, 日本)。 今やすっかりヤンキー御用達。高級車の哀しき末路。
トヨタ プリウス(1997, 日本)。
トヨタ プラグインHV(2007, 日本)。
三菱 i-MiEV(2011, 日本)。
トヨタ ポルテ ウェルキャブ(2012, 日本)。
トヨタ FCHV(2002, 日本)。
レクサス LFA プロトタイプ (2009, 日本)。日本では200台しか「売られてない」らしいので実車は見たことがなく、写真だと「うーん・・・」って印象だったが・・・実車はさすがに圧倒的な迫力があった。色もキレイ。このクルマは、リア周りの方がカッコいいと思う。こんなクルマがポンと買える人生を送りたかったものです。
トヨタ FCV-R(2011, 日本)。 燃料電池車。当然コンセプトモデル。
以上が、本館3階にあった日本車。
オープンスポーツ3台(初代フェアレディ・S500・ヨタハチ)、初代シルビア、2000GT、LFA、そして「親父が乗ってたコロナ」を見られたのは良かった。
それにしても、LFAを見ると、戦前~1950年代のショっボいクルマから、よくここまで追い付いたなぁと思う。
喜一郎さん初め、みんな、ホントによく頑張った。
ここまでで、最初のトヨダAAから2時間程が経過。
たいして興味の無いクルマに早々に飽きて館内を散策していたかみさんから「新館もあるでよ(←愛知だけに)」と聞いたので、本館を後にする。
例によって、場所と休館日と開館時間以外は何の下調べもしてこなかったので、新館の存在を知らなかったのだ。
*1:LEADERS リーダーズ/TBS系列で2014年3月に放送 http://www.tbs.co.jp/LEADERS2014/
*2:Nostalgic Hero - ノスタルジックヒーロー http://www.geibunsha.co.jp/mag/nh/p/
*3:【2014年2月5日放送】#1416 1960年代の名車3台 いま見ても新鮮そのもの! http://www.bs-asahi.co.jp/cgtv/prg_20140205.html
*4:確認したら、「チャイニーズアイと呼ばれるリアクォーターウィンドウ回りの微妙なサーフェスが極上 (Nostalgic Hero Vol.63 1997.10)」とあった。当該雑誌には「無断転載禁止」とあるので載せられないが、緑色のボディの“微妙なサーフェス”に周囲の木々が映り込んでいて、それはキレイな写真だった。