「トラック野郎」と坂下銀星座:菅原文太さん
健さんのことを何か書こうと思ってたがなかなか書けなくて、ようやく書き始めてたら、今度は菅原文太さんが亡くなった、との報道があった。
菅原文太さんと言えば、私的には「トラック野郎」なのである。
当時は小学生だったが、それを目当てに、何度か「坂下銀星座」に行った記憶がある。
同時上映はたぶん「寅さんシリーズ*1」だったと思うが、「寅さん」の一連の作品がおもしろいと思ったことは当時から現在に至るまで一度もないので、やはり「トラック野郎」がメインだったのだ。
小学生のガキが、いったい何が面白くて何度も見に行ったのか、あまりに昔過ぎて、ほとんど記憶にないのだが、Wikipediaの記事*2にも
人気シリーズとなった本作の子供観客への配慮
とあり、当時はさすがに独りじゃなくて、友達とか兄貴達と行った記憶があるので、ガキにとってもメジャーな映画だったのだろう。
「駅 STATION」の頃は、貸切(!)状態だったこともある坂下銀星座であったが、この頃はまだ結構賑わってた記憶もある。
菅原文太さんについては、そんなもんかなあ・・・
「獅子の時代」は地元の会津が舞台で、当時は随分”オトナ達”が騒いでいた記憶はあるけど、「大河ドラマ」自体に興味がなかったので、全く見なかった。
「太陽を盗んだ男」の不死身ッぷりは笑えたけど、見たのは随分歳をとってから、しかもビデオだったから、自分自身の”思い出”はない。
正直に言って、健さんのように思い入れのある役者さんではなかったのだが、「昭和を代表するカッコいい男」の一人であったことは間違いない。
それにしても、亡くなった後の奥様のコメントの、最後の一文
恩義ある方々に、何の別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます。
には心を打たれた。
「恩義」という言葉と、「お詫び」をするというその感覚は、恐ろしい程に清らかで、凛としている。
「昭和」はとうの昔に遠くになってしまったし、奥様がお幾つの方かは知らないけれど、このような言葉を、こんな時代に目にすることができるのは、ありがたいことだと思うのだ。
*1:田舎の映画館なので映画会社に関係なくメジャーな作品を同時上映してた。もちろん上映は一般公開日の数ヶ月後。