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Huluで「カネゴン」を見た

ドラマ 昔話

塩ビ人形

実家に、カネゴンの塩ビ人形があった。これ↓とまったく同じヤツ。

http://antique-rasisa.com/pic-labo/llimg/TO1239-2.jpg

私(1967年生まれ)がモノゴコロつく頃には既に古びていたので、おそらく4歳上の兄貴が買ってもらったモノだろう。兄貴が、母親か誰かにねだったのだろうか。

母親に小遣いをせびると「そんなにカネ、カネ言ってっとカネゴンになっちまうぞ!」とたしなめられたものだ。もしかすると、母親が子供達を”脅す”ための道具として、自ら買ったのかもしれない。

 

HuluでウルトラQ

私にとって「カネゴン=古びた塩ビ人形」であって、「ウルトラQ」自体は世代的に見たことがなく、「カネゴン」のストーリーもぼんやりとしか知らなかったのだが、先日「ZIP!」で、HuluでウルトラQ全エピソードを配信していることを(今さらながら)知り、じっくり見てみた。

 

ウルトラQ 第15話:カネゴンの繭

これが正式タイトル(というのも初めて知った)。

主な登場人物は以下のとおり。

  • ”守銭奴”である主人公の少年・金男
  • そんな息子をいさめつつも自身もカネにあざとい両親(浜田寅彦、野村昭子)
  • 横暴を画に描いたような土建屋のオヤジ(渡辺文雄) ※敬称略

舞台は、高度成長期を象徴する「造成地」。そしてそれを引き立てるための「土管」と「ブルドーザー」。下町の商店街。団地サイズの狭隘な住宅。カネゴンになったばかりの金男が街中を歩くシーンでは、道路が何と”未舗装”である。

作り物ではない、”リアル”な昭和が描かれている。映像がモノクロなのが、ひどく残念に感じる。

『総天然色ウルトラQ』Blu-ray BOX I

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ただの寓話

カネが入った繭をネコババしたことでカネゴンになってしまった金男は、友人達に助けを求めるが、その友人達は、まさに”金食い虫”であるカネゴンをなんとかしようと祈祷師の所に行ったり、ついには嫌気が差して”見世物”にしようとしたり・・・

「カネに執着するあまり、ネコババしたりするとカネゴンになるよ」という”寓話”を骨子として、ただただドタバタなストーリーが展開する。

造成地もブルドーザーも祈祷師も、何かの暗喩なのかと思ったが、私にはただ単に”当時の世相を描写したもの”としか映らなかった。

 

「金儲け」を揶揄したかった?

金男は、守銭奴であるがゆえ、カネゴンになってしまったのか。それとも、拾ったカネをネコババしたからなのか。制作者たちは、どちらを意図していたのだろうか。

(カネゴンには)ヒトの落としたお金を黙って拾ったりするとなるもんだ

と金男の父親は言っているし、金男の両親は、金男がばらまいた銀行のカネをネコババしたために(金男自身がそう発言している)、ラストシーンで二人揃ってカネゴンになっている。

制作者たちは、単純に

  • 拾ったカネをネコババするな

と言いたかっただけではないのだろうか。

数多の「ウルトラQ解説サイト」でなされている

  • 資本優先主義の世間へのアイロニー
  • 拝金主義への警鐘

等の評価は、「後付け」というか、「深読みし過ぎなんじゃないの?」と思った。
後世の”自称評論家”達は、自分達のたいそうな”知識”に、都合良くこの寓話を結びつけただけなんじゃないだろうか。