スカイラインクーペ:七年目の浮気、じゃなくてリコール(2)
スカイラインクーペ(CKV36)を2008年2月に納車してから7年目にして、初めてのリコールが届いた。内容は「ポップアップエンジンフードの改修」というビミョーな内容。
なぜビミョーかというと・・・
なんでもかんでも、とりあえずポップ アッー プ!
「ポップアップエンジンフード」とは、
- ヒトと衝突した時、人体に与えるダメージを軽減する装置
と昨日書いたが、いくらなんでも車体にぶつかる対象が「ヒト」か「ヒト以外か」を区別するセンサーが付いているワケではない(現代の技術なら”絵空事”ってワケでもなさそうだけど)。
例えそれが「カベ」であっても「小動物」であっても、はたまた「バケツ」であっても、”当たりドコロ”が悪いと、作動してしまう*1。
経験者かく語りき~ボンネットがポップアップして困ること
恥ずかしながら、私も一度作動させてしまったことがある。ちょっとした事故で。事故の話なんて胸クソ悪くて書きたくないので割愛するが、もちろん、ヒトをヒイたわけではない。
対クルマの、エアバッグも作動しないような軽い事故であったが、ボンネットはモノの見事に”ポップアップ”してしまった。
1.視界の悪化
私の場合、ボンネット両脇/フェンダー上方の盛りあがっている部分(▼赤矢印部分)で
車幅を掴んでいるのだが、ポップアップしてまず何が困るかというと、ボンネットの後端がセリアガってしまうために、この大切な部分が隠れてしまう。よって、車幅が全然掴めなくなるのである(笑)。
なので、当該事故では全然自走可能だったのだが、ディーラーへはJAFさんを呼んで持っていってもらった。ムリして乗ってさらにブツケたりしたら、泣くに泣けないので。
2.交換費用
そしてもっと困るのが、一度作動してしまうと、自分では元には戻せないこと。
周辺部品も含めて丸ごと交換するしかないのである。
上述の事故での修理明細のうち、ポップアップエンジンフード関連と思われる項目をピックアップしてみた。で、別にヒマってワケじゃないのだが、見やすいように書き起こしてみた。*2
作業内容/使用部品 | 作業区分 | 技術料 | 部品数量 | 部品金額 |
フードロックステー | 取替 | ¥2,258 | ||
フードロックステー | 部品 | 1 | ¥1,722 | |
ポップアップエンジンフードコントロールユニット | 取替 | ¥3,014 | ||
コントロールアッセンブリー | 部品 | 1 | ¥44,205 | |
自己診断費用 | * | ¥3,770 | ||
フードパネル | 脱着 | ¥2,258 | ||
左右フードヒンジ | 取替 | ¥3,014 | ||
フードヒンジ | 部品 | 1 | ¥13,125 | |
フードヒンジ | 部品 | 1 | ¥13,125 | |
カバー、フードヒンジ | 部品 | 1 | ¥557 | |
カバー、フードヒンジ | 部品 | 1 | ¥557 | |
左右フードアクチュエータ | 取替 | ¥2,258 | ||
アクチュエータ アッセンブリー | 部品 | 1 | ¥32,865 | |
アクチュエータ アッセンブリー | 部品 | 1 | ¥32,865 | |
カウルトップカバー | 部品 | 1 | ¥4,767 | |
カウルトップカバー | 部品 | 1 | ¥4,578 | |
¥16,572 | 10 | ¥148,366 |
「技術料(工賃)=¥16,572」+「部品代=¥148,366」で、「合計=¥164,938」。
そりゃ私のように自分のミスで事故って作動させちゃったのならあきらめもつくが、なんらかの不可抗力によって作動しちゃった場合は、確かにこれだけの出費は泣くに泣けないだろう。
そういうワケで、世の中にはこのような商品も存在する。
その名のとおり、「ポップアップエンジンフード」を無効化する商品である。
「みんカラ」には「取り付けましたよ~キリッ」「時限爆弾・摘出完了!」などなど、わざわざ写真付きで具体的に手順を報告しているノー天気な方々が散見されるが・・・(笑)
自己責任で無効化するのは別にかまわないが、わざわざ世間様に公表するようなことではないと思うのだが。
そもそもこういう人たちって、「自分はヒトにクルマをブツけるなんてヒャクパーない」とでも思ってるのかしら。「メーカーは何のためにこういう装置を付けてるのか」、考えないのだろうか。
まあ、世の中いろんな人間がいるので、いちいち他人の行動をとやかく言っても仕方ないが、日産ももっと安価に交換できるように努力すべきだろう。交換に10万円以上かかるのは、いくらなんでも高すぎる。
とにかく交換はするけれど
そういうワケで、「ポップアップエンジンフード」とは
- 有効に働くとき、その効果は絶大なのかもしれないが、多くの場合がムダに動作して費用ばかりカサんでしまう
という、ヒジョーにビミョーな装置であることはおわかりいただけたと思うが、私は万が一でもヒトをヒイてしまった場合、「その装置が動作しなかったばかりに重大な事案になってしまった」なんてことは避けたいので、取り急ぎ交換はしようと思う。
でも、営業さん、この土日は電話して来なかったなあ・・・やっぱり自分から電話しなきゃいけないのか。
めんどくさいっす・・・
(おわり)