「人身事故」を考える(2)
まったく意図していない転落事故は当然のこと、故意に”ダイブ”するにしても、ホームドアがあればそれを飛び越えてまで飛び込もうとする”ツワモノ”はなかなかいないだろう。
ホームドア設置は着々と進行中(ただし山手線限定)
昨日も書いたとおり、
私が毎日利用しているJR御茶ノ水駅は半ば”悲惨”な状態で、そのイメージしかないので「ホームドア設置すすまず」という見出しにしようとしたのだが、ちゃんと調べたら私が知らなかっただけで、JR東日本でも着々と設置が進んでいた。
山手線ホームドア 2014年度の完成予定駅について
以下の順に完成を予定しております。〔中略〕
御徒町駅、鶯谷駅、田端駅、有楽町駅、原宿駅、五反田駅、西日暮里駅〔中略〕
※参考(2013年度までの計画)
- 2010年度使用開始:
恵比寿駅(2010/6/26)、目黒駅(2010/8/28)[7、10 号車部分を除く]
- 2011年度完成:
恵比寿駅(2011/10/29)、目黒駅(2011/10/29)[7、10 号車部分]
- 2012年度完成予定:大崎駅、池袋駅
- 2013年度完成予定:
大塚駅、巣鴨駅、駒込駅、新大久保駅、目白駅、高田馬場駅、田町駅
2015年度はさらに、上野駅・秋葉原駅でも使用を開始するらしい(2015年度設備投資計画について)。
ただし上記のとおり、設置駅のほとんどが山手線で、それ以外の路線では進んでいないようだ。
2015/06/12現在、山手線以外の設置情報は以下2駅の「検討について(※当然まだ設置前)」のみだった。
JR東日本としては、ひとまず「メインステージ」である山手線に集中投資して、批判の矛先をかわす、という戦略なのだろうか・・・なんて言ったら意地悪すぎか。
可動式ホーム柵の重量は1開口(電車のドア1つに対するホームドア)だけで400~500キロもあるため、ホーム自体がその重さに耐え得る必要があります。
ドア1コ分で400~500kgって(笑)。なんでそんなに重いんだろう? (できれば、その理由まで記事で掘り下げて欲しかった。)
そんなに重いんじゃ構造上設置が難しい駅も多いのだろうし、鉄道会社だけじゃなくてホームドア・メーカーの改善努力も必要なのだろうが、できるだけ早く設置駅を増やしていって欲しいものだ。
人でアフレる狭隘なホームでさえ
▼JR御茶ノ水駅 3・4番線ホーム、2015年6月12日 20時20分頃。
クソ狭いホームに、ひっきりなしに人が入ってくる(※通行のジャマにならない位置で撮影しています)。
21世紀の駅とは思えないほど、狭隘かつ当然ホームドアなどない御茶ノ水駅のホームでさえ、電車に接触したりホームに落下して事故に遭う人はそうそういない。
つまり、よほどのことがない限り「”アクシデント”では人身事故は起きない」ということであり、改めて指摘するまでもないが、人身事故の多くは「”自分の意志で”電車に飛び込んでいる」ことになる。
関東で起きる人身事故の約6割は自殺だ。昨年度の人身事故625件の内訳は、自殺376件、ホーム上で接触131件、ホームから転落36件、線路内立入り33件、踏切などの直前横断30件、その他19件。
なるほど、それでも”自分の意志”は6割ほどなのか・・・アクシデントもけっこうな件数が起きていた。 本当にこういう記事は、「社会」を知るための参考になる。
話が少し逸れるが、上の記事を書いた人が作ったこの地図▼はかなりスゴい。
詳細な情報を見るには金を払う必要があるが、タダでもかなり多くの情報(ま、楽しい情報ではないが)を得ることができる。「よく作ったなあ」と感心するレベルである。
なぜ人はその”手段”を選ぶのか
それにしても不思議なのは、電車に自ら飛び込んだ人も心身共に健康な頃は「電車に飛び込んで自殺するなんて迷惑なヤツだ」と思ったことがきっとあったはずなのに、その人が同じ手段を選んでしまうことだ。
人間とは、かくも絶望する生き物なのか。
社会とは、かくも残酷なシステムなのか。
何千年何万年と培ってきた結果、形成された人間や社会の”本質”は、そう簡単には変えられないだろう。であるなら、やはり現代の技術を駆使して、インフラ側で対処するのが早道だと思う。
(おわり)
っていうか・・・ちょっと、というか、ぜんぜん楽しくない話題だなあ・・・。
やっぱり疲れているせいか・・・。