出産前後あるいは育児中の働きかたを考える(1)
今日の日経朝刊一面の特集記事から、ほんの一部を引用(多く引用すると怒られそうなので)。
「忙しい夕方、同僚に感謝の言葉もなく帰るなど育児中の優遇が既得権益化し、摩擦が生まれた」
- 2015年6月29日(月) 日本経済新聞 「働きかたNext」
「20年以上前から育児休業や短時間勤務制度を導入し『女性に優しい会社』だった資生堂が、2014年春から美容部員を対象に育児中でも遅番や土日勤務に入ってもらうよう方針転換した」、その引き金となったのが、冒頭引用の美容部員出身の女性常務の証言である。美容部員は基本的に女性しかいないと思うのだが、それでさえ「摩擦」が生じるのか・・・
「マタハラ」だぁなんだってハラハラハラハラかまびすしい世の中だから、私のような”ど真ん中”のオッサンがあまり声を大にしては言えないが、最近自分の身近でも起きた問題なので、本音を書いてみようと思う。
なお、以下に書くことはあくまで私個人の考え方であるが、タイトルの件について批判的な内容も含むのでご注意を。
出産や子育てが大変なのはもちろんわかる
私には子供がいないが、いた時期はある(こんなところに詳細は書けないので、「左記のように書けばわかってもらえると思う」という辺りで留めておく)。
なので、出産や子育ての大変さはよくわかる。上記リンクの「プレジデント探検隊女子部!」の記事の内容も、痛いほど、痛すぎて苦しくなるほどよくわかる。
ただ、そのことと、出産や子育てによって会社組織の誰かに何某かの(あえてこう表現するが)迷惑をかける、というのは全く別の話だと思う。出産や子育ては、”免罪符”ではないのである。
では、どうすればいいのか。
周りにいる誰かがストレスを背負うハメになる
あんまり詳しく書くと身元がバレてしまうが(私の場合そもそもIDがバレバレなのだが)、私のケースは
- 同僚の女性が出産で休職するため、彼女が担当していた仕事をまるごと引き継ぐことになった
というものである。
彼女は優秀であるがゆえ、あるシステムの管理を任されていたのだが、突然その全業務を背負わされることになったものだから、こちらとしては堪ったものではない。まあ彼女の場合はそれだけではなくて・・・ま、本当に特定されてしまうのでこれ以上は書けないが、とにかく、複雑な感情を抑えながら当の本人から業務の引継ぎを受けるのは、 いつも以上にストレスが溜まる日々であった。
出産で長期休暇や休職をするなら属人的な業務は避けるべき
もちろん、「働くな」とは言わない。 ただ、出産や子育てによって、「代わりの人間がすぐに見つからずに、他の人の負荷が上がる」ような事態は、働く人・働かせる人の両方が避けるべきだと思う。
- 長期休暇や休職をする本人は、その計画があるなら早めに管理者に申告する
- 管理者は、当人がいつ抜けてもいいような業務を割り振る
つまり、出産を控えている人、あるいは子育てによって勤務時間に制約がある人は、すぐに代わりの人材が見つかるような職種(=IT業界で言えば「プログラマー」など)に就く(就かせる)べきで、決して「その人でなければできない」ような仕事はする(させる)べきではないと思う。
そうすれば、ある日突然「子供ができたんで休みます」と言っても、周囲の人々はみな温かい目でその人を見守ってくれるだろう。
- 仕事も、セックスも計画的に -
あなたは、ひとりで仕事をしているのではないのだから。
(つづく)