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アクトビラで「N特 激動の記録」を見て報道のあり方を思う

与党の一部のアホ政治家や、

センセーショナルな物言いにしか自分の存在意義を見出せない三流小説家による

「報道圧力」がメディアをにぎわせている今日この頃、「報道のあり方」を改めて考えるために、毎月1,000円近く払っているのに普段はほとんど見ていない「アクトビラ(acTVila)」で
「NHKオンデマンド|NHK特集 激動の記録 第1部 戦時日本 ~日本ニュース昭和15-20年~」
を見た。

 

「日本ニュース」をひたすら流す番組構成

このNHK特集の放送は1979年。ナレーションは、あの加賀美幸子さん(この人の声は本当に耳に心地いい)。

いわゆる「開戦前夜」の昭和15年の第1号から昭和20年の「敗戦」までの約5年間の、日本映画社(日映)による「日本ニュース」がひたすら流される。

戦艦ミズーリ艦上の降伏文書調印式で始まるこの番組で紹介される、大東亜戦争開戦直前の野村駐米大使のインタビュー、開戦直後の東南アジア地域での快進撃、「山本五十六大将の訃報」「学徒出陣」「神風特別攻撃隊」、そして敗戦に至るまでの映像の数々は、言葉よりも雄弁に当時の世相を伝えてくれる。

ただし、

 

陸海軍や官庁の検閲で内容がしばしば歪められ、国民の戦争への意欲を高めようとした解説や音楽が付け加えられました。

- 「NHK特集 激動の記録 第1部 戦時日本」ナレーションより 

ときおり、加賀美さんのナレーションによる解説が、その”報道”の実態を教えてくれる。

そしてさらに、日本映画社の元カメラマンの方々のインタビュー映像が差し込まれる。戦後30年と少し。現在はもうほとんどの方がお亡くなりになられていると思うが、まだこの頃は多くの方が元気だったのだ(もちろん、戦地で命を落とした方もたくさんいたわけだが)。実際の戦争を現地で取材した人たちの証言も、今となっては貴重な記録である。

 

政府・軍部の検閲 

ミッドウェー海戦で沈没した航空母艦「赤城」に乗っていたという日本映画社のカメラマン牧島貞一さんのエピソードが興味深い。牧島さんは「赤城」艦内で急降下爆撃機に攻撃されたが戦争を生き延び、番組のインタビューに答えている(ちなみに番組冒頭の「ミズーリ艦上の降伏文書調印式」は牧島さんの撮影である)。

 

日本海軍敗戦のニュースは撮影できなかったばかりかひた隠しにされ、牧島さんは内地に帰っても軟禁されて誰にも面会できず、そのまま再び南方へ送られました。

- 「NHK特集 激動の記録 第1部 戦時日本」ナレーションより

「ミッドウェー海戦関連のニュースが隠された」というのはよく知られている話だが、従軍したカメラマンさえ「口封じ」をされたというエピソードは非常に興味深い。当時の政府および軍部は、いったい何を恐れて情報を隠そうとしたのだろうか。

 

幸せの薄い記録 

 

日本ニュース264巻には、1件の犯罪も地震も火事も台風も交通事故もありません。芸能界の華やかなニュースもありません。

日本が国を挙げて破滅に歩んでいった5年間の痛ましい足どりです。

戦後はアメリカに接収され20年以上経って少しずつ返還された、幸せの薄い記録です。

- 「NHK特集 激動の記録 第1部 戦時日本」ナレーションより

NHKに保管されている大量のフィルム群をバックに、加賀美さんのナレーションが切なく流れる。

そして番組の”締めくくり”として、原爆投下直後(1945年9月3日頃)のヒロシマの惨状を伝える唯一のニュース映像が流れる。これ以降、ヒロシマの様子を伝えるニュースや記録映画を公開することはアメリカに禁止されたという。

破壊された相生橋、壁1枚を残して吹き飛んだ建物、黒焦げになった木々、一面の焼け野原・・・すべてが一瞬で吹き飛んだヒロシマの惨状を伝える映像は、「戦争とは何か」を後世に伝える貴重な記録である。

冒頭のアホの方々には、こういう映像の記録を見て「報道統制はどのような結果をもたらすか」をよく考えてほしいものだ。