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三菱自動車はどこへ向かうのか

三菱自動車、米国生産から撤退

以前から報道されてはいたが、昨日(2015年7月27日)、三菱自動車のアメリカでの自動車生産撤退が正式に発表された。
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どの新聞も、見出しにこの文言を入れているが「選択と集中」というヤツだ。

私は自動車評論家でもエンスージアストでもないし、人にひけらかすほど特別に知識や情報があるわけでもないが、このニュースを聞いて思ったことを、いちクルマファンとして書き留めておく。

 

「ミツビシ」と聞いて思い浮かぶクルマは・・・

パジェロ

「ミツビシのクルマ」を連想して私がまず最初に思い浮かんだクルマが「パジェロ」であった。かつては「キング・オブ・SUV」的な扱いだった時代もあった名車だが、いまではあまり見かけないし、メディア等でその車名もあまり聞かない。

もしかしてラインアップから消えちゃったのかな?と思ったら、ちゃんとまだあった。ま、ミツビシの黄金期を象徴する車名を、そんな簡単には消さないか。

現行型は既に10年目(!)だが、 Wikipediaによると毎年マイナーチェンジを繰り返しており、今年もつい最近改良版が発売されたばかりなので、”やる気”はじゅうぶんのようだ。

 

オールラウンドSUV『パジェロ』を一部改良して発売
~「オートマチックハイビーム」を初採用~
三菱自動車は、オールラウンドSUV『パジェロ』に、三菱車として初めて「オートマチックハイビーム」を採用し、夜間の視認性を向上させた他、内装の質感を高め、新外色を追加するなどの一部改良を施し、全国の系列販売会社を通じて7月16日(木)から発売を開始します。メーカー希望小売価格は2,926,800円~4,951,800円(消費税込)。

プレスリリース | ニュース・イベント | MITSUBISHI MOTORS

が、ここ▼のランキングの10位にさえ入っていないのは、やはりその”古さ”ゆえだろう。

SUVの車人気ランキング!【2015年】最新! | 車の選び方・購入ガイド!

天下のトヨタ車とは言え、同価格帯でランクインしている「ハリアー」「ランクルプラド」なんて、しょっちゅう見かけるもんなあ・・・確固たる”ブランド”をうまく生かせないあたりが、ミツビシの現状をあらわしているのだろう。

余談だが、いまイギリス・ミツビシのサイトを見ていて、パジェロが「ショーグン(笑)」って名前で売られているのを初めて知った。

これ常識?それともトリビア?

ランサーエボリューション

クルマ好きとしては、やはりこのクルマは外せない。が、あろうことか、根強いファンが一定数存在するこの名車を、あっさり生産終了にしてしまったのは既知のとおりである。

たかだか2リッターの4気筒なのに、

  • 最高出力:313ps / 6rpm
  • 最大トルク:43.7kgm / 3rpm

こんなスペックを叩き出せる技術があるにも関わらず。本当にアホである。

この生産終了も「選択と集中」によるものなのだろうが、こういう判断をしてしまうあたりが、ミツビシに対してクルマファン希望を見出せない要因であろう。

 

特殊な高性能車にありがちなマニアックで個性的、そんな扱いにくさを大きく改善し、操縦する面白さと安全性という両面を追求した成長過程を経て、そろそろここいらでいったん区切りをつけて、また新たな気持ちで出直そうという機運も社内外ではあるに違いない

webCG|三菱ランサーエボリューション ファイナルエディション(4WD/5MT) 【短評】

と、webCGで笹目二朗さんが書かれているが、はたして本当だろうか。

ギャランフォルティス スポーツバック 

ラインアップを見ていて、「ん?」と思った。ギャランスポーツバックがいつの間にか消えていたのだ(※海外向けは生産継続中)。

私はこのクルマの発売当初、真剣に乗換を考えたほど、このデザインが好きだったのである。5ドア・ハッチバックであれだけ美しいデザインは、なかなかないだろう。

近所にあるミツビシディーラーで、閉店後も店の外に置いてあったこのクルマをしげしげと見ていたら、暗闇の中から営業さんが突然現れてビビったこともあった。

MTが用意されていないので、結局”思い切る”ことはなかったのだが、そのとき営業さんにもらったカタログはまだ大切にとってある。

アウトランダー

ミツビシの車名と言えば「ランサー」「ギャラン」が最初に思い浮かぶスーパーカーブーム(笑)世代としては、「アウトランダー」という名前はどうにもなじめないのだが、アメリカでもイギリスでもフランスでもオーストラリアでも中国でも、「アウトランダー」という車種は、その名前で統一されていた。

それだけ、ミツビシとしてもこの車名に懸けているのだろうし、また、今後この車名をどう育てていくかが、ミツビシの社運を握っているのだろう。

なお、PHEVについては id:wakumasaさんのこちら▼のブログに詳しい。

 

三菱自動車はこれから何を”売り”にしていくのか

マツダは車種を絞り、デザインと「SKYACTIV」で統一感を出して、スバルは「SUV」とアメリカ市場に特化して、それぞれ成功した。

スズキは中型車以上とアメリカ市場を捨て、小型車とアジアに集中して活路を見いだした。

はたしてミツビシには、どんな強みがあるのだろうか。
「ランエボ」を捨て、「パジェロ」を現代に適応させられないミツビシに、どんな策があるのだろうか。 

 

日本では昨今、やや販売に苦戦気味の三菱ですが、じつはインドネシア市場において商用車を中心に高いブランドイメージを築いています。同国ではトヨタに次ぐシェア2位の座をダイハツと激しく争っているほど。

- 三菱アウトランダースポーツって知ってる? 「アセアンで一番注目される国」インドネシアに投入です | clicccar.com

これは既に3年前の記事だが、今年の米国生産撤退によって、よりいっそう東南アジア市場に重きを置いていくのだろう。

日本ではやはりどうしてもあの問題が未だ尾を引いていて、例えいいクルマを出したとしても正当に評価されるのは難しいと思うが、笹目さんの言うとおり「新たな気持ちで出直そうという機運」に乗じて、ランエボを超えるようなクルマを作り出して欲しいものである。