「休日の分散化」について考える
昨日、眠気に負けて中途半端な形で投げ出したので、「休日の分散化」について改めて考える・・・
・・・とは言っても、いろいろなサイトから情報を拾ってこないと正確なことが書けないので、ある意味「まとめサイト」的な内容になってしまうが、まあその辺は、どうか”ご愛敬”ということで。
休日分散化とは
読んで字のごとく「休日を分散させる」、つまり、現状では全国一斉に同じ期間に休みをとる大型連休を、「地域を分けて」、「休みの期間をずらす」、という施策を指す。
分散化のパターン
分散化のパターンはいくつかあるが、数年前、国民の気まぐれで政権についた夢想家集団・民主党が中心になって2010年に作成した案は以下のとおり。
- 春と秋にそれぞれ土日を含めた5連休を創設
- 「北海道・東北・北関東」「南関東」「中部・北陸信越」「近畿」「中国・四国・九州・沖縄」の5地域に分ける
- 連休の時期は地域ごとに1週間ずつずらす
- 憲法記念日(5月3日)、みどりの日(同4日)、こどもの日(同5日)などの現行の6祝日は「記念日」として残すが、休日とはしない(祝日を休日と定めた現行の祝日法を改正する必要がある)
- 休暇分散化(キュウカブンサンカ)とは - コトバンク ※一部加筆
夢を見るのは悪いことじゃないが、これを本当に実現できると思っていたとしたら、かなり「オメデタイ」というか、「『できること』と『できないこと』の区別ができない」人達の集まりだったんだろう。
これはかなり極端な例だが、でもここまで極端だと、かえって「分散化とは何か」はわかりやすいだろう。
分散化のメリット
主に高速道路の渋滞が(ある程度)解消される
私が休日分散化を望むのは、このメリットに尽きる。
とにかく大型連休における高速道路の渋滞は異常であり、為政者達はなぜもっとドラスティックに 変えようとしないのか、不思議でしょうがない。
まあそうは言ってもハード面では「第三東名」や「新中央道」を造れるはずもないので、ソフト面である「休日分散化」は、実現性の高い施策なのである。
宿泊料金が適正化される
どうしてもどこかに宿泊したいとき、近場のビジネスホテルがもし「一泊2万5千円」だとしても、そこしか選択肢がなければ涙を飲んで泊まるしかないだろう。
今年(GW)のゴールデンウィークに山口から川崎までの帰路の途中で、疲れ切って神戸か大阪に泊まろうとしてホテルを検索したら、検索してるソバから「7,000→10,000円」に急に値上げしたホテルがあった。
ゴールデンウィークど真ん中の混雑ゆえ、他に選択肢がないであろうことを見込んで、強気に出たのだろう。
休日分散化によって宿泊施設の混雑が解消されれば、このような「悪徳業者」は淘汰され、競争原理によって料金も適正化されていくことだろう。
まあ私の拙い解説よりも、民主党政権時代に作成されたこちら▼のPDF *1 を参照した方が、ずっとわかりやすいと思う。
分散化のデメリット
メリットがあれば、必ずデメリットもあるのが世の常である。
遠方の近親者・友人と休みが合わなくなる
「地域毎に休日が異なる」ということは、「離れた地域に住んでいる夫婦・親子・親戚縁者・友人等々と休みが合わなくなる」ということである。
友人と呼べる人間はひとりもおらず、両親とも既に亡くし、親戚はおろか兄姉とさえ疎遠で、休みが合わないと困る人間は「かみさんただひとり」である私にとっては、まったく持ってピンと来ないデメリットであるが、私が特殊なだけで、世の中には困る人はゴマンといるのだろう。
ま、どちらか休める方が、休むしかないよね(他人事)。
企業活動に支障をきたす
こちら▼は、民主党政権時代に書かれた個人のブログであるが、かなり笑えるのでリンクを張る。
未知子「うちはダメよ。全国から部品を調達しているじゃない。5ブロックに休日を分けられたら、その都度生産ラインが止まることになると思うよ。うちだけじゃなく、製造業がマヒしてしまうって営業部長が呆れてたわよ。」
未知子さんは、その名前のとおり”未知”のことを憂慮されているわけだが(笑)、例えば全国を5ブロックに分けたとすると、期間中に休んでいるのは1ブロックだけなわけだから、自分のところを含めた残り4ブロックで営業すればいいだけの話である。
全国を股にかけて活動している企業が、その程度のことにさえ柔軟に対応できなければ、休日分散化などなくてもどのみちツブれているだろう。
休日分散化を阻むもの
世間とは、いわば「変革を嫌う人間の集合体」である。
星野リゾート代表・星野佳路氏のブログ「休日分散取得に反対する意外な抵抗勢力」*2 によると、 「休日分散化の抵抗勢力」は、やり方によってはその恩恵をもっとも受けそうな観光業だそうだ。
休日分散化で競争原理が働くことによって、上述の悪徳ホテルのような業者は淘汰されることを恐れ、それに反対するのだと言う。
星野佳路氏は、まず民間レベルで休日分散化を推進していく、とのこと。
どうか「抵抗勢力」に負けずに、意志を貫いていって欲しい。
稼ぎの少ない私は星野リゾートの高級宿泊施設は利用できないが、休日分散化には全面的に賛同する所存である。