スズキは「マイティボーイ」を忘れていなかった
「マイティボーイ」復活!?
本日(2015年10月1日)
response.jpから届いたメールマカジンに目を疑った。
あの「マイティボーイ」の再来とでも呼べるモデルが、「東京モーターショー15」に出品されるというのだ。
画像出典:【東京モーターショー15】「マイティボーイ」再来も…スズキ、4台を世界初公開 | レスポンス
まあ実際はコンセプトモデルで、そのビジュアルからして、このまま市販するつもりは毛頭ないだろうが、それでも、スズキが「あの『マイティボーイ』を忘れていなかった」という事実に、いちスズキファンとしては、感涙を抑えきれない。
車名は「マイティデッキ」と名付けられている。
どうせなら、稀代の名コピー「スズキのマー坊とでも呼んでくれ」に敬意を表して、「マーボウ」とでもして欲しかった。
いや、スズキのことだから、もし何かの間違いで市販する暁には、その車名を冠するかもしれない。
コピーは、“でも”を取っ払って「スズキのマー坊と呼んでくれ」でいいだろう。
わすれじの「マイティボーイ」
実は、さんざん「マイティボーイ復活うれしい」なんて書いておきながら、今年6月にスズキ歴史館でその姿を見るまで、どんなクルマかすっかり忘れていたのである。
車名と、その稀代の名コピーは覚えていたけれど。
(▲2015年6月19日 スズキ歴史館にて)
2代目セルボをベースに、Bピラーより後方のルーフを切り取り、ピックアップトラックにしたモデルである。荷台の全長は660mm、積載能力は他の軽トラックよりも遥かに劣る。しかし、その分キャビンが広く、シートもスライドやリクライニングが可能であり、座席後方のスペースも収納場所としては広い。
セルボベースである為、フロントガラスの傾斜が強く、ドライビングポジションはスポーツカー的な要素が強い。
軽自動車のリアを取っ払って「ピックアップトラック然」としたその姿は、居並ぶナツカシのスズキ車の中でも、一風変わった雰囲気を持っていた。
(▲2015年6月19日 スズキ歴史館にて)
が、両脇にビッチリ他のクルマが並べられ、「ここから入っちゃダメ」プレートが置かれていたため、その特徴のあるリアまわりを拝むことはできなかった。
スズキとしては半ば「ウケ狙い」で作ったようなクルマだからテキトーに置いているのだろうが、やはりこうゆうリアに特徴のあるクルマは、リア側にもまわれる場所に置いて欲しいものである。
リア側の衝突安全性能について
上の方で過去記事貼り付けした今年6月の「スズキ歴史館訪問記」では、「マイティボーイ」の”簡素化”されたリアの外観を見て、
現代の安全基準でも、このリアの意匠は許されるのだろうか。
と、「リアの意匠に不安がある」旨を書いた。
が、サラッとググった限りでは、こちら▼の方も書いているように、
自動車業界でもリア側の衝突安全性能はさほど重視されていないようにも思える。
こちら▼のサイトの「衝突安全性能試験の概要」には、
「後面衝突頚部保護性能試験」という項目はあるが、
後面衝突を再現できる試験機を用い、衝突された際に発生する衝撃をダミーを乗せた運転席又は助手席用シートに与えます。
そのときの頚部が受ける衝撃をもとに、頚部保護性能の度合いを4段階で評価しています。
と、要するに「オカマ掘られたとき、首をどれだけ守ってくれるか」という基準であって、リア側の「強度」や「安全性」を示す基準ではないようだ。
また、こちら▼のメリケンさんのサイトで挙げられているテスト項目を見ても、
IIHS-HLDI: Crash Testing & Highway Safety
- Small overlap front
- Moderate overlap front
- Side
- Roof strength
- Head restraints & seats
と、「Rear」に関する項目は見当たらないようだ。
ふーん・・・そんなものなのか・・・
ちなみに、昔の「マイティボーイ」には「Cピラー」に相当する部分はないが(樹脂板?がはめられているように見える)、新コンセプト「マイティデッキ」では、画像を見る限りでは、ちゃんと「Cピラー」に相当する部分は“カッチリ”作られているようだ。
やはり、軽自動車と言えども、今日日は安全性に気を配るのは当然なのである。
できることなら商品化を
登場したときは奇抜な印象がした「ハスラー」も、売れに売れまくって販売台数を伸ばすとともに、すっかり見慣れてしまった。
それに倣って、この「マイティデッキ」も、モーターショーの「客寄せパンダ」に終わらせないで、どうか商品化して欲しい。
もちろん私自身が買うわけではないが(2台も3台も所有できる環境に在るなら買うかもしれないが)、こういう“ヘンな”クルマが増えることが、この国の自動車文化を豊かにし、ひいては、「本当に自分が欲しいクルマ」が市場に出ることにつながると思うからだ。
スズキさん、ぜひ期待しております。