「継続は力なり」とは言うけれど



 

武道館の夢はかなう

今日(2015年10月27日)の日経新聞夕刊「文化」面に、次のような記事が掲載された。

 

武道館の夢はかなう
ベテランバンド、相次ぐ初公演

日本武道館は今も昔もバンドマン最高のひのき舞台。

今冬、結成20年以上のベテランバンドが相次ぎ初公演を実現する。いずれも地道なライブ活動を軸にじわじわ人気を広げてきた。

- 2015年10月27日 日本経済新聞夕刊 「夕刊文化」

「ヒット曲がなくても武道館公演を行うベテランバンド」として、「フラワーカンパニーズ」と「クラムボン」という2つのバンドが紹介されていた。

どちらのバンドも、私は名前しか知らない。曲を聴いたこともなければ、そのビジュアルを見たこともない。

引用した記事の中で、クラムボンの「銀河」という曲が、私がガキの頃から尊敬して止まない偉大なるバンドマン・忌野清志郎さんとの合作ということを知って、早速YouTubeで聴いてみた *1

う~ん・・・作曲は清志郎さんとのことだが、「やっぱり清志郎さんの曲は、清志郎さんが歌わないとねぇ」という感想しか持てなかった。ボーカルの女性の歌唱法が、どうにも好きになれない。でも、この歌唱法がツボにはまる人も、もちろんいるだろう。

ことほどさように、決して万人ウケする音楽ではないにしても、長い間活動を続けて、その過程で一部のコアなファンに受け入れられていけば、決して音楽ファンとは言えない私でさえも、「あ、名前は知ってるよ」ぐらいの知名度は得られるのである。

一口に「ヒット曲がない」と言っても、ある程度の知名度がないと、いくら何でも「武道館」は無理がある。「ヒット曲を出せるミュージシャン」はほんの一握りだろうが、「ヒット曲がなくても知名度はあるミュージシャン」も、また一握りだろう。

だから、ただ続けりゃいいってもんじゃあないのだ。

 

職人の技と自身の体たらく

冒頭の日経の引用記事を読んで、私の数少ないブログ友達であるid:wakumasaさんが、「『ツアーパック(H-Dではトップケースのことをこう呼ぶらしい)』をちゃちゃっと造った」というのを最近の一連の記事で読んだのを思いだした。

こんなヤツ▼。http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/w/wakumasa/20151024/20151024170816.jpg画像出典:超巨大ツアーパック搭載。 - Blog of the adiposity rider

ご本人も記事で書かれているとおり、少々大きすぎる嫌いはあるが、メリケンさんが見たら、 「Cool!」とか言うんじゃないだろうか。

なにより、これだけのモノを、図面もそこそこに、ご自身の頭の中のイメージだけで造れるってのがスゴいと思うのだ。ずっと真摯に「技」と向き合ってきた証でもあるだろう。

自分の音楽を信じて活動を続け、「武道館」にたどり着いたバンドマン。
自分の腕だけを信じて技を磨き、自在にモノを作り出せる域に達した職人。
どちらも私にはまぶしく見える。

翻って、自分自身のことを想う。

私はソフトウェア開発者の端くれだが、かと言って「なんでもいいから、何か役に立つソフトを作れ」と言われても、作れない。「発想力」がないのだ。そりゃ、仕事で打合せ等でコト細かく仕様を決めていけば、作れるけど(※当たり前です)。

この仕事を始めてから、かれこれ20数年になるが、「オレって、なにやってきたんだろうなあぁ・・・」と、川崎の夜道をトボトボ歩きながら、ひとり落ち込むのであった。

私が、「武道館」に立つ日は、はたして来るのだろうか。

 

*1:クラムボンはYouTube内に公式チャンネルを持っているが、残念ながら当該曲はラインナップされていなかったので、テレビ番組を違法にアップロードした動画を観た