アイドルの時代(4):80年代(2):菊池桃子
ギインとしてのモモコ
今月3日、スマホで日経朝刊の社説を読もうとしたら、視界の左端に何やらキレイな女性がチラついた。
「おっ、誰だろう?」
毎週火曜日は、社説と同じ2面に「旬の人 時の人」というコラムが連載されているのだが、そこでその往年のアイドルは採り上げられていた。
▲残念ながら、写真、顔が切れちゃってますねえ・・・ぜひリンク先で写真を見てください
まさか自分がガキの頃好きだったアイドルが、政府のプロパガンダ(死語?)に利用されることになるとは、 17歳の頃は想像もしなかった。当たり前だけど。
現在は「民間議員」なる何だかよくわからない肩書きだが、「バラいろダンディ」での東国原英夫氏の発言によれば、「来年の参議院選挙に立候補する」という話もあるそうだ。なんだか彼女は、ますますスゴい女性になっていく・・・
ヤクシマルからモモコへ
私の中学時代は「薬師丸ひろ子」とともにあったが(笑)、
高校時代は、「菊池桃子」とともにあったのである。
ハウスの「チョコケーキ2」というお菓子のCMで初めて見たその笑顔に、当時、会津という片田舎の高校生であった私はイチコロ(死語)であった。
こちら▼で見られます。
それにしても、こんな昔の映像がすぐに見られるなんて、ホント、いい時代になったもんだなあ・・・
この▼写真集の発売日、部活をサボって、会津若松市内の本屋にチャリンコを飛ばしたことを今でもよく覚えている。
実家から持ってきたと思い込んでいたが、手元を探したらなかった・・・と思ったら、押入の奥にしまい込んであった。酔っ払った勢いで、ヤフオク!で落札しなくて良かった・・・。
ファーストアルバムも、もちろん買った。1984年、当時は「LPレコード」の時代である。
- アーティスト: 菊池桃子
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 1994/12/01
- メディア: CD
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
会津若松市内のレコード屋で買って、カゴに入り切らないLP盤を手で押さえながら、会津坂下町の実家までの約15kmをチャリンコで帰ったこともいい思い出だ。
“アイドル然”としないこのジャケットは、当時衝撃的でさえあった。
このレコード盤は上京するときに実家から持ってきて、引越先を転々としてきた現在でも、ちゃんと手元にある。
それを聴くためのハードウェアは・・・
実に、十数年ぶりに電源を入れた。SONYが光り輝いていた時代に発売されたこのレコードプレーヤー (PS-FL77)は、私が17歳の時、初めて自分で稼いだ金で買ったものだ。なんと、31年前!
かなり怪しい音がしたけれど、フロントローディングもちゃんと動いた・・・
・・・おっと、この話はまた別の機会にしよう。
今回は菊池桃子の話だった。
隠れた名盤「OCEAN SIDE」
菊池桃子のファーストアルバム「OCEAN SIDE」は、隠れた名盤である。
あえて「今撮りました」感を出すための、この▲“シロートよろしく”な写真のとおり(それにしても、文字がちっちゃくて老眼だと見えない(哀))、
- A面:Ocean side
- B面:Your side
となっている。
A面はその名のとおり、セカンドシングル「Summer Eyes」を始めとした「海にまつわる曲」で構成され、B面はデビューシングル「青春のいじわる」を始めとした、「海はぜんぜん関係ない曲」で構成される。
つまり、アイドル的な「単なる曲の寄せ集めアルバム」じゃなくて、いわゆる「コンセプト・アルバム」なのだ。プロデューサー・林哲司氏による世界観(笑)が、菊池桃子の拙いボーカルで見事に表現されている。
私は、B面の3曲目「So Many Dreams」が特に好きだった。この曲を聴くと今でも、17歳の頃のさまざまな風景がよみがえる。
そしてまたいつものように、「なぜもっと努力してこなかったのか」と、後悔の念に苛まれるのだ。
アイドルとしての人生
アイドルを「生業」としていた彼女は、いったい何を考えて「労働」に従事していたのだろうか。そこに「使命感」はあったのだろうか。
菊池桃子がアイドル全盛の頃にMCを担当していたラジオ番組(「桃子とすこし夜ふかし」か「あなたと星の上で」のどちらか)で、
「魚の小骨が喉に刺さってどうしても取れなかったので、お医者さんに行って取ってもらいました」
なんて話をしていたのを当時聴いて、「アイドルなのに、そんな話しちゃっていいのかなぁ」と驚いた*1のと同時に、「アイドルもフツーの人間なんだ」と思ったことを今でもよく覚えている。
菊池桃子という人は、途中「ラ・ムー」なるヘンテコな活動をしていた(させられていた?)時期もあったが、見事に女優に転身して、ずっと地道に活動してきた。そして50代を目前にした現在、政治家になろうとしている(というウワサがある)。
アイドル歌手にしろロックバンド(?)にしろ女優にしろ、菊池桃子という人は、ある一本の“スジ”を持って、その人生を歩んできたのだろう。
同じ10代の頃、ブラウン管の向こう側にいた彼女は、ますます人間としての“価値”を高め、こちら側にいた私は、相変わらずのテイタラクである。
もう私は彼女に“投資”することはないが、同じ時代を生きてきたひとりの人間として、地道に努力し続ける菊池桃子というひとりの女性を、密かに想い続けるのだ。
*1:妄想豊かな少年であった私は、なんとなく性的なイメージを抱いたので