ザ・シネコン「TOHOシネマズ 川崎」に驚く
引きこもりのブログネタに限界を感じたので、前日の伊豆半島一周で自然の厳しさを満喫した翌日は、川崎の街に繰り出して「シネマコンプレックス」とやらに行ってきた。
映画館=坂下銀星座
映画館と言えば、故郷(会津坂下町)に昭和の頃に実在した「坂下銀星座」でほぼ記憶が停まっている私である・・・って誰も知らないか。
要は、昭和の昔には日本全国どこにでもあった、戦後の映画黄金期に建てられた古い映画館だ。
ジメジメした通路に立ちこめる便所のニオイ。
ひび割れた壁を覆うように貼られた、「日活ロマンポルノ」のポスター。
基本的にガラガラの館内。唯一賑わうのは「東映まんがまつり」の時のみ。
稀代の記録映画「東京裁判」を観に行ったときは、300席以上あったであろう座席に座っていたのは、私ひとりだった。
あまりに長く(上映時間:277分!) 、あまりにも退屈な映画で、半分以上寝てたけど。
TOHOシネマズ 川崎
おノボりさんパシャパシャ
「いまどきシネコンなんてフツーなんだよ!あんただけだよ、そんなおノボりさんみたいに写真撮ってんの」
と、かみさんには鼻で笑われたが、「映画館=坂下銀星座」で記憶が停まっている私である。その“オシャレさ”にドギモを抜かれたので、写真を撮らずにはいられなかった。
というわけで人目も憚らずにパシャパシャやっていたら、中央左寄りに写っている4人組のうち、左端の少年が前屈みで目の前を通過してくれた。
どうもすみませんでした。その優しい心持ちのまま、立派なオトナになってください。
リドリー・スコット
来年の話題作は、リドリー・スコット監督「オデッセイ」のようだ。
リドリー・スコットと言えば、私的には「ブラック・レイン」なのである。
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この映画に対するレビューを見ると、やれ「監督は日本がわかってない」だのと的外れな意見を目にするが、そんな細かいことはどうでもいいのだ。
「松田優作の最後の煌めきを、圧倒的なスケールでスクリーンに残してくれた」というだけで、リドリー・スコットの仕事は後世に語り継がれるべき偉業なのである。おっと、閑話休題。
居場所がない
こちらが入口側。ソファが置いてあるのはいいのだが、数が少ないので落ち着ける場所を確保するのは難しい。
というわけであちこち見学してみる。
フード/ドリンクコーナー
「ここはファーストフード店?」と見紛うほどの、充実したフード/ドリンクコーナー(TOHOシネマズでは、正式に「売店」と呼んでいるらしいが、パンフレット等を販売している、いわゆる「売店」は別にあった)。
これらの原色豊かなお菓子は一瞬単なる“ディスプレイ”かと思ったら、かみさん曰く「売りモンだよ」だそうだ。
ジェリービーンズなんてあんなクソマズいものを、好んで食べる日本人はいるのだろうか。
2フロア構成
7階フロアから長いエスカレーターを上って9階に行くと、4Dシアターがある。
映画のシーンに合わせて、客席のシートが前後、左右、上下に動くとともに、風、ミスト、香り、ストロボ、煙や振動など五感を刺激する11種の特殊効果が連動。
「シートが振動する」程度なら割と昔からあったと思うが、
- バックポーカー:背中をつつくような効果
- ネックティクラー:首筋に何かが触れるようなゾクッとした感覚
- ウォーターブラスト:雨などに合わせて水しぶきが飛んできます
って・・・そこまで要る? 心臓に悪くない?
4Dシアターは現在「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が絶賛上映中だが、この日のこの時間帯(13時30分頃)は何も上映していなかったようだ。
で、通路のデザインがオモシロかったので、ヨコにいた従業員のおにいちゃんの冷たい視線も気にせず撮影してみた。
まるで、「2001年宇宙の旅」に出てくる宇宙船のようだ(ちょっと無理矢理です)。
画像出典:40年ぶりに映画「2001年宇宙の旅」の新予告編が公開される - GIGAZINE
ここでは現在「妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン! (なんだそりゃ)」を上映しているようだが、こんなステキな空間で映画を観た子供たちは、さぞや情操豊かに育つことだろう。
スクリーン4
7階フロアに戻って、「スクリーン4」で映画を観た。映画館で映画を観るなんて、何年ぶりだろう。
指定した座席は「B-5」。
はっきり言って、スクリーンはかなり見にくかったが、「ヨコと後ろに他人がいないこと」が私にとって重要なのだ。
上映後に後ろの座席を見渡すと、完全な階段状になっていた。
現代の映画館はスゴい。
「そんなのに驚いてんの、あんただけだよ」
またしてもかみさんに冷笑されつつ、TOHOシネマズ 川崎を後にしたのだった。