東急グループはなぜこの程度の雪で大混乱したのか

首都圏が久しぶりの雪に見舞われた2016年1月18日朝。

まあ毎度のことではあるが、鉄道を始めとする首都圏の交通網は大混乱に陥った。東京・横浜の積雪はわずか「最大6cm」だったというのに。



 

東急グループを批判する理由

それは単に、私が直接被害を被ったのが、「東急バス」および「東急目黒線」だったからである。東急グループのお陰で、川崎の拙宅を出てから神保町の会社に辿り着くまで、「2時間22分」もかかった(※普段なら以下のルートは最短「1時間5分」で到着できる)。

まずは遅延の状況を時系列で検証する

  • 06:22 拙宅を出る(発車予定時刻06:28の始発バスに乗るため)
  • 06:25 近所のバス停に到着
  • 06:46 東急バス:五反田行[反01] がようやく発車(18分遅れ!)
  • 07:14 バスが西馬込駅前に到着
  • 07:19 都営浅草線:泉岳寺行が発車(拙宅を出てから既に57分!経過)
  • 07:43 乗り換えのため三田駅で降りて都営三田線:三田駅に到着
    (▼ホームは既に長蛇の列)
    f:id:ToshUeno:20160118074414j:plain

  • 07:50 1本目の電車が到着
    (電車内は既にスシ詰め、かつ前方に30人以上並んでいたため乗れず)
  • 07:58 2本目の電車が到着
    (電車内スシ詰め、かつまだ20人以上並んでいたためまたも乗れず)
  • 08:26 3本目の電車がようやく到着
    (ここでようやく脚を“く”の字に折り曲げながら乗り込む)
  • 08:41 神保町駅到着
  • 08:44 会社到着

つまり、 東急バスを18分余計に待ち、東急目黒線遅延のため遅れた都営三田線を43分待ったのである。なんと、「待ち時間合計=61分」

JRで会社に向かったかみさんはフツーに着いた

もちろん、遅れたり止まったりしていた鉄道/バス会社は東急グループだけではない。ただし、「川崎市営バス+JR東日本(京浜東北線)+都営バス」で会社に向かったかみさんは、いつもと変わらない時刻に会社に着いたそうだ。

 

東急グループ全体が2年前のトラウマに縛られていた?

2014年2月の東横線追突事故

この記事▼によれば、

 

実際に昨冬の雪 *1でも通常に近い運行を続けた東急電鉄が事故を起こし、大きな批判にさらされた。

首都圏の鉄道の「大雪対策」が北国並みにできない理由 | ハーバービジネスオンライン

とのことなので、今回の遅延は、東急グループ全体が「安全」に過敏になり過ぎた結果なのだろうか?

今日の遅延の理由は

ちなみに、上記の3本目の電車が来るまでに30分近くかかった理由は(構内アナウンスによれば)

  • 白金高輪駅での「ホームドア」の故障

であった。

この駅は東急電鉄ではなく「東京都交通局」の管轄だが、元はと言えば、東急目黒線が遅延して乗客がギュウギュウ詰めになったせいで、その溢れた乗客によって故障したものと思われる *2

東急目黒線の始発駅は日吉駅であり、地理的にそれほど積雪が多かったとも思えない。いったいなぜ、あんなに遅延が発生したのだろうか。

さらに、遅延の理由を探るために会社到着後にこちら▼を見ていたら、

その後、多摩川辺りで「車両故障」まで発生したらしい。

2014年2月の大雪で、東急グループも「雪対策」をしたんじゃないのか?▼

「街づくり」と「交通インフラ」どちらが大事か

上述で引用したハーバー・ビジネス・オンラインの記事によれば、

 

全ポイントに融雪装置を取り付けたり、車両にスノウプラウ *3 を取り付けるのも費用対効果を考えればなかなか難しい。

- 首都圏の鉄道の「大雪対策」が北国並みにできない理由 | ハーバービジネスオンライン 

のだそうだ。

交通インフラを担っているとは言え、東急電鉄も営利企業なのだから利益を追求するのはわかるが、渋谷駅やニコタマ周辺の再開発にばかり多大な投資をするよりも、そのうちのいくらかを「雪対策」にまわした方が、社会的貢献度は大きいはずだ。

「日本一訪れたい街」だかなんだか知らないが、どう考えても渋谷やニコタマに行く人よりも、東急グループの鉄道・バスを利用する人の方が多いのだから。

 

東急グループが今日の遅延の発端だった

テレビ朝日系列「報道ステーション」によれば、上記でも引用した2014年2月の東横線追突事故を受けて、国交省が「降雪時は電車を間引き運転するように」通達を出しており、それが今日の遅延の原因となったそうだ。

確かに2014年2月の関東地方の豪雪は、数時間で数十cmも積もるドカ雪なんてガキの頃さんざん見てきた私でさえ「ここはどこの会津だよ!?」と驚くほど凄まじかった。

この日 (2014年2月8日)▼、f:id:ToshUeno:20140208205719j:plain13時と16時の2回、クルマに降り積もった雪をキレイに落としたのだが、それでも21時にはまた、これだけの雪が積もったのである(※クルマはスカイラインクーペ)。

今日の積雪量など、このときの10分の1にも満たなかっただろう。しかも午前6時頃には、既に雪は雨に変わっていたのである *4

「安全が最優先」なのはわかるし、「国交省の通達」とやらがどれだけの効力があるのかはわからないが、なぜ、何の基準も設けずに「降雪=間引き運転」と早々に判断したのだろうか?

東急電鉄には、その判断の誤りの原因を突き止め、今後改善していく義務があるだろう。

 

東急グループのテイタラクを「他山の石」とせよ

このブログでも何度か書いているが、私は普段、拙宅から新川崎駅まで約22分かけて歩いている。

ただ今日の場合、雪は夜明け過ぎに雨へと変わっていたが、既に数cm降り積もった雪によってフツーの革靴ではまともに歩ける路面状態ではなく、雨も本降りだったため、「バス+地下鉄」を選択したのだった。

そのくせ、雪と雨でグチャグチャになった道路で1回、都営浅草線・三田駅の濡れた床面で2回滑って、危うく転ぶところであった・・・天性のバランス感覚によって、事なきを得たが。

この程度の雪で転んでいては、「会津生まれ・雪国育ち」の名がスタるというものである。例え数年に1度であっても、やはりこういう日はブーツが欲しい。
そしてブーツがあれば、普段どおり新川崎駅まで歩くこともできただろう(雨でズボンはズブ濡れになるが)。

そう、「費用対効果」を度外視して「雪対策」をしなければならないのは、私も同様なのであった。

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*1:2014年2月の大雪の時

*2:もちろん現場を見たわけでも、故障原因の説明があったわけでもないが、三田駅でも無理矢理乗り込もうとしたオッサンが電車とホームドアの間に挟まれそうになっていたので

*3:除雪装置の一種

*4:あくまで「拙宅のある川崎では」の話だが、地理的に近い東急目黒線の始発駅のある日吉も、ほとんど状況は同じだったはずだ