「Honda Collection Hall」に行ってきた:二輪市販車篇(5):系譜いろいろ

1回休んだら「もうアレの連載はヤメたのか?」というお問合せが各方面から・・・
ま、あるはずもないのだが、それでも私は懲りずに書き続けるのである。

しょせんホンダの博物館でチャチャッと撮ってきた写真と、自分の浅い知識に基づく感想にネットで拾い集めた情報を再編集してくっつけただけの記事と言えなくもない、というか、まさにただそれだけの記事なのだが、書いていて楽しいのだ。

この楽しさが、読み手とマッチすればシアワせなブログ・ライフが送れるのだろう。なんだライフって(笑)。人生はブログじゃない *1



 

キング・オブ・ツアラーの系譜

ホンダ GL1000 ゴールド ウイング (1975)

泣く子も黙るキング・オブ・ツアラー「GOLDWING」の元祖「GL1000」。実車を見たのは初めてであった。
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水冷・水平対向4気筒999ccエンジン。シリンダカバー下部に「MADE IN JAPAN」の刻印が見える (※写真要拡大)。オートバイのエンジンというより、まるで小型のボイラーのようでもある。f:id:ToshUeno:20160213135836j:plain
「このエンジンが美しいか?」と問われれば正直ビミョーだが、1970年代前半にコレをオートバイに搭載したという「先進性」がスゴいのである。

一方、メーター/ハンドルまわりは至ってフツーの「昔のオートバイ」。
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「これでもか!」とばかりに快適装備テンコ盛りの現行型とは、隔世の感がある。

ホンダ GL1500 ゴールド ウイング (1993)

今でこそGLを見かけても(お、GLだ。おっカネ持ちぃ~)と思うぐらいだが、この記念すべきオーバーナナハン第一弾のGLが街中にあふれ出した頃はまだ(おおぉぉぉ、ゴールドウイングだあぁぁスゲええぇぇ~)ぐらいの感動があったものだ。f:id:ToshUeno:20160212140432j:plain

20年も経たないうちに「これだけ変わるものか?」というぐらい、GL1000のメーター/ハンドルまわりとはあまりに違いすぎる、ここまで来るとまさに「コックピット」である。
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メーターのバックライトが消えていても、その豪華さは伝わってくる。

そして、ザ・座椅子
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これだけ豪華なタンデムシートでも、やはり私は座りたくない。だって、タンデムシートってコワイもの。 

 

縦置きVツインへの挑戦

ホンダ ウイング GL400 (1978)

このマシンは「GL」と冠しており、ホンダ自身「スポーツツアラー」と称しているが、排気量は車名のとおり400cc *2 に過ぎない。ご覧のとおり、縦置きVツインの水冷エンジンが最大の特徴である。f:id:ToshUeno:20160212135955j:plain
縦置きVツインと言えば「モト・グッツィ」だが、あちらのデザインがスッキリとコナれているのに対して *3、こちらは若干のムリヤリ感がある。

www.piaggio.co.jp

この違和感はおそらく、膝に干渉するのを避けるため、シリンダーヘッドを前方向にヒネって取り付けているためと思われる。f:id:ToshUeno:20160212140016j:plain
(わざわざそんなことやるぐらいなら最初っから横置きにすりゃいいのに)と私なんかは思ってしまうのだが、「人の真似をするな」という本田宗一郎氏のDNAを受け継ぎ「あえて困難な道を行く」ことによって、何かを生み出そうとしたのだろう。

▼それにしても「自分のクソをしろ!」って(笑)

systemincome.com

そうしてこの縦置きVツイン・エンジンは、ターボエンジン搭載車「CX500 TURBO」へと受け継がれる。

ホンダ CX500 TURBO (1981)

そしてその、ザ・ターボ・マシン。ノンカウルだとニョキッと突き出て見えるシリンダヘッドも、サイドカウルにすっぽり収まっている。
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フロント・シールドの「OBRUT」のミラー用逆プリント(?)と、サイドカバーのデジタル・フォント(?)が、過ぎし日のノスタルジィを呼び覚ます。当時はデジタルものというと必ずこのフォントが使われていたのだが、はたして、このマシンのどの辺りがデジタルだったのだろうか。

ホンダの技術陣が苦労して造り上げた縦置きVツインは、結局この「CX500」の後は続かなかった。何のヒネりもなくヨコに突き出たモト・グッツィの縦置きVツインが、現代にまで生き残っているのとは対照的である。

困難な道の行き着いた先に、理想郷はなかったようだ。

 

オフローダー私的2選

以前も一度書いたが、私はオフロード車にはほとんど興味がない。

ホンダ エルシノア MT250 (1973)

それでも、このシルバー・メタリックなタンクの、クラシカルなオフローダーには見覚えがあった。そう、往年の名優スティーブ・マックイーンがイメージ・キャラクターを務めたことで有名な「エルシノア」である。

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The Origin 2 〜第5章〜

1970年代前半当時、私はまだ保育園児だったのでもちろんリアルタイムでは知らないが、後年になって雑誌で見た、このマシンに跨がった野性味あふれるマックイーンのスチル写真は、強烈な印象として残っている。

現代はこうして▼そのCMを動画で観ることができる。本当にすばらしいことだ。


HONDA CR250M ELSINORE CM

わが国の貴重な山林を荒らすオフローダー (別称「アフォローダー」) の皆さんも、こういうところ▲を走るように。

それにしてもYouTubeを観ていて時々驚くのだが、こういう60~70年代前半のテレビ映像をアップロードしている人達って、まだ全然高価だった当時からビデオデッキを所有していたのだろうか *4。世の中には、お金持ちってのはいるもんである。

ホンダ アフリカツイン (1993)

エルシノアからずっと時代は下って、1990年代。当時私は「VFR400Z」というホンダのマイナー・V4スポーツに乗っていたが、たまに見かけるこのマシンが羨ましくて仕方なかった。
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なぜなら、デカいから。当時からデカいマシンに乗りたくて仕方なかったのだ。

そして、当時はまだ「限定解除」の時代である。この「アフリカツイン」のようなナナハンに跨がることができるのは、一部の「試験本番に強い」ライダーだけであった。 イッパツ試験に何度も落ち続けたメンタルの弱い私は、そういう意味でも、このデカいマシンとそれに跨がる人がマブしく見えた・・・
おっと、図らずも自分のダメっぷりを思い知らされて、切なくなってしまった(泣)。

 

現代のスーパースポーツへの系譜

往年のフルカウル車2台と、90年代の超高級マシンと。

ホンダ CB1100R (1981)

バカでかいフロントカウルが時代を感じさせるが、これでも1980年代当時の市販レーサーである。f:id:ToshUeno:20160212140113j:plain
こういうマシンは全体を舐め回すようにじっくり見たいのだが、「ココから先は入っちゃダメ」バーの向こう側にマシンがズラリと並べられていて、横にさえ入り込めなかった。リア側を鑑賞できないこの展示方法は、難アリだ。 ぜひ改善を求めたい(まだ書いていないアンケート *5 に書こう)。

ホンダ VF1000R (1984)

カムギヤトレインV4エンジン搭載のスーパースポーツ。
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昔の愛車「VFR400Z」のカウルにも、「CAM GEAR TRAIN」と誇らしげに記されていた。当時は何のことかさっぱりわからなかったけど。 

ホンダ NR (1992)

「果てなき夢NR」。車両価格520万円(!)。
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当時のオートバイ雑誌は、どれもこのマシンの話題で持ち切りだった。
1992年、「インターネット前夜」の時代である。 たった37万円の、「中古のVFR400Z」さえフルローンで買い、ひぃコラ言いながら借金を返済していた私にとって、こんなマシンは「夢のまた夢の、さらなる夢」であった。

もし今現在なら・・・もちろんやっぱり、500万超のオートバイなど「夢のまた夢」である。ひとつぐらい、「夢」を減らしてもいいだろう。

もうずいぶん昔のことなので、場所は覚えていないのだが、確かに一度実車を見た記憶がある。
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オートバイ屋の店内だったか、あるいはどこかの街角だったろうか。

2016年現在の超高級マシンと言えば、言わずと知れた「ホンダ RCV213V-S」・お値段2,190万円(!!!)だが、

car.watch.impress.co.jp

あちらのデザインがレーサー然として面白味に欠けるのに対して、こちらの未来感たっぷりなデザインは、20年以上も前のマシンなのに今でもじゅうぶんカッコいい。
f:id:ToshUeno:20160212140510j:plain ただ、よく見るとヘッドライトはハロゲンだし、テールランプもフツーの“電球”なあたりが、さすがに古さを感じさせる。

そこに気づいたとき、ほんの少しだけ、「夢」が醒めてしまった。

(つづく)

 

*1:銀色夏生氏の名文句「人生はバイトじゃない」のパクリ

*2:正確には396cc

*3:モト・グッツィ謹製のクルーザー「California 1400 Custom」は本当に美しい

*4:1975年にベータ、1976年にVHSのビデオデッキが発売されてから一般家庭にビデオが普及した

*5:「ツインリンクもてぎ」入場時に必ず受け取る、ご丁寧に料金受取人払の返信用封筒付きの、紙のアンケート