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秋田なまはげツーリング2016:2日目 (前篇)

オートバイ

やっと2日目を書き始める。

去年のゴールデンウィークの「お泊まりツーリング」では、4日分の記事を一週間ですべて書き終えていた。すごいなあ去年のオレ。いったいどうやって書いたんだろう。まあ睡眠時間を削って書いてたんだろうが、今年はもうそんなムリが利かなくなってしまった。

toshueno.hatenablog.com



 

虫たちのコンチェルト

「飛くずれキャンプ場」は、とにかく虫の声がスゴかった。まさに「虫たちのコンチェルト」状態であった。「コンチェルト」が具体的に何を意味するのかは知らないが、その語感と飛くずれキャンプ場の状況が妙にしっくり来た。どういう状況かというと、「さまざまな虫の声が、何重にも折り重なって聞こえてきた」のだ。

右手を海に、頭上と左手を草むらに向けてテントを張ったのだが、右側の遠くに潮騒が聞こえる以外は、頭上と左側から相当なボリュームで虫の声が響いていた。私はまったくうるさいとは思わなかったが、虫がキライなヒトは、ここでは一睡もできないだろう (というか虫がキライな人は、そもそもキャンプなんかしないだろうが)。

こういった類のモノ▼を買うぐらいなら、録音機材を持って「飛くずれキャンプ場」にテントを張った方がいい

虫たちのコンチェルト

虫たちのコンチェルト

 

私は会津坂下町という東北の片田舎の出身だが、実家はその街中にあったので、虫の声が近くに聞こえるような環境にはなかった。だが、おふくろさんが趣味でスズムシを大量に飼っていて、そのくせ自分の部屋ではなく、全然離れた子供たちの部屋の近くに大量に虫カゴを置いていたので、虫の声には慣れている。もう何十年も前の話だが、ガキの頃の習性はいくつになっても変わらないものだ。

それにしても、今思うとあの趣味は何だったんだろう。スズムシの声が聞きたいのなら自分の枕元にでも置いときゃいいものを、なんで子供部屋の近くに置いていたのだろう。本人はとうの昔に亡くなっているので、確かめる術はもうないのだが。

 

「飛くずれキャンプ場」の朝

キャンプ泊のときはいつもそうで、「何度となく目が覚めては、また眠るという繰り返し」なのだが、何もすることがなくて普段はあり得ないほど早い時間に寝たので、午前4時頃には(ああもうこれ以上は眠れねえな)という状態であった。

が、季節は既に9月。真夏の時季ほどに夜明けは早くない。テントサイトは真っ暗闇なので、外に出る気にもなれない。そう言えば、前日は新聞をまったく読んでいない。

毎週金曜日、楽しみにしている日経夕刊の「プロムナード」は、東山彰良氏である。この前日 (9月2日) の内容は、東山氏のおばあさんの話だったが、思わず朝っパラから泣いてしまった。この人のコラムは、時にはくだらない話で笑わせ (「ゴキブリ」の話は爆笑させてもらった)、またある時は、シリアスな話でホロリとさせる。毎回毎回、本当におもしろい。

そんなんしてるうちにようやく明るくなった午前4時50分頃、テントから這い出る。虫たちの声も小さくなり、とても静かな朝だ。f:id:ToshUeno:20160903045941j:plain
▲左側手前が私の安テント、右側奥が若い男女の大所帯。

いつもどおり、周辺を散歩する。▼極限までシンプルな炊事場・・・
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というか、ただの「洗面所」とでも言うのかな、こういうのは。

▼トイレは、こうして見るとキレイだが、臭かった。
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小便器の水を何度も何度も何度も流したが、まったく変わりなかった。
ボタンを押してる間“しか”水が流れない欠陥仕様が、ニオイの原因だろう。ちなみに大きい方は、和式。ブーツだと“足の裏”が曲げられないから、和式はキツいんだよね。

▼駐車場およびキャンプ場の周囲は、ぐるりと防潮堤で囲まれている。
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▼防潮堤の切れ目まで行けば海辺に降りることはできるが、ご覧のとおりの岩場である。ガッツがあれば、泳げないことはない。f:id:ToshUeno:20160903050920j:plain

▼キャンプ場入り口。細身のオートバイなら、チェーンが張ってある支柱の横をラクラク通れるだろう・・・f:id:ToshUeno:20160903052315j:plain
・・・が、サイト内への乗り入れは禁止されている。「サイト内乗り入れ禁止」は帰って来てから知ったのだが、私は先客がいたので自粛した。M109Rじゃあ、支柱の横を通れるかもビミョーだったし。

▼やや急な斜面を上ると、テントサイトが広がっている。
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こういう、駐車場とテントサイトが離れているキャンプ場のために、不格好でもバッグひとつをタンデムシートに括り付けるようにしているのだ。

「トップケース+パニアケース」は確かにオシャレだが、荷物を3つに振り分けなきゃいけないわけで、そんなのめんどくさくてしょうがない。ま、カネがあればCorbinのパニアケースは欲しいけど、高過ぎて私には買えません。

▼撤収作業が完了してから、ひとつ上の写真の左手に写っている小高い「丘」に上ってみた。
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撤収作業を終えるまで、ここに上れるってことに気づかなかったのだが、なかなかの眺めであった。ホッソい1人用のテントなら、ここに張るのもアリだろう。

▼海の反対側、テントサイトを「丘」から見下ろす。f:id:ToshUeno:20160903060511j:plain
写真右側に若い男女の大所帯が見切れているが、この写真に「飛くずれキャンプ場・テントサイト」の8割が収まっている。

 

「飛くずれキャンプ場」プチレビュー

「はちの巣」のクチコミ には「上級キャンパー向け」と書いてあるが、何を持って「上級」とするのかよくわからない。私がテントを張ったのは、ここでやっと7箇所目なので上級者でも何でもないが、フツーに水道と水洗トイレはあるし、テントも張りやすいしで、ここはなかなか快適なキャンプ場だと思った。

要は、料理も焚火も何もせず、ただ宿泊費を浮かすためだけにテントを張っている私にとって、キャンプ場の印象を左右するのは一点だけ、「『周囲に気遣いのできないバカ』といっしょになるかならないか」ただそれだけなのだ。

この狭いテントサイトに、今回は若い男女と私の3人しかいなかったわけだが、2人は至って静かだった。一晩中求愛を続ける虫たちに負けずに、アンなこととかコンなことはしていたのかもしれないが、まったく持ってサイレントであった。すばらしい2人だ。どうか末永くお幸せに。

2泊目のキャンプ場では、その印象を「悪い方」で体験することになる。

 

ももさだカエル

「男鹿半島を中心とした、秋田県の海沿いの道を気持ち良く流す」それだけがツーリングのテーマなのだが、それを記事にするのは難しい。

今回は天候にも恵まれ、交通量も全然少なく、心から「気持ちいい」と思える瞬間は多々あったが、それを表現する語彙を私は持っていない。現場では「絶景(©BikeJIN)」と思われた景色も、帰ってきて写真で見たら「?」なものばかりだった。自分の才能とスキルの無さが悔しい。本当に残念だ。

というわけで、「ももさだカエル」である。
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もちろん、ここを目的地にしたわけではない。ただ海沿いの道を走り、気まぐれに海水浴場がある方に逸れてみたら、なにやらおかしなカッコをしたカエルが目に飛び込んできたのだ。

新聞に「ハタチのお祝い記事」が載るぐらいだから、どうやら地元では、ちょっとした“スター”のようだ。

akita.keizai.biz

この記事▲によると、「ももさだ=百三段」は、ここ新屋浜 (あらやはま) の古い地名だそうだ。

こんなもので昔の賑わいが戻るとも思えないが (そもそもこんな田舎の海辺が賑わっていた時代があったとも思えないが)、ブログのネタとしてはじゅうぶんである。f:id:ToshUeno:20160903090631j:plain

それにしても、なぜこんなポーズをしているのか。
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“引き”で見ると、その答えがわかる。

まるで、風車に立ち向かうドン・キホーテのように見えるのは、私だけではないだろう (え?オレだけ?)。
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ま、「ももさだカエル」の建立は1993年ということなので、おそらく風力発電所の方が後に建てられたと思うけど。

 

道の駅 あきた港 ポートタワー・セリオン

今回のツーリングでは、「Googleローカルガイド」に写真を掲載するために道の駅にはすべて立ち寄った、というのは先日も書いたとおりである *1

さほど特徴のない、ネタにもならない道の駅ばっかりだったのだが、ここだけは「別格」だった。失礼を承知で当時の気持ちを素直に書くと、(秋田にもこんなオシャレな建物があるんだなあ)と思った。
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新潟の「ばかうけタワー」には負けるかもしれないが、「大洗タワー」には完勝である。

タワーに上るのは時間がかかるので断念したが、背の低い方=屋内緑地公園「セリオンリスタ」には入ってみた。厳密に言うと、中を“通過”しただけだけど。
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ちょうど建物の中央辺りに、昭和レトロな「うどん自販機」があった。
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私も、超秀逸なサイト「懐かし自販機~味わいの昭和レトロ自販機コーナー」や、YouTubeのチャンネルを時々見ているので気持ちはよくわかるが、あまりにも人が群がっているので(人の“切れ目”を縫ってようやく写真を撮った)、真性のアマノジャクよろしく、実際にうどんを食す気持ちは萎えてしまった。

ちなみに、この記事▼によれば、 www.sankei.com

ここ▼「佐原商店」から、「道の駅 あきた港」に売却された自販機のようだ。jihanki.michikusa.jp

上の写真をよく見てもらえればわかると思うが、佐原商店と同じように、七味が入ったビンが天井からぶら下がっている。

こんな風に「昭和カルチャー」が大切に受け継がれているのを知って、図らずも、秋田県民のすばらしさを再認識した次第である。

(つづく)

 

*1:もう既に飽きてきちゃったんで、Googleローカルガイドには全然写真をアップしてないんだけど