秋田なまはげツーリング2016:2日目 (後篇)

もう既に9月も、半分を過ぎてしまった。早いわ。もう半分過ぎてしまったけれど、唯一のリアル読者であるかみさんに「もう飽きた (秋田だけに)」と言われてしまったけれど、今月始めに行ったツーリングの思い出を、懲りずに振り返る。

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ドラゴンタワーふたたび

秋田県山本郡三種町にある「ドラゴンタワー」は、3年前に国道7号 (「秋田街道」と呼ばれる辺り) を通ったときにたまたま見つけた、県内有数のランドマークである。

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その勇姿は、男鹿半島の付け根にそびえ立つ「巨大なまはげ像」にも引けを取らない。

3年前は大館市内、つまり内陸側から日本海側に向けて早朝に走っていたのだが、今回は日本海側から三種町に入った。そして、15時過ぎに三種町のローソン *1 でこの日初めての食事をしているとき、(三種町と言えば「ドラゴンタワー」だなあ)と思い出した。

(どの辺にあったっけ?)とGoogleマップを確認したら、ローソンの目と鼻の先にあった。駐車場から国道7号を覗いたら、あの勇ましい青緑色の龍が、9月の青い空に舞っていたのである。
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3年前に見たときは、まだ旧町名である「八竜町」のままだったが、これステッカー?で「三種町」と書き換えられていた。

そして今回初めて、メロンを左手 (足?) に持っていることに気づいた。
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3年前はまだ、こういうモノを “鑑賞” する心構えができていなかったのだろう。正面から見ただけで満足してしまったせいか、メロンの存在にまったく気づかなかった。

ちなみに、メロンは旧八竜町の特産品で、全国でもここにしかない「サンキューメロン(笑)」という品種もあるそうだ。

gt.kouryu.or.jp

ま、私はメロンはガキの頃からキライで今もまったく食べないので、どうでもいい話だが。

 

秋田県北部にはキャンプ場がない!

おおざっぱな計画では、秋田県の海沿いを青森県に近い所まで北上して、そこでキャンプ泊をするつもりだった。が、行けども行けどもキャンプ場が見当たらない。能代市内で時刻も16時近くになり、そろそろタイムアップである。

海沿いに「能代温泉」という、リッパな温泉施設があった。

(お、この近くにキャンプ場ありそうだな)なんて思って周辺を探したが、海水浴場はあれども、キャンプ場はない。テントを張るぶんにはいい感じの “原っぱ” はあるが、水場もトイレもない場所に泊まるほどのガッツは、私にはない。まだまだ「初心者キャンパー」なのだ。

前々回「何を持って “上級” とするのかわからない」と書いたが、そうか、「上級者」ってのは、「どこにでも泊まれる人」のことなのか (倫理的にそれが許されるかどうかはともかく)。 だって例え無料のキャンプ場でも、水場とトイレさえあれば、初心者の私でも大概は困らないもの。閑話休題。

伝家の宝刀Panasonic「CN-G500D」の[周辺施設検索]で[キャンプ場]を探す。「該当の施設はありません」というツレないお答え。まじスか・・・。 しかたなく、スマホでビンボーキャンパー御用達サイト「はちの巣」をチェックする。確かに、秋田県北部の海沿いにキャンプ場は1つも無い。なんだよ秋田県・・・。

あきらめて内陸の方をチェックすると、能代市のだいぶ内陸側に「きみまち阪キャンプ場」という、ずいぶんロマンチックな名前のキャンプ場があった。 (しょうがねえからここにするか・・・)と思ってクチコミを読んでみると・・・

  「地元の人たちもキャンプ場までは行ったことがない」とのことでした。ここは、おすすめすることは出来ません。  

  とてもキャンプどころではないと判断して退却しました。ここに行くのはやめたほうがいいと思います。

と、スエ恐ろしいコメントが並んでいた。私は初心者ヨロシク、先人達の言うことは素直に聞くタイプなので、「きみまち阪キャンプ場」はソッコーで却下した。

あきらめて、秋田県南部の方を探す。大潟村にいい感じの無料キャンプ場があるようだ。日没まで時間がない。秋田自動車道を使って、30kmもの道のりを南に戻った。

キャンプ場って、そこらじゅうにあるもんじゃねえんだなあ・・・。

 

「日本一の干拓地」が泣いていた

17時をまわった頃、秋田県南秋田郡大潟村にある「南の池公園・キャンプ場」に到着。「飛くずれキャンプ場」もそうだったが、砂利敷の、石コロひとつひとつがデカい駐車場は、M109Rにはツラい。 「舗装してくれ」とは言わないが、石コロは片付けていただけると幸いです。

テントサイトと思われる緑地はかなり広かったが、さすがに土曜日ということで、既に7張ほどのテントが中央の東屋の周りにあった。 f:id:ToshUeno:20160903170435j:plain

そして東屋では、何人かの男達が談笑しているのが気になった。(こいつら、夜になったら騒ぎそうだな・・・)と。f:id:ToshUeno:20160903170537j:plain

なので、できるだけその東屋から離れた位置、テントサイトのいちばん隅のテーブルの横にテントを張った。
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M109Rは駐車場に置くので、そこから近いのもいいと思った・・・

だが残念ながら、夜中の12時過ぎに駐車場からテントサイトの周りをオートバイで走るバカがいて、そのエンジン音で叩き起こされたので、私の判断は間違っていたことになる。できるだけ駐車場から離れた場所にテントを張るべきだった。 

池 (元・八郎潟) の向こうに落ちていく夕陽はキレイだったのだが・・・。
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「ここは日本一の干拓地です。」
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翌朝、このセリフを改めて目にしたとき、なんだかとても虚しくなった。

 

すべての大潟村民は「ポルダー潟の湯」に集う

風呂は、キャンプ場から3km弱の「ポルダー潟の湯」へ。
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何やら温泉施設っぽいが、こんな田舎だからそう混むこともあるまい。その判断がアマかった。アマ過ぎた。 

2016年9月1日現在、大潟村の人口は「男性 1,602人 女性 1,618人 合計 3,220人」だそうだが、その半分はココに来てたんじゃないだろうか。まあもちろん「半分」はウソだが、そんな気がするぐらい混んでいた。店も街灯さえもロクに無い、夜は漆黒の闇に沈むこの村の、この温泉施設だけが、少なくとも「トツカーナ」以上には栄えていた。

浴槽内はまだ余裕があったが、そもそものスペースが狭い洗い場は、まさに「芋洗い」状態だった。人がまったくいないスペースなどないため風呂場の中を撮影するのは絶望的だが、ブログのためにも、Googleローカルガイドとしても、せめて脱衣所ぐらいは写真に収めたい。

タイミングを伺ったが、人が途絶えるということがない。そして新調したばかりのスマホ「Galaxy S7 edge」は、とりわけシャッター音がうるさい。タルんだおっさんのハダカが趣味の、“ド”ヘンタイだと思われるのも困る。

泣く泣く、内部の写真を撮るのは断念した。

 

大潟村にはコンビニがない!

「ポルダー潟の湯」の中にレストランはあった。

が、ワイワイガヤガヤ騒がしいところで食事する気にもなれなかったし、風呂上がりで暑くて汗だくで、とにかく外に出たかった。

Panasonic「CN-G500D」の [周辺施設検索] で [コンビニ] を探す。えーっと、いちばん近いサークルKサンクスまで、9.7km・・・え!?9.7km!?ウソだろ!?

これが風呂なら10km以上あっても行く気になるが、たかが食べ物のために10kmは遠すぎる。ムリ。さりとて、今からあの騒がしい場所にも戻りたくない。しかたなく、[食べる] カテゴリに含まれるすべてのジャンルを片っ端から候補に入れる。「紀の屋」という店がもっとも近い。名前からは何の店かわからないが、とにかくそこに行ってみよう・・・

・・・たどり着いた先は、真っ暗闇だった(笑)。さすがはクソ田舎である。落胆しつつ少し先に行くと、食品スーパーらしきものがあった (「あぐりプラザおおがた」)。よかった・・・

・・・喜びもツカの間、まだ18時台だっつーのに、閉店10分前(笑)。惣菜系、ほとんどナシ(泣)。
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10分以内にその「何も売ってない」中から食べたい物をチョイスする必要があるということで、かなりテンパっていたのだろう、その「何も売ってない」内部の写真をすっかり撮り忘れてしまった。ブロガーとしてもGoogleローカルガイドとしても、失格である。 

というわけで、「麺類+米類」という私のテッパン炭水化物コンビメニューは叶えられず、米を「芋」で代用した。f:id:ToshUeno:20160903192111j:plain
「『食い処いずみ屋』オリジナル本格冷し中華!」の味もいまいちだったが、途中で捨てようと思ったぐらい、このポテトサラダがマズかった・・・もちろんそこは昭和40年代生まれ、ガマンして最後まで食ったけど。やっぱり面白味はなくても、「旅の醍醐味」なんかなくても、食べ物はコンビニに限るわ。

それにしても、こんな安物LEDランタンの灯りだけで、これだけ鮮明な写真が撮れる。「Galaxy S7 edge」のカメラは秀逸である。

 

キャンプ場で人間の声なんて聞きたくないのだ

まったくやることもないので、20時過ぎにはとっととテントに潜り込んだ。スマホで何か読もうにも、バッテリーの心配があってできない (※次回で詳述)。

「やることがない→寝るしかない」。が、このキャンプ場に来た時点で心配したとおり、東屋の方が騒がしい。「どんちゃん騒ぎ」ってほどではないが、5,6人 (推定) が談笑する声は、静まり返ったキャンプ中ではじゅうぶん「騒音」である。

前日の「飛くずれキャンプ場」での虫たちの声はまったく気にならなかったが、なぜだろう、人間の声は異常なほど癇に障る。しかたなく、去年のゴールデンウィーク、「マリンパーク多古鼻」での同様の「騒音」に辟易して持参するようにした「耳栓」を耳の穴にツッコんだ。

それにしても不思議でしょうがないのは、ガキならともかく、いいトシこいて *2 なんであんな風に群れたがるんだろう、ということだ。そんなに誰かといっしょにいたいのか?そんなに1人でいるのが寂しいのか?

まあ私に彼らが理解できないように、彼らには私が理解できないだろう。それは仕方のないことだが、願わくば、静寂を求めて田舎に来ている私の近くで、群れて騒がないで欲しい。そんなに群れて騒ぎたいのなら、キャンプ場じゃなくてスナックにでも行けよ。 こんな田舎にキャバクラはないだろうが、スナックの1軒ぐらいはあるだろう。そして、スナックで「騒ぐな」という人はいないだろう。

その点、同じく去年のゴールデンウィーク、マリンパーク多古鼻の翌日に泊まった「須佐湾エコロジーキャンプ場」は良かった。
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(▲2015年5月3日 午前6時2分 「須佐湾エコロジーキャンプ場」のさわやかな朝)

ゴールデンウィークど真ん中ということで宿泊客は沢山いて、同じ「階層」のテントサイトには私と同様のソロキャンパーだけでなく、2, 3人のグループも何組かいたが、皆一様に静かだった。

それが “普通” の感覚だと思うんだけどなあ・・・。

  • 走行距離=299.9km


 (つづく)

 

*1:と思っていたら、国道7号を挟んでドラゴンタワーの反対側は能代市だった。正しくは「ローソン能代浅内店」

*2:翌朝見た「騒音源」の1人は、私と同世代と思しき頭髪も寂しげな人間であった