日産リーフ・30kWh版に乗って思ったこと
愛車・スカイラインクーペ (CKV36) を車検に出して、 その代車として日産リーフ・30kWh版をお借りした。
走行時間はのべ2時間弱、1カ所で急速充電しただけだが、そこで思ったことをまとめてみる。
代車ですが・・・
以前川崎に住んでいた頃は、お世話になっている日産ディーラー (神奈川日産自動車(株)・川崎元木店) から旧拙宅まで片道約3km、時間にして10~15分程だったので、“チョイ乗り”とも言えないような距離と時間で何台かの代車のインプレッションを書いていた (まあ多少は遠回りしてたけど)。
それが今回から、ディーラーとの往復は「川崎~戸塚」間 の片道約30km、時間にして40~50分程になったので (別に喜ぶトコじゃないけど)、代車とは言え、インプレッションを書くにはじゅうぶんな距離と時間である。
今回は川崎元木店と拙宅との往復に加えて、10月16日(日)の早朝に急速充電をしに行って、その帰りに戸塚駅周辺をぐるっと廻ってきた。
本当はもうちょっと遠くまで (鎌倉辺りまで) 行こうと思ってたんだけど、充電にあまりに時間がかかりすぎたので (※後述)、萎えてとっとと帰ってきた。
グレードは「X」
お借りしたグレードは、ちゃんと確認したわけではないので断言はできないが、装備内容から判断すると、“素”の (メーカー/ディーラーオプションが付いていない)「X」だと思われる。
ホイールはご覧のとおりのテッチンで、ヘッドライトはハロゲンであった。
代車だから、別にどうこう言う筋合いじゃないんだけど、“最先端”の電気自動車でハロゲンはないよなあ・・・。
日曜の朝の充電
戸塚の日産ディーラー
10月16日(日)の早朝、拙宅の近くの日産ディーラーに急速充電をしに行った。
おじゃましたのは、神奈川日産・環状3号南戸塚店。拙宅から10分とかからない。
わざわざ大都会・川崎まで出向かなくても、すぐ近くにこんなリッパなディーラーがあるのだ・・・ま、「近くの『知らない店 *1』より遠くの『行きつけ』」である。
100%にならない
前日、拙宅に着いた時点でのバッテリ残量は「80%」。もちろん充電しなくても、川崎までは余裕で戻れる残量なのだが、
「30kWh版」で100%まで充電したら「航続可能距離」がどれだけになるのか
が知りたかった。
(「80→100%」なんてすぐだろう)と思いきや、たっぷり30分かけて充電しても、「94%」。さすがに、スマホのバッテリとはワケが違う。
ナンとしても、100%にしたい。もう一度充電を開始する。今度は25分を過ぎたあたりで、勝手に充電が終わってしまった。それで「98%」。
なんだよ。意地になって、さらに充電を再開する。10分以上経っても、98%から一向に増えない。午前8時近くなって、南戸塚店の方々がチラホラと出勤し出した・・・やぁめた。
コネクタを抜いて、場所を移動してメーターを見たら、100%になっていた。なんなんだよ。
川崎元木店で営業さんに聞いたら、急速充電器は80%を超えると少しずつしか充電しないそうだ。だから
急速充電器では80%まで充電して、あとはコマメに充電した方が、合計の充電時間も短くなって賢い
とのこと。
日産リーフ公式QAサイト「NISSAN LEAF Q&A Real Owners. Real Answers.」▼でも、「80%以上充電しようとするのは時間のムダ」という意見が多い。
それにしても、たった1つの質問に35人もの人がちゃんとした回答を寄せている。すっかりコミュニティがデキあがっている。「リーフ恐るべし」である。
「航続可能距離」は電費実績を元にした予測値
というわけで、意地になって1時間以上かけて100%まで充電した結果の航続可能距離は「217km」であった。
30kWh版の、JC08モードでの航続可能距離は「280km」。わかりきったことではあるが、ずいぶん開きがある。
川崎元木店の営業さんが言うには、この航続可能距離の短さの原因は
- そのクルマが実際に走ってきた「電費」を元に算出した予測値である
- お貸ししたクルマは試乗車で、走行時間も距離も短いので「電費」が延びない (よって、航続可能距離も短い)
だそうだ。
確かに、去年5月にモニターキャンペーンでお借りした「24kWh版」の写真を確認したら、川崎~会津間を往復したロングツーリングに行く前は「100%で157km」だったが、
ツーリングの後には、「99%で170km」に延びていた。
30kWh版でも、会津に行って帰ってくれば、「230km」ぐらいまでは航続可能距離が延びるかもしれない。
改めて、日産リーフは「買い」なのか
一戸建てならではのクルマ
去年モニターキャンペーンで借りたときは、永久に賃貸マンション暮らしだと思っていたので、実際にリーフを買う気などさらさらなかった。ブログのネタのために借りたようなもんである。
今回、「中古だけど一戸建てに引っ越した」旨を川崎元木店の営業さんに伝えたら、がぜん彼の目が変わった。そりゃそうだ。「賃貸マンションで電気自動車」はメリットが限られるが、「一戸建てで電気自動車」は、ランニングコスト等を考えると多大なメリットがある。売る側としても勧めやすいだろう。
クルマとしては魅力に乏しい
問題は、リーフ自体が魅力的なクルマかどうかだ。
加速に限れば、走りに問題はない。音も振動もほとんどなく、まるで何かに吸い込まれるような感覚の加速には、内燃機関では味わえない魅力がある。ただまあ、それだけなんだよなあ・・・。
ハンドリングもダルいし、首都高・横羽線の継ぎ目でポンポン跳ねるサスペンションも、快適からは程遠い。“未来感”のまったくない内装も、「プリウスPHV」なんかと比較してしまうと、かなり見劣りする。
デザインも、正面から見るとまるで「ナマズ」のようだ。お世辞にも、「カッコいい」とは言えない。
それにちょっとデカすぎる。拙宅のクソ狭い駐車スペースにスムーズに入庫するには、車幅をあと5cm狭く、車長をあと24cm短くして欲しい。
もっと言うと、ドアを閉めたときの「バンッ」って音にも萎える。リチウムイオンバッテリーがバカ高いからそんなところにカネはかけられないのだろうが、グレードによっては400万円を超えるクルマである。もうちょっと何とかならないのだろうか。
インフラとしての魅力
南戸塚店には、店頭に「LEAF to Home」の本体が置いてあった。ワリとコンパクトである。ぱっと見、一般的な家庭用エアコンの室外機より高さと奥行きはあるが、幅は小さい。
工事費込で70万円弱とかなりお高いが、これがあると充電時間も半分になるし、リーフ本体から家庭用電源を取り出せたりして、電気代の節約にもなるそうだ。「初期投資が回収できるか否か」を考えるとキリがないが、何が起こってもおかしくない世の中である。家庭内インフラが充実しているに越したことはない。
クルマそのものには魅力に乏しいリーフだが、こういったインフラ周りやランニングコストまで考えると、かなり魅力が増してくる。
「2年後の車検のときは、ぜひリーフをご検討ください」という営業さんの言葉を笑ってゴマカしたが、昨晩、拙宅のクソ狭い駐車スペースに「LEAF to Home」を設置するスペースはあるか、チェックしてみた私である。
おまけ:神奈川日産・環状3号南戸塚店の展示車?
充電を待っている間、せっかくなので南戸塚店の裏手に置いてあるクルマを見てみた。
大都会・川崎のディーラーの場合、川崎元木店も旧拙宅の近くにあった日産プリンス神奈川・川崎幸店も土地が狭小なため、店舗の屋上が駐車場になっていて、在庫車はそこに保管されている。もちろん、営業時間外は中に入ることはできない。
しかし、さすがは横浜のチベット・戸塚である。あり余る敷地に広大な駐車場があって、「どうぞご自由にお入りください」状態だったので、そのうちの何台かを紹介する。
なお、いちおう断っておくが、ただ写真を撮っただけである。いっさい手を触れたりはしていない。
セレナ ライダー
川崎元木店の“メインステージ”にも展示されていた、新型セレナのオーテック謹製「ライダー」。
正直、こういうセンスはまったく理解できないのだが、トヨタ・ヴォクシーや同・ヴェルファイアみたいな、ゲヒン極まりないデザインがウケるご時世だ。「賢者は黙して語らず」である。
リーフ (ラディアント レッド)
上述のとおり、リーフのデザインもホメられたもんじゃないが、ホワイト系やシルバー系に比べると、こういったハデ目な色の方がまともに見える。
スカイライン クロスオーバー
クーペ同様、いまや絶版車のクロスオーバー。バンパーのキズもそのままに、ボンネット半開きのまま駐車場の奥の方に追いやられていた様子が悲しかった。
クーペとともに、「日産 PREMIUM FACTORY」として一世を風靡した(?)のも今は昔。INFINITIのクルマは、日本国内向けにはもうセダン系しか売らないのだろうか。レクサスは、クーペもSUVもガンガン出しているというのに。
ミニバンも電気自動車もけっこうだが、ごくごく少数派の「スペシャルティ好き」にも目を向けて欲しいもんである・・・ま、今の日産にそんな「心のゆとり」はないだろうが。
*1:適当な単語が思い当たらなかった。「行きつけ」の対義語は何だろう