震動アブソーバでベッドの揺れを解消する

戸塚の一戸建に引っ越してから、どうもよく眠れていない気がする。バカでかいトラックが通るたびに、ベッドが微妙に揺れるからだろうか。

というわけで、大枚はたいて「震動アブソーバ」という商品を買った。



 

隣近所がいない環境を選んだら、騒音と振動が付いてきた

拙宅で気に入ったところ

現在住んでいる中古住宅に決めた理由はいろいろある。

まず値段。もう余命も短いし稼ぎも少ないので、高額な物件は買えない。神奈川県内で、一般庶民が購入する新築建売住宅の半分の値段で中古住宅を探したら、どんどん田舎に入り込んで、とうとうチベット戸塚まで流れ着いた。

ちなみに、不動産屋 (東急リバブル) の女はテメエの営業成績だけ考えて、ローンが組める上限の物件を買わせようとしたが、頑として断った。ああいう態度はほんと胸クソ悪い。ヒトの人生をなんだと思ってるんだろう・・・おっと、東急リバブルに対するクレーム記事ではなかった、閑話休題。

何より気に入ったのは、狭隘住宅にありがちな、同じ大きさ (小ささ) の建物がギチギチに並んでいるシチュエーションではなかったこと。住所が一発でバレるので詳しくは書かないが、両隣とも一戸建住宅ではないのだ。 極力他人と交わりたくない私にとって、こんな理想的な物件にはもう巡り会えないかもしれない、そう思った。

拙宅の問題点

周辺の環境について詳しくは書きたくないが、これを書かないとこの記事自体が成り立たないのでやむを得ず書く。最大の問題は、思いっきり一級国道に面していることだ。つまり、交通量がハンパない。しかも、バカでかいトラックやトレーラー、タンクローリー等々、超重量級の車両がガンガン通る。
住民としての立場では「デカいヤツは一般道じゃなくて東名通れよ」と思うのだが、ドライバーの皆さんも会社から「経費節約」を命じられて大変なのだろう。「極力高速道路は使わない」なんて話も耳にする。ま、こっちとしては、そんなの知ったこっちゃないのだが。

音については、物件を購入する前の内見で概ね「うるさい」ことはわかっていた *1。それに就寝時に限れば、耳栓をすれば音は何とかなる。

それよりも問題は、振動だった。バカでかいトラックが猛スピードで拙宅前を通るたびに、ベッドがグラグラと揺れるのだ。最初は狭い部屋を少しでも広く使おうと、ベッドを壁にぴったり付けていたので、そのせいかと思って壁から離したが、まったく変わらない。そりゃそうだ。建物全体が揺れているのだから。

「隣近所がいない環境を選んだら、騒音と振動が付いてきた」

こんな所に家を建てるなら、もっと防音・防振対策を施せばいいのに。ま、そうなると中古での販売価格も跳ね上がって、私は手が出せなかっただろうけど。

 

「震動アブソーバ」を知る

住み始めた頃は(ま、こんな安い家しか買えなかったんだからしょうがねえわ)とあきらめていたのだが、戸塚に来てから2ヶ月が過ぎようとしていた頃、どうもよく眠れていないことに気づいた。以前は4時間半も寝れば何とかなったのだが、6時間寝ても眠くてしょうがないのだ。これは、ベッドが揺れているせいじゃないだろうか。

ゆりかご」のように、ゆらりゆらりと気持ちよく揺れるのならともかく、不定期に襲ってくる、不快な振動である。これはヤバい。ただでさえ仕事ができないのに、こう毎日眠くちゃ、またとんでもないミスをヤラかしかねない。

というわけで「ベッド 振動」でググると、なにやら「震動アブソーバ」という、まさに私のために開発されたような商品がトップページでヒットした。

www.shiba-juutaku.com

製造・販売元は「芝住宅総合開発株式会社」という、まったく聞いたことのない会社だが、ホームページを見ると、どうやらこの震動アブソーバ、かの有名な「トレンドたまご」で紹介されたこともあるらしい。


ガタガタしても安眠 (トレンドたまご)

簡単にどんなものか説明すると、「ベッドの“足”の下に置いて建物全体の横揺れを吸収し、就寝時の人間に伝えないようにする装置」とでもなるだろうか。

ちなみに、「震動アブソーバ」という名称は大仰で、的確ではない。

装置の構造上、吸収できるのは横揺れだけで、縦揺れにはまったく効果がない。「『震動=地震などの自然現象で大地が震え動くこと』そのものを『absorb=吸収』」するなんて、誇大広告も甚だしい。なので、ここでは商品名を指す場合以外は、「震動」ではなく「振動」という単語をあえて使う。

 

「お試しレンタル」で効果を確かめる

ネットでこの商品を見つけた時、(おお、これはまさにオレのための商品だな)とは思ったものの、4個セットで「54,800円」という、なかなかのお値段である。(芝住宅総合開発(株)様には大変失礼だが) 一流有名メーカーの商品ならいざ知らず、見たことも聞いたこともないメーカーの商品に対していきなり5万円以上も支払えるほど、金が有り余っているわけではない。

どうしたものかしばらく悩んでいたが、ある日、ホームページをよくよく見たら、「お試しレンタルを行っています」と小さく書いてあるではないか。

レンタル期間は14日間で、料金は3,240円(税込)。まあそのぐらいなら、ダメ元で試してみてもいいかなと思い、早速「お試しレンタル」を依頼するメールを出した。 なお、実際は「代引手数料 324円」と、返却する際の送料も (1,200円ぐらいだったかな?) かかるので、「お試しレンタル」は合計で4,700円ちょっとかかる。

 

写真で見る「震動アブソーバ」

箱は専用に作られたもので、意外にちゃんとしている。
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購入しても「お試しレンタル」でも、この箱に入って届く。

箱の中味

梱包はこんな感じ。
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本体・オモテ

このように「3段構成」になっている。
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2段目の「天板」と呼ばれる部分が、前後左右にゆっくりと可動する。3段目の樹脂製粘着パッド上にベッドの“足”を固定する。

本体・ウラ

ウラにも樹脂製粘着パッドが四隅に貼ってあり、これで床に固定する。f:id:ToshUeno:20161103135127j:plain

実際に設置すると、こんな感じ▼になる。
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「震動アブソーバ」のイイところとダメなところ

イイところ

横揺れはほぼ完璧に吸収する

横揺れに対してはほぼ完璧、宣伝文句どおりの効果を発揮する。もちろんきちんと測定したわけではなく、あくまで体感レベルだが、7割程の振動は解消されたように思う。結果として、設置前よりはよく眠れるようになった・・・はず。

お試しレンタルは気が利いている

(重ね重ね失礼だが) 海のものとも山のものともつかぬ商品に、いきなり“ポン”と5万円以上も払える人はそういないはず。そもそも5万円もの大金を気軽にドブに捨てられる人なら、家そのものを何とかするだろう。私のような貧乏人にとって、レンタルによって効果が試せるのはありがたかった。

ダメなところ

縦揺れにはまったく効果なし

「グラグラ揺れる」振動はほぼ解消できるが、「ブルブル震える」振動にはまったく効果がない。ホームページでも

   本製品は完全に振動を除去するものではありません。〔中略〕また鉛直方向(縦方向)の振動には対応していません。

と断っているので欠点として挙げるのは酷だが、人間ってのはより多くの効果を期待してしまうものだ。前後左右だけでなく、クルマのサスペンションのように上下動も加えれば何とかなりそうな気はするのだが、私ごときでも思いつくのだから、当然そういった試みもしているかもしれない。技術的に難しいとか、コストが跳ね上がるとかだろうか。

ベッドがかなり高くなる

もちろん値段ではなくて、「高さ」の話。「震動アブソーバ本体+樹脂製粘着パッド」の高さが約6cmあるので、当然ベッドがその分高くなる。拙宅の場合、寝相の悪いかみさんが「(寝相が悪いから) 落ちると恐い」と言い出したので、壁がない側=落ちる側に私が移動した。寝る前には壁にiPad Proを立てかけて利用していたので、ちょっと不便になった。

一度固定してしまうと外す (剥がす) のが大変 

私の場合、「お試しレンタル」で効果を実感できたので商品を購入したのだが、レンタル用の商品は中古品なので *2、購入後に送られてくる新品と交換しなければならない。

この交換が、なかなか大変な作業だった。樹脂製粘着パッドの粘着力が強すぎて、なかなか剥がれないのだ。最初は「私がベッドを持ち上げて、かみさんが装置を外す」役割だったのだが、かみさんの力ではビクともしなかったので、マットレスを下ろしてから、かみさんにベッドを持ち上げてもらった。

ダブルベッドの場合は新たな振動が生じる

これまたホームページで

   本製品は家屋振動を逃がす為に、ゆらゆらと動く構造で寝返りを打ってもベッドが揺れます。

と断っているが、特にダブルベッドの場合、自分以外の人間の寝返りでベッドが揺れて、それで目が覚めることがある。夫婦仲が悪い人は *3 ケンカの原因にもなりかねないので、注意した方がいい。 

 

*1:ま、内見は昼間しかしておらず、夜間のうるささは昼間の比ではなかったのだが

*2:でもモノはとてもキレイだった

*3:そもそも仲が悪い夫婦はダブルベッドになんか寝ないと思うが