「第93回箱根駅伝」を見た

関東ローカルの、しかもごく一部の大学限定の大会なのに、なぜか日本の正月の風物詩となって久しい「箱根駅伝」。今年 (2017年) は、今までとはまったく違ったカタチで“観戦”した。



 

去年は寒空の下30分歩いて1時間以上も待ったが、今年は

去年 (2016年) の1月3日はまだ川崎に住んでいたのだが、川崎在住16年目にして初めて、“ナマ観戦”するために国道15号沿いまで出向いた。寒空の下、片道約30分歩き、1時間以上も待ってようやく選手達を目にすることができた。

toshueno.hatenablog.com

私にしてはかなりハイテンションで綴られたブログの内容が今となってはコッパズかしいが、選手の皆さんのひたむきに走る姿に、いたく感動したのをよく覚えている。

そして、去年の1月時点では想像さえしていなかった、戸塚への引っ越し後に初めて迎えた正月。なんと今年からは、クソ寒い中わざわざ出かけなくても、選手の皆さんが拙宅の前を走ってくれる。 しかも「庭」と呼べるものがまったくと言っていいほど・・・というかまったくないので、2階のベランダの目の前を走ってくれるのだ。

「こんな田舎なのに庭もないなんて・・・プププ」と、普段は嘲笑のマトになっているであろう拙宅だが、この1月2日・3日の合計約30分間ばかりは、沿道にお集まりの方々を見下ろして「高みの見物」を決め込めるのである。

いっしょに見物していたかみさんが言った。

「あたし達、『あの家いいね、ベランダから駅伝見られて』って言われてるよ、きっと。」
「ま、『でもあんなトコ、普段うるさくてイヤだよ』っても言われてるだろうけど」

そうです、普段はとってもうるさいのです。うるさいだけじゃなくて、振動もスゴいのです。普段は騒音と振動の被害をさんざん受けているのだから、こんな時ぐらいはささやかな優越感に浸らせてください。

 

往路 (2017年1月2日)

昨年は連写もままならないニコンの安物コンデジだったので撮影もヒト苦労だったが、今年はパナソニックの最新高級コンデジ「DMC-LX9」があるので連写もバッチリ、必殺「4K連写」機能で、バシャバシャ撮りまくってもイイ写真が撮れるはず・・・が、4K連写機能で撮影した「4K連写ファイル」を確認する方法がよくわかっていなかった(恥)。

物理方向キーによる横スクロールが終わっても、次のコマがある場合は画面右隅の「>」ボタンをタッチすれば・・・
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次のコマが表示される・・・
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ということに気づいたのは、1月2日の撮影分を整理し終えた後だった。

「なんだよ全然撮れてねえじゃん・・・アスファルト連写してどうすんだよ!」と自分自身にツッコミながら、貴重な4K連写ファイルを5本以上削除してしまった。選手が通るであろうポイントを狙って予めシャッターを切っていたのだが、選手が画面に現れる前に横スクロールが終わってしまったので、「撮影に失敗した」と勘違いしたのだ。2017年も、やっぱり私はアホだった・・・。

以下、そんなアホによる強制削除を免れた4K連写ファイルから、拾い集めた写真を掲載する。

 越川 堅太選手@神奈川大学

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(前)平 和真選手@早稲田大学 (後)濱川 駿選手@帝京大学

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野田 一輝選手@順天堂大学

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八巻 雄飛選手@国士舘大学

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復路 (2017年1月3日)

往路はリアルに拙宅の目の前を通るので、「『選手+アスファルト』だけの写真」が撮影できるのだが、反対側の車線を通る復路はそうもいかない。選手以外の人達の顔を出すと非難囂々レッツゴーゴーかもしれないが、老若男女、皆さんとても楽しそうに応援されていたのでカットするのも忍びない。

というわけで復路は、選手だけではなく、沿道の方々がとてもいい表情をされていた写真を厳選して掲載する。

下田 裕太選手@青山学院大学

遠景ですみません。ギリギリまでテレビを観て直前でベランダに出たので、ポジションが決まらずアタフタしていたら、あっという間に通り過ぎてしまった。さすがは区間賞、ちょー速かった。f:id:ToshUeno:20170103110344j:plain
それにしても、ここがチベット戸塚とは思えないほど、沿道は (たぶん前日よりも) ヒトで溢れていた。ちなみに、オリジナルの画像だとヒトの多さがより実感できるのだが、ランドマークをカットするためにトリミングしてある。ま、土地勘がある人が見れば、すぐにどの辺かわかるだろうけど。

太田 智樹選手@早稲田大学

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廣 佳樹選手@中央学院大学

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(前)春日 千速選手@東海大学 (後)宇佐美 聖也選手@帝京大学

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東島 清純選手@明治大学

「通勤時に毎朝毎晩キャンパス前を通る」というだけの理由で今年も勝手に明治大学を応援していたのだが、残念な結果に終わってしまった。
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また来年、がんばってください。影ながら応援しております。

 

さすがは「現代っ子」

「現代っ子」という表現は古クサいのかもしれない、というか既に死語だろうか。つか、いつの時代も青少年は「現代っ子」だしな。そうか、こういう場合は「デジタルネイティブ」とでも呼べばいいのか。

まあそんな「デジタルネイティブ」な選手達の名前を確認するために、「箱根駅伝公式Webサイト」に置いてある各区間成績のPDFを見て、さらに名前で検索してWeb上の写真を確認したのだが、ほとんどの選手がTwitterをやっていた。

今回の箱根駅伝について「応援ありがとうございました」的なツイートや、残念な結果を踏まえてリベンジを誓うツイートをしている選手もいて、おっさんは何だかうれしくなってしまった。うれしさの余り、過去に一度も押したことのない「いいね (それにしても何でハートマークなんだろう、ちょっとキモチ悪い)」を押してしまった。

Twitterって何が楽しいのかいまいちピンと来ないが、こういう情報発信と言うか、もっと濃い表現をすれば「感情の吐露」とでも言うべきか。「率直に想いを伝える」という使途においては最適のツールだろう。そして、感謝や悔恨や決意を、あまねく衆人に素直に伝えられる若者たちは、とても素敵だと思う。

 

かみさんは「年に一度のお祭りだね」と言った

復路の最後の選手を待っている間、沿道の群衆を眺めながら、かみさんが
「これは、年に一度のお祭りだね」
と、ウマいことを言った。

確かに、わずか3メートルかそこらの高さではあるが、一段高いところから見下ろす箱根駅伝は、必死に走り続ける選手達と、わざわざ沿道まで出向いてそれを応援する人達を含めて、ある種の“お祭り”のようであった。

ただ、私は決して「参加者」ではなかった。「『ねぶた祭』や『阿波踊り』を、ホテルの窓から眺めている」そんな気分に近いかもしれない。

今年一年、この国も拙宅も私自身も災いなく無事に過ごすことができれば、また来年も、拙宅の前で“お祭り”が繰り広げられることだろう。昨日一昨日のように、ラクをして薄っぺらい感動でヨシとするか。それとも、沿道に下りて“お祭り”に参加するか。そんなことを悩むのも悪くない。

もう今から、来年の1月2日・3日が楽しみである。