Panasonicのコンデジ「DMC-LX9」は値段相応の高級機だった:レビュー篇
Panasonicのコンデジ「DMC-LX9 (LUMIX LX9)」について「前フリ篇」を書いてから1カ月以上が過ぎ、「今さら感」は否めないが、少しずつ操作にも慣れてきたところなので、レビュー記事を書いてみる。
DMC-LX9の「これはイイ!」ところ ○
コンパクト機らしからぬ高級感 ○
アルミ一体成形ボディが醸し出す、コンパクト機ではなかなかお目にかかれない高級感。手に取るとズシリと感じる重さが、より一層それを引き立たせる。
デジカメと言うと、実売価格1~2万円台の安物しか所有したことのない私にとって、この高級感は誇らしくさえある(笑)。以前の機種では、人前でカメラを取り出すのがちと恥ずかしかった。自意識過剰よろしく「うわ、いいトシこいてあんな安物使ってるよ」なんて笑われてるんじゃないか、そんな気がしたからだ・・・もはや被害妄想。
その点DMC-LX9は、コンパクト機特有の安っぽさもなく、一眼レフのような仰々しさもない。堂々と、さりげなくひけらかすことができる。「誰もあんたのカメラなんて気にしてねえよ」・・・ま、それはジュウジュウ承知してるんだけど。
「F1.4レンズ」「大型1.0型センサー」による高画質 ○
カタログチックな見出しはご愛嬌ということで。他に表現のしようがないのでしかたない。「コンパクトサイズにもかかわらず」という但し書きはつくものの、高画質を得るために基本性能を磨き上げたところが、このコンデジの“キモ”である。
その性能を確かめるために、「戸塚モディ」という“雑居”ビル *1 を中心に据えて、決して明るいとは言えない戸塚駅東口の夜景を撮影してみた▼。
どうだろう、なかなかキレイに撮れているんじゃないだろうか・・・もしこの写真がいまいちだと感じられるのであれば、それは私の低スキルやカメラのせいではなく、被写体=戸塚駅東口がショボいせいである。
使いこなそうとすればするほど真価を発揮する高機能 ○
高性能ぶりはほぼ期待どおりだったが、シャッターを押すだけで気軽に高画質な写真が得られるわけではない。私は写真マニア/カメラマニアではないので、今まで安物コンパクト機を使用してきたわけだが、これまでのように「カメラなんて写真撮れればいいじゃん」的な気持ちで使用するには、あまりにももったいない機種だと思う。それだけ豊富な機能が、コンパクトなボディに詰め込まれているのだ。
ただし私のようなシロートが、その豊富な機能を駆使して商品サイトにある見本のような写真をモノにするには、取扱説明書を熟読した上で、相当の時間使い込む必要があるようだ。
例えば先日、M109Rでふらっと出かけた三浦半島の先っちょ近くで、大根畑(?)を撮影してみた▼。
「フォーカスセレクト」機能で撮影して、撮影後に手前の畑をボカして、奥に見える海をクッキリさせて・・・と、“イメージ”としては、こういう感じ▼を狙ったのだが・・・。
(画像出典:高画質|DMC-LX9|デジタルカメラ LUMIX|Panasonic)
ま、世の中も、写真の世界も、そうアマくはないようだ。
機能/性能に比して、驚くほど高くはない価格 ○
「前フリ篇」で書いたとおり、私はパナソニックストアのモニター販売で「79,650円」で購入した。2017年1月11日現在、価格.comでの最安値は「73,830円」である。一時期、7万円を切るところまで値段が落ちたが、現在は7万円台前半で落ち着いているようだ。
個人的に「安い」とは思わないが、高い基本性能と充実の高機能を考えれば、決して高くもないと思う。
DMC-LX9の「これはちょっと・・・」なところ ×
多すぎるリングとボタン ×
リング/ダイヤルやボタンが多く、それぞれが直感的に操作できるわけではない。
また、ボタンや画面の記号表示もわかりやすいとは言えないため、(当然のこととは言え)「このボタンを押すとどうなるか」きちんと把握しておく必要があるが、こう数が多いと、すっかりモノ覚えが悪くなった年寄りにはなかなか難儀だと感じる。
ガキの頃は、例えばラジカセとか、ボタンが多ければ多いほどワクワクしたもんなのだが・・・。
安っぽい端子フタとトータルでブ厚いボディ ×
高級感のあるボディに比して、あまりにも安っぽいペラペラ樹脂の「HDMI、USB端子のフタ」は、このカメラ最大のガッカリポイントである。
また、「絞りリング・コントロールリング」が出っ張っているせいでボディに厚みがあることも、コンパクト機であることを考えれば、収納の面でちょっと分が悪い。
このように▼、2つのリングの出っ張りによってトータルの厚さは結構なモノになるため、これまで愛用していたケースに入らない。
オプションのソフトケース (DMW-CLX9) はケースにボディを固定する形式のようなので、
私の使用形態には適さない。どこかに、いいケースはないものだろうか。
青空の撮影には力不足 ×
先月 (2016年12月)、ヤマハ発動機(株)・コミュニケーションプラザに行ったときに立ち寄った富士川SA下りでは、青空をバックに富士山がキレイに映えていた。
(そんだけ高性能って言うんなら、青空も今までのカメラよりキレイに写ってるんじゃねえかな?)そんな期待を抱きつつ、撮影した写真の空の部分を、等倍で見てみた。
このブログで表示される縮小サイズではよくわからないが、等倍で見ると結構ノイズが出ている。これまで使用してきた安物コンデジと、そう変わらないレベルで。これにはちょっとガッカリした。「なんちゃらエンジン」 も、そうたいしたことはないようだ。
(つづく・・・か?)
*1:古く薄汚れたビルに様々な業態の店舗が入り混じるサマは、「商業ビル」よりは「雑居ビル」と呼ぶのが相応しい