ブルバードM109R_6カ月点検 (2017/02/25) +戸塚バイク街の黎明

前回は「6カ月点検」に関する記事の前フリとしてレッドバロン戸塚の展示車を厳選して紹介したが、それでも結構長くなってしまったので、点検のことはまったく書かずに「続きモノ」としてしまった(最初から分ければ良かった)。

toshueno.hatenablog.com

今回も6カ月点検のことはあまり書かずに(そもそも点検なんてそんなに書くことがないので)、レッドバロン戸塚の周辺で起きている環境の変化を中心に書く。



 

「ドゥカティ横浜」は高級ブティック(死語)だ

レッドバロン戸塚の展示車鑑賞もひととおり済んだので、近所の「ドゥカティ横浜」に写真を撮りに行くことにする。買う気もさらさらないのに写真を撮りに行くのは、Googleローカルガイドとしての務めを果たすためである。

さすがはシャレオツなイタリアン・ブランド、ウッドパネルで装飾された外装は、さながら「高級ブティック」である・・・
f:id:ToshUeno:20170225103142j:plain ・・・という表現を思い付いてふと思った。
(はたして、今日び「高級ブティック」なんて言うのかな?)
と。

前々回の記事で触れたアニメと同様、「ファッション」も私からいちばん遠い所にあるものなので、「『高級ブティック』という言葉が現代に通用するか」がわからない。そこでかみさんに聞いてみた。

 - 最近「高級ブティック」って言う?

 「いまどき『ブティック』なんて言わないよ (嘲笑)」

 - じゃあなんて言うの?

 「ハイブランド」「『ハイブランドの店』とかって言うんじゃない」

なるほど。もうすっかりおばちゃんとは言え、そこは普段からおしゃれに気を遣う女性である。ヒマさえあればファッション関係のサイトを見ている彼女の言うことなら、あながち間違いではないだろう。

念のため「ハイブランドの店」という文言で検索すると、「ガールズちゃんねる」という、こんなことでもなければ一生目にすることはなかったであろう、2ちゃんライクな匿名掲示板がヒットした。

girlschannel.net

・・・何の話だっけ?

話をドゥカティ横浜に戻す。壁面に埋め込まれたショーウインドウには、私の憧れのマシン「DUCATI PAUL SMART 1000 Limited Edition」が飾られていた。f:id:ToshUeno:20170225103207j:plain
レッドバロンには絶対にマネのできない、ハイセンスな展示方法である。写真に撮るとガラスに国道1号の防音壁が映り込んでしまって興ざめだが、現地では店内に入らずとも、その美しい車体を存分に堪能することができる。

店頭には、稀代のスン詰まりクルーザー「DUCATI Diavel」が飾られていた。前半分はホレボレするほどカッコいいが、後ろ半分の中途半端さ/テキトーさは相変わらずだ。f:id:ToshUeno:20170225103325j:plainM109Rの流れるようなシートカウルが好きな私からすると、このリア周りのデザインはどうしても理解できない。逆にコレが好きな人からすると「M109Rは古くさい/野暮ったい」ってことになるんだろうが・・・。

ナンバープレートステーをこんな▼めんどくさいことにしてまで、
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このデザインにしたかった理由はどこにあるのだろう。その辺を理解するには、ドゥカティの「デザイン哲学」とやらを学ぶ必要がありそうだ。

歩道のすぐ傍に置いてあったのは「DUCATI Scrambler Sixty2」。
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Monster 400」以来の「普通二輪免許で乗れるドゥカティ」だそうだ。私が実車を目にするのは初めてだったが、シンプルな車体構成の中にもタンクからシートエンドにかけて流麗なラインが描かれていて、なかなか美しい。

それにしても入口側から改めて店舗を眺めると、あまりにもオシャレ過ぎて、気軽に入れる雰囲気は微塵もない。言うまでもなく屋外よりもキレイにディスプレイされている店内のマシンを見てみたい気持ちはあったが、購入する資金もないのにそこに足を踏み入れるガッツは、私にはなかった。
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ファッション関係というと、ちょうど上京した頃の「DCブランドブーム(笑)」あたりで時間が止まってしまっている私からすると、たとえ死語でも、やはり「高級ブティック」という表現がしっくり来る。

レッドバロン戸塚が「田舎の洋品店」だとすると、ドゥカティ横浜は「銀座の高級ブティック」だ。私のように貧乏な田舎者が「オヨビでない」という点において、ドゥカティ横浜と銀座の高級ブティックは共通している。

 

「黒船」 あらわる

ドゥカティ横浜から国道1号沿いの坂を上っていくと、2017年2月現在、内装工事中の黒い建物がある。
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Googleストリートビューのタイムマシン機能を使うとわかるが、ドゥカティ横浜が元々あったこの場所が、新しいディーラーに生まれ変わろうとしている。

そう、ガイアツを絡めた巧みな戦略によってブランドイメージを確立することで、そのボッタクリ価格をものともせず輸入二輪車市場において「48.4% (2016年度上半期)」という圧倒的なシェアを誇るメリケンNo.1オートバイメーカー「Harley-Davidson」である。
f:id:ToshUeno:20170225102940j:plain ドゥカティ横浜の経営母体が「U-MEDIA (株式会社梅田モータース)」であることや、当該企業が横浜周辺にH-Dのディーラーをいくつか展開していることから、ここもまた同企業の経営によるものと思われる。

現在確認できるのはブランド・ロゴの看板だけで、告知の類は一切ないのでオープン時期等は不明だが、ここがH-Dディーラーになれば、デカいオートバイ屋が3軒並ぶことになる (実際はドゥカティとH-Dの間に「すき家」があるが)。戸塚のイチコク沿いの一角が、さながら「往年の上野のバイク街」の様相を呈するわけだ。


(▲Google マップの情報は古い。現在情報の修正を申請中である)

ちなみにレッドバロン戸塚側から見ると、いかにも挑戦的なロゴが目に入る。その漆黒の外観は、まさに「黒船」である。U-MEDIAは2件の「ハイブランド」店を並べることで(間に「すき家」を挟んでいるのが惜しい!)、レッドバロン戸塚をツブしにかかっている。
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ただ、レッドバロン戸塚には揺るぎないアドバンテージがひとつだけある。「ホンダもヤマハもスズキもカワサキも、H-Dやドゥカティディーラーで買うことはできない」というシンプルな事実だ。

私は、日本のオートバイが好きである。

 

最後にようやく点検について

この記事は本来「6カ月点検」の記事であるので、最後に少しだけ触れておく。

まずは点検風景。既に作業台から下ろして、アイドリングでエンジンオイルを馴染ませている段階。
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丁寧に洗車もしてもらった。どうもありがとうございます。
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こちら▼が請求書明細。料金は「税込7,230円」。この時点での走行距離は「70,150km」。
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ちなみに先日波勝崎に行った際、戸田漁港辺りでオドメーターが70,000kmを超えた。もともと走行距離10,655kmの中古車ゆえ「キリ番」にさほど意味はないので・・・というより、気づいた時には「70,001km」だったのだ。相変わらずのオマヌケぶりである。f:id:ToshUeno:20170218163116j:plain
(▲見にくくてすみません)

だから前々回の記事には書かなかったのだが、ひとつのマイルストーンであることに違いはない。また、こうして改めて請求書明細に刻まれた走行距離を見ると、確実に距離を重ねていることが実感できる。

今年は春が来る前に点検を終えた。M109Rの準備は万端である。あとは私自身の心と身体の問題だ。あれこれ言い訳せず、いろんな場所へ遠乗りができるよう、退屈で陰鬱で不愉快な日常をフラットに生き抜こう。

そんなことを考えた、2月の末日である。

(この項おわり)