四国・九州ツーリング2017~1日目:プルプルゆーぷる
あっという間に終わってしまった、2017年のゴールデンウィーク。今年は四国・九州のほんの一部を、いつもどおり無計画に走ってきた。5月3日の夕方には帰宅したのだが、無計画ゆえの過酷極まりない帰路であったため、まる3日間ほどヌケガラのようになっていた。既に記憶も薄れつつあるが、なんとかツーリング記録をまとめてみよう。
- 10連休の代わりに失ったもの
- 北海道は夢のまた夢
- オートバイ乗りは多かった
- 淡路島と吹上浜キャンプ場
- プルプルしながら「ゆーぷる」を探す
- 風呂と晩飯は「ゆーぷる」で
- 潮騒だけなら良かったのに
- 1日目_走行データ
10連休の代わりに失ったもの
2017年のゴールデンウィークは曜日の並びがよく、5月1、2日に休めれば「9連休」であった。私の会社は5月1日が「創立記念日」でもともと休みであり、2日は「有休取得奨励日」となっている。つまり通常であれば、大手を振って9連休を取れるはずなのだが、私が所属しているプロジェクトチーム(PT)は「顧客企業が営業日」というセツなすぎる理由で、ほとんどの人が休めない。
が、今年はどうしても遠出したかった私は、同じ業務に携わっているTK君に懇願して両日とも休みにしてもらい、さらに4月28日も有給休暇を取って「10連休」とした。PTメンバーからは一様に冷たい視線を浴びたことは言うまでもないが、別に気にしない。もともと薄っぺらい人間関係をキープするより、できるだけ良い条件でツーリングに出かけることの方が、今の私には重要なのだ。
北海道は夢のまた夢
せっかく10連休もするということで、まずはクルマ/オートバイでの未踏の地「北海道」を行き先として考えた。が、4月末~5月上旬の北海道はまだ寒いだろう。なんとなくそれは知っているが、では具体的にどのぐらい寒いのか。改めて調べてみると、道東辺りは5月でも最低気温が「5℃以下」になると言う。
はたしてそんな所まで足を延ばせるかどうかはともかく、3月中旬に千葉に行った帰りの気温「6℃」でさえ、ツラかった私である。もうすぐ5月になるというのに、また寒い中を走るガッツは私には残っていない。関東では不要な冬装備を、わざわざ積んで行くのも面倒だ。
あえなく北海道は断念して、その反対側の“南”の方・・・彼のお陰で10連休が取れたということで、TK君の故郷である「大分県」を中心とした、四国・九州に行くことにした。
オートバイ乗りは多かった
さて、4月28日金曜日は「移動日」である。高速道路をただひたすら西に向かう。連休に入ってからの大渋滞を避けるために有休を取ったワケだが、狙いどおり渋滞にハマることもなく、順調に距離を稼いだ。
ただ、私と同じような考えで休みを取ったのだろう、平日にしてはオートバイ乗りが多かった。最初にトイレ休憩を取ろうとして入った新東名道・静岡SAでは、広めの二輪用駐車スペースが満車だったほどだ。
(うわっまじか・・・この先もずっとこんな感じなのかな、イヤだなあ)
そんな静岡SAは当然スルーして先に進むと、次の藤枝PAには、オートバイは1台も駐まっていなかった▼。
ふぅ・・・。
その後、長篠設楽原PA・土山SA・垂水PA・淡路SAと休憩したが、二輪用駐車スペースが埋まるほど混んでいたのは静岡SAだけだった。静岡SAには、さぞや楽しいイベントでも用意されているのだろう。当該SAを「スルー対象SA/PAリスト」に追加したことは言うまでもない。
淡路島と吹上浜キャンプ場
4年ぶり、オートバイでは初めて通った明石海峡大橋の相変わらずのスケールのデカさに圧倒されながら、停車して写真を撮りたくなる衝動を抑えながら、淡路島に渡る。クルマならひとりでも片手で写真は撮れるが、オートバイではそうもいかない。ウェアラブルカメラ?そんなモノも持ってはいるが、いろいろと準備が面倒なワリに思ったような動画が撮れないので、いつのまにか持参しなくなってしまった。
というわけで、明石海峡大橋の写真を撮るためだけに淡路SAに入る。
こういう眺めもまた、「絶景」と呼ぶに相応しいだろう。
この日の宿泊先は、貧乏人向け宿探しサイト「はちのす」で28日当日の朝に決めた「吹上浜キャンプ場」。明石海峡大橋の反対側、淡路島では最も南にあるキャンプ場である。
(淡路島の横断なんて、あっという間だろ)
何の根拠のない予想に反して、吹上浜キャンプ場までは結構な距離があった。淡路島の大きさを完全にナメていた。
キャンプ場に到着したのは、17時半頃だっただろうか。このキャンプ場は管理人のおばさんが常駐していて、いろいろと親切に案内してくれる。先日亡くなったりりィに似た感じの、なかなかキレイなおばさんである。管理人室には、かわいい猫が2匹いて、しきりに外に出たがっていた。「こらっ、外に出たらアカン」と猫を叱るおばさんの関西弁が、妙に魅力的に聞こえた。
料金は合計1,400円(大人1人1,200円+オートバイ駐車料金200円)。高いと言えば高いが、ゴミ箱もすべて用意されていて温水シャワーも無料で使えることを考えれば、まあ許せる値段ではあるだろう。
何より特筆すべきは、サイトから少し歩けば静かな砂浜に出ることができる、絶好のロケーションである。
サイト内には、湘南ナンバーや春日部ナンバーなどのオートバイ乗りの先客が5人ほどいた。
ちなみにこの▲炊事場の前をフツーに通ると、「ズボッ」と砂に埋まるので注意が必要だ。危うくスタックしかけてビビった。
例によって、先客の方々からはできるだけ離れ、サイトの一番奥にテントを張る。「オートバイはココに置いてください」的な合板が数枚敷かれていたので、M109Rはそこに駐めた。
テントのすぐ傍に駐めようとも思ったが、ヘタに砂地に駐めて「朝起きたら横倒しになっていてオイルダダ漏れ」なんて事態にでもなったら目も当てられない。
プルプルしながら「ゆーぷる」を探す
吹上浜キャンプ場で受付をしたついでに、管理人のおばさんに「この辺に銭湯ってありますか?」と聞いた。「お風呂なら『ゆーぷる』ですよ」と誇らしげにパンフレットを手渡されたのが、「南あわじリフレッシュ交流ハウス ゆーぷる」である。
おばさんはそこに至るまでの道順も丁寧に教えてくれたのだが、悲しいかな、ついさっき初めて訪れたばかりの土地の道順を、言葉だけで把握できるほど優秀な脳ミソを持ち合わせてはいない。
(ま、こんなパンフレットもある立派な施設ならナビの「周辺施設検索」でヒットするだろ)
愛用のPND「Panasonic Gorilla CN-G500D」の「周辺施設」検索で「銭湯+スーパー銭湯+スパ」をチェックして「検索」!・・・残念ながら何もヒットせず。 それならばと、パンフレットに明記されていた住所を「住所検索」に打ち込んで・・・例によって田舎の住所は、細かい番地まで入力できない。
(ま、近くに行けばなんとかなんだろ)
そして、道に迷うというお決まりのパターン。なんとかなった試しなどないのだ。帰宅後にルートログを確認したら、
- 「ゆーぷる」入口を通り過ぎて新興住宅地に抜け、
- 戻ってもまた入口を通り過ぎて今度は港町(福良)まで抜け、
- 3度目の通過で入口に設置された看板にようやく気づいて
たどり着いていた。入口の看板は結構デカかったのだが、そこを通過する頃にはすっかり陽も落ちており、ライトアップされていないため気づかなかった。おおざっぱな住所しか指定していないナビに頼ってしまった私もアホだが、老眼でも気づきやすいように、看板は明るくライトアップして欲しいものである。
風呂と晩飯は「ゆーぷる」で
フロはサイコー
ヒトケのない山の中にポッカリと浮かぶ「ゆーぷる」は、なかなか現代的な、シャレオツな建物であった。管理人のおばさんが誇らしげにパンフレットを差し出すのもムベなるかなである。
入浴料金は600円。キャンプ場で支払った金額と合わせると、ちょうど2,000円になる。
(“野宿”すんのに2,000円かあ・・・)
そう気づいてしまったことが、後々のキャンプに対する“情熱”を急速に冷ますことになる。
この日は平日だからか、それともこんな山の中には地元の人もあまり来ないのか、浴室内はガラガラであった。
人間が1人も写っていない写真も撮ったのだが、こっちの方がアングルがいいのでジイさんのヌード付き写真をあえて掲載。
「うきうき風呂」と名付けられた、ものすごい勢いで噴射するジェットバスや(ちょー気持ちよかった!)、
山の中ならではの、しっとりした雰囲気の露天風呂もあって、充実したお風呂タイムを過ごすことができた。何より空いていたので、ゆったりと全身を洗い、ゆったりとお湯に浸かることができた。
この日の風呂は最高だったが次の日は最悪で、それがさらにキャンプ泊へのモチベーションを下げることになるとは、この時の私はまだ知らない。
メシはいまいち
フロのあとはメシである。吹上浜キャンプ場の管理人のおばさんに「食事するところはありますか?」と尋ね、「『ゆーぷる』でも食事できますよ」と聞いていた。
ただおばさんは「食事なら○○ですね」とナントカって店を推していたのだが、また山道を戻って店を探すのも面倒だし、何より飲食コーナーもガラガラだったので、何も迷いもなくココで食事をすることにした。
が、券売機に表示されたメニューに、まったく以て食指が動かない。私は極力揚げ物は食べないようにしているのだが、「鶏唐揚げ定食」だの「トンカツ定食」だの、見事なまでの揚げ物オンパレードである。
しょうがないので、消去法で「鶏南蛮定食」を選択した。
お値段700円ナリ。値段設定は良心的と言えるが、その実態は「これホントに鶏肉?」と疑いたくなるほど、歯ごたえのない、ボソボソとした「肉っぽい何か」をブ厚い衣でおおった、クソマズい食べ物であった。
潮騒だけなら良かったのに
キャンプ場に戻ったのが、午後9時過ぎ。焚火を楽しんでいる本格派キャンパーもいたが、例によって最低限の道具しか持ってきていない私は何もすることがない。だから歯磨きをして、すぐにシュラフに潜り込んだ。
(おお、潮騒が聞こえる、いいねえ・・・)
と思ったのも束の間、キャンプ場から直線距離で50km程しか離れていない関西国際空港に離発着する飛行機なのだろう、ときどき無粋なエンジン音が聞こえてくる。
(ったく、なんなんだよ ヽ(`Д´)ノ )
こんな田舎に来てまで、人工的な音を遮るために耳栓をしなければいけないとは・・・。
1日目_走行データ
- 走行距離=621.0km
- 走行時間=8時間32分
- 平均燃費=20.55km/L
(つづく)