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四国・九州ツーリング2017~2日目後篇:ガッカリ2題

2017年のゴールデンウィークに行った、四国・九州ツーリングの2日目(2017年4月29日)。徳島の大鳴門橋でガッカリして以降、グダグダの展開になって・・・。 

toshueno.hatenablog.com



 

グネり道 行けると思えば 行き止まり

大鳴門橋でガラでもない観光に時間を使ってしまったせいで、時間的な余裕がすっかりなくなってしまった。が、幹線道路をただ移動するだけではツーリング魂(笑)を満たすことはできない。たとえ遠回りになってでも、永遠のテーマである「海沿いの道をなぞる」ことにこだわりながら西を目指す。

徳島県鳴門市から香川県東かがわ市に延びる阿波街道(国道11号)は海沿いの快走路であったが、曲率の少ない道は退屈でもある。しかも、すぐに東かがわ市の市街地に入り込んでしまった。

(なんかいまいちだなあ・・・)
なんて思いながら走っていると、PNDの地図にいい感じに曲がりくねった道が表示される。

(おっ!いい感じなんじゃねえの?)
と、右手に見える入り江(安戸池)▼とともにテンションが上がったのも束の間・・・
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まさかまさかの行き止まり。
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「ええっ!なっんだよ!」
と思わず叫んでしまった。

この日は、五剣山の麓を通る香川県道145号でも同じようなことがあって萎えた(ただし香川県道145号は、途中から「お遍路専用道」になっていてクルマ・オートバイはもともと通行できない)。災害や工事や「お遍路専用」のために通行止めにするのは仕方ないが、できれば、もうちょっと手前でお教えいただけると幸いです。

 

唯一の絶景

(渦の道なんて行くんじゃなかった・・・)
そう悔やんでも時既に遅し。正午を過ぎたというのに、香川県の半分までにも進んでいないことをGoogleマップの位置情報(PNDよりわかりやすい)で知る。翌日以降のことを考えれば、できるだけ西に進みたい。とは言え、 海沿いのグネグネ道も通りたい。ノープランゆえの葛藤を抱えながら走り続ける。

そんな中で香川県道136号、地図で見ると「虎ケ鼻」と名付けられている辺りで最初の美しい景色を見る。
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私にあと50cmほどタッパがあれば、あるいはドローンでも持参していれば、手前の岩山や木々を極力フレームから排除した理想的な構図で美しい景色を捉えることもできただろうが、上の写真が道具も含めた私のスキルの限界であった。このレベルでは、誰も「絶景」とは言ってくれないだろう(うん、それは知ってる)。

この日に見た唯一の絶景は、虎ケ鼻から少し先に進んだ、瀬戸内海に細長く突き出た大串半島にある。大串半島一帯は「大串自然公園ゾーン」と称しつつ、香川県さぬき市イチオシの観光スポットが点在しているらしいが(もちろん現地ではそんなことはまったく知らず、いま調べて初めて知ったワケだが)、

www.city.sanuki.kagawa.jp

このリンク▲のリストには列挙されていない、なんだか意味不明な施設がその絶景である。シックな色使いの建造物と美しく手入れされた庭園が、奥に見える小豆島と瀬戸内海に溶け込んで実に不思議な風景を作り出していた。
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(いったい何の建物なんだろう?)
疑問に思って中に入ろうとしたが、固く閉ざされた門扉が通りがかりのヨソ者を気安く受け入れてくれる施設ではないことを示している。ただ、その門扉は高さ約120cm程の乗り越えようと思えば簡単に乗り越えられるもので、ヒトケのまったくない施設内に入っちまおうかどうか10秒ほど悩んだが、こんな山奥で建造物侵入でパクられるのもセツナ過ぎるので思いとどまった。

大川広域志度クリーンセンター」という名称のこの施設は、なんと香川県の「し尿処理施設」だそうだ。汚物をこんなに美しい風景の中で処理をする。「香川県、恐るべし」である。

「こんなののどこが絶景なんだよ」と嘲笑する人もいるだろう。ただひとつ確実に言えることは、「観光スポットをただ巡るだけでは、こんな場所にたどり着くことはできない」ということだ。今日日のネットにさえまったく載っていないこの風景 *1 を、私は確かに見た。私は美しいと思った。それだけでいい。
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私のツーリングは、これでいいのだ。

 

懐かしの二段停止線

4年前にクルマで訪れたときには気になった記憶がないのだが、今回のツーリングで街中を走っていて改めて気づいたのは、首都圏では絶滅しつつある「二段停止線」が、四国・九州にはまだ結構残っているということだ。

そして、この軽自動車とトラック▼のように、
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停止線を守らないクルマがほとんどであることもまた、「いつか見た光景」である。

ちなみに上の写真を撮った後は、軽自動車の前にでて「二輪枠」に収まったことは言うまでもない。M109Rとハイト系・軽自動車との発進加速の圧倒的な差を考えれば、最初から前方に出た方がお互いにストレスがなくて良いはずだ。

ただこの二段停止線の問題点は、「『二輪』に分類される乗り物が、すべて発進加速が良いというワケではない」ことにある。250ccクラスまでならともかく原チャリが大挙して二輪レーンに停まり、軽自動車ならともかくポルシェ911が四輪レーンに停まった場合などは、お互いにストレス溜まりまくりマクリスティ(死語)である。

であるなら原チャリごときは、それ以外の二輪やクルマの前に出るべきではないと思うのだが、原チャリにしか乗れないようなヤカラに限って前方に出しゃばって交通の妨げになるから、こんな無意味なシステムは絶滅に向かっているのだろう・・・って違うか。「スリ抜けを助長するから」ってのが大方の理由だろうが、停車しているときぐらいはフリーにスリ抜けさせて欲しいものだ。 

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早すぎるリタイア 

五剣山の麓の行き止まりでUターンした後は、海沿いのグネグネ道を走る意欲を失い幹線道路をひたすら西に進むことに専念する。就寝中に思いがけない寒気に襲われたからか、あるいは大鳴門橋周辺で歩き過ぎたからかはわからないが、微妙に体調も思わしくない。

香川県丸亀市の「蓬莱海浜公園」で、しばし休憩する。
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ここは、写真▲中央奥にクレーンが見えることからもわかるように、コンクリートで固められた港湾地区にぽっかりと用意された、こぢんまりとした公園である。この自販機がひとつしかない、何の面白味もない公園の駐車場に、実に30分以上も留まっていた。この公園にたどり着いたのが15時半頃。そんな早い時間で既に、遠くまで行くことも、海沿いの道をトレースすることもあきらめて、翌日の計画を練っていたのだ。

(今日はもう、この辺でキャンプ場を探すか・・・)
貧乏人向け宿泊情報サイト「はちのす」で適当なキャンプ場を見つけ、さらに翌日の「予約」を取った。ツーリングにおける予約と言えば、そう、アレである。このままノープランを続けるか、それともある程度「旅程」を決めて動くか散々悩んだが、初日の宿泊で既に、この時季における現在の自分自身の「キャンプ泊適性」に限界を感じていた。無理の利くトシでもない。キモチとカラダに素直に、できるだけ快適な旅を目指そう・・・。

 

海辺のキャンプ場でもテンションは上がらず

観音寺ファミリーキャンプ場」は、香川県観音寺市にある海辺のキャンプ場である。
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観音寺市観光協会のサイトを見ると、なんとテントひと張り1,540円!の高級キャンプ場らしいが、管理棟もなければもちろん管理人もいない。「利用する前日までに(市民スポーツ課に)許可申請手続きを行ってください」だそうだ。ふーん。f:id:ToshUeno:20170429175649j:plain
いちおう炊事場に明記されていた番号に電話したが、この日は土曜日。お役所が電話に出るはずもない。だいたい、「野宿をするのに前日までに許可が必要」という前提が破綻している。そんな制約を設けるなら、相応の見返りを用意しなければならないのが道理だが、ここにはただ炊事場とトイレがあるだけである。ゴミ箱もなければ、親切な管理人さんもいない。よって「電話をして料金を払う意志は見せた、電話に出ない方が悪い」という自己解釈に基づき、例によってサイトのいちばん端っこにテントを張る。

サイトからも臨める瀬戸内海に、夕陽が落ちてゆく。
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数年前、キャンプ泊を始めた頃ならきっとテンションの上がったシチュエーションだろうが、こんなロケーションでもちっとも昂揚していない自分に気づく。それよりも、(また明け方寒くなるんだろうな)とか、(近くにあるテントのヤツ、騒いだりしねえだろうな)とか、テントのいちばん端っこのすぐ傍に駐車場があったのだが、(深夜に駐車場に出入りするバカはいねえだろうな)とか、そんなことばかりが気になってしまう。

キャンプ泊にまったく適していない自分の性質に今さらながら気づき、今後のツーリングでの宿泊先はどうすべきか、悩み始めたのであった。 

 

日帰り温泉を探せば良かった

キャンプ泊の際、風呂探しも重要なタスクである。観音寺ファミリーキャンプ場で、愛用のPND「Panasonic Gorilla CN-G500D」で「銭湯/スーパー銭湯/スパ」を検索すると、もっとも近くにある施設として「琴弾廻廊」が表示される。なんて読むのかはさっぱりわからないが、とにかく行ってみよう・・・

・・・たどり着いた現地は、ここが四国の小都市とは思えないほど、人とクルマで賑わっていた。
この▼ストリートビューの画像では2人しか写っていないが、

私が訪れたときは奥の有明浜の方にワラワラと人がいて、駐車場にも引っ切りなしにクルマが出入りしていた。そもそも駐車場の横にあるのはホテルと思しき建物だけで、温泉っぽい施設が見当たらない。

(これだけクルマがいるんじゃ、温泉も絶対混んでるだろうな)
芋洗い状態の風呂に入ることは極力避けたい。「琴弾回廊」を探すことはあっさりとあきらめ、近くの銭湯を検索してそちらに行くことにする。

ちなみに今地図を確認すると、「琴弾回廊」には私が入った駐車場からは行くことができず、駐車場に入る道の一本手前の路地を入る必要があるのだった。CN-G500Dの道案内は、そこまで丁寧に教えてはくれなかった。愛用のPNDの小さな不親切が、この後の悲劇を招くことになる。

 

自分史上最悪の銭湯

狭い路地を通って、奇跡的にイッパツで田舎町の銭湯にたどり着くと、煙突から黒い煙が立ち上っていた。都会でも田舎でも、今日日銭湯なんていつツブれてもおかしくはないが、ここはちゃんと営業しているようだ。

(お、ちゃんとやってる、よかったー)
が、そんなワクワク感は、その後あっけなく裏切られることになる。
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共楽湯」という名前のこの銭湯は、地元の人間との「裸のつきあい」を「共に楽しむ」気などさらさらない行きずりのヨソ者にとっては、最悪の銭湯であった。では、この銭湯がどれだけ最悪だったかということを、見出し付きで列挙しよう。

接客もできない店主

「♂」の絵文字が入った磨りガラス付きの引き戸を開けて男風呂に入ると、店主と思しき爺さんが立っていた。が、私の姿を認識しているはずなのに、何も言葉を発しようとしない。「おいくらですか?」と聞くと、ようやく「360円です」とだけ答えた。はたしてこいつは、「商売をしている」という自覚はあるのだろうか?

無秩序な脱衣所

これは田舎の銭湯はワリとどこでもそうなのだが、ここの無秩序ぶりは度を越していた。常連客が置いていったシャンプー類がそこら中に置かれている。カギが壊れていないロッカーがほとんどない、壊れていなくても中に荷物が放置されている。私はジャケットを着ている上にタンクバッグも持ってきているので、ロッカーは2つ必要なのだが、「正常な」ロッカーがひとつしかなかったので、しかたなくタンクバッグと脱いだ衣類をギチギチに詰め込んだ。

電気風呂感電レベル

秋田の「霊泉 神の湯」や、前日に行った「ゆーぷる」にも設置されていた「電気風呂」。ところがココのそれは、(感電死するんじゃねえの?)ってぐらい電圧が高かった。片足をそっと入れただけでビリビリして(うぅわ、ナンだこれ!?)とすぐに入るのをヤメたのだが、翌日の昼頃まで足に違和感が残った。その「殺人風呂」に入ろうとしたのは私だけで、地元の人間と思しき他の入浴客は誰ひとりとして近づこうともしていなかったのだが、なぜ誰も文句を言わないのだろうか?

まさにイモ洗い状態のゲロ混み

いちばん最悪だったのは、ただでさえ狭い浴槽や洗い場がいっぱいになるほど、客で溢れていたことだ。なぜだろう?21世紀も17年目になるというのに、香川県観音寺市の民家には「ウチ風呂」というものがないのだろうか?それとも、ウチ風呂があっても来たくなるほどステキな銭湯だからだろうか?いやいや、5万歩譲ってもそんな風には思えないが・・・。

誰も出て行かない上に、次から次へと客が来てどんどん混んでくるので上がろうとしたのだが、洗い場がいっぱいで汗も流せず、仕方なくそのまま浴室を出た。そしたら金魚のフンのように私の後に上がるヤツが続いて、今度は脱衣所がいっぱいになった。一体なんなんだこいつらは?

しかもドライヤーがひとつしかなく、空気の読めないバカが延々と使っていて、待ってるのもアホらしくなって濡れたままの髪で男風呂を出た。もちろん、店主の爺さんは無言であった。

 

香川と言えば、うどんでしょ?

最悪の気分のまま、観音寺市市内で食事処を探す。気分は最悪でも、翌日のために食事は摂らなければならない。が、田舎町デフォルトの寂れっぷり・閑散っぷりで満たされた市内は、見事なまでに何の店もない。

(お、駅だ、さすがに駅前にはなんかあるだろ)
観音寺駅前にさえ、何の食事処もない。市内の中心部と思われる地域をぐるっと廻って、香川県道237号に出る。この通りに出てようやく、ちらほらと店が見えてくる。なるほど、ここが観音寺市の「ロードサイド店密集地帯」なのか。やたら巨大なケーズデンキが右手に見えたが、いま欲しいのは家電ではない、晩メシだ。

程なくして、暗闇の中に一軒のうどん屋が見えた。
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会津という蕎麦処に生まれ育った私にとって「うどん」という食べ物は縁が薄いが、何と言ってもここは「うどん県」である。郷に入っては郷に従わなければならない。

www.shikoku-np.co.jp

常連と思しき先客は、慣れた様子でガラスケースに入った小皿を取って席に着いていたが、勝手がわからない私は空いている席にフツーに座り、フツーに「肉うどん」を注文した。
f:id:ToshUeno:20170429192603j:plain味は、まあ・・・フツーである。マズくはなかったが、それほどウマいとも思えなかった。まず、味をどうこう語る以前に、手で持つのを躊躇するほど丼が汁と思しき油分でベトベトになっていたり、最後に会計を担当したバアさんの態度が異常に悪かったことの方がよほど印象に残った。

恥ずかしながら、観世音菩薩に由来するという畏れ多き名称を持つこの自治体を知ったのはこの日が初めてであったが、風呂も食事処もヨソ者にやさしくはなかった。詳細は控えるが、4年前に宿泊した高知市にもイヤな思い出しかない。たった2回の訪問で評価を下すべきではないとは思うが、どうやら四国とは相性が悪いようだ。

 

2日目_走行データ

  • 走行距離=228.5km
  • 走行時間=6時間59分
  • 平均燃費=19.85km/L

(つづく)

 

*1:Googleストリートビューで建物の上半分と門柱は確認できる