ホンダ・PCXでやり直す8輪生活(3):各部検証篇前篇

通勤スペシャルマシンとして、今は亡きヤマハ・NMAXの後を引き継いだホンダ・PCX。

toshueno.hatenablog.com

そのインプレッションを、核装備・・・じゃなくて各装備を通して書く。



 

ヤマハ・NMAXの「各部検証篇」では何を書いたか

この記事「各部検証篇」を書くに当たり、「ヤマハ・NMAXのときはどんなことを書いたのか」をまず確認してみた。3日前のことさえキレイさっぱり記憶から消えてしまう今日この頃、11カ月も前のことなど、覚えているはずもない。

「各部検証篇・前篇」では、タイヤのことまで書いていて驚いた。

toshueno.hatenablog.com

1年近く前の私は、随分と気が回る人間だったようだ。あるいは、NMAXを手に入れたことが余程うれしかったのかもしれない。今回のPCXでは、タイヤのことになどまったく関心が行かず、当然写真も撮っていない。

さらに驚いたのは、「各部検証篇・後篇」の最後に書いた予言である。

toshueno.hatenablog.com

これまでヤマハのマシンとは縁の薄かった私だが、どうかこのNMAXとは、安全に末永く付き合っていきたいものである。

ヤマハ・NMAXで始まる8輪生活(4):各部検証篇後篇 - 遠くへ、もっと遠くへ

まさか、1年も経たないうちにあんなことになろうとは。やっぱり私は、ヤマハのマシンとは縁が薄かったのだ。薄いというか、もはやここまで来ると「縁が無い」と言ってもいい。「縁が無い」と言えば・・・

運がいいとか 悪いとか

人は時々 口にするけど

そうゆうことって確かにあると

・・・ヤマハをみてて、そう思う。ほんと、運悪すぎだよ。

 

キーシリンダー周辺

さて、気を取り直してPCXに話を戻し、各装備を見ていく。まずは、スクーターに乗る際の最初のマンマシン・インタフェースである「キーシリンダー部」から。

「オートシャッター」は大きなお世話

ご覧のとおり▼、鍵穴部分を塞ぐシャッターを下ろすためのボタンがない。
f:id:ToshUeno:20170521065219j:plain
ハンドルをロックさせる位置までキーをまわすと、勝手に鍵穴を塞いでくれる仕組みになっている。この機能は「気が利いている」といえば確かにそうだが、「大きなお世話」の場合もある。

駅の駐車場など、外出先で駐める場合は便利だろう。NMAXのときは何度かボタンを押し忘れて鍵穴を剥き出しにしていた私である。戸塚は言うほど治安は悪くないようで、それでパクられたりイタズラされたりといった悲劇は起きなかったが、私のように注意力散漫な人間は、今後「オートシャッター」に助けられる場面もあるかもしれない。

ただし拙宅に駐める場合は、このホンダの親切心がとなる。拙宅ではバーロックをしてカバーも掛けている。1分1秒を争う朝の出勤時は、このシャッターを開ける操作にかかる時間がムダなのだ。かと言って、ハンドルロックを掛けないのはキモチ悪い・・・という心理は、オートバイ乗りにならわかってもらえるだろうか。

「シート・オープンスイッチ」は見かけ倒し

上の写真のとおり、キーシリンダーの右ヨコにはボタンが設置されている。シートを開くとき、ボタン下の方をグイッと押し込むとシートのロックが外れる。ただしこのボタンは、キーの位置をイグニッションON/OFFの間にセットしないと(その位置でしか)押すことができない。これがナニゲににめんどくさい。

最初は
(おっ、シートを開くヤツがスイッチになってる、なんかカッコいい)
なんて思ったが、NMAXを始めとしてほとんどのスクーターがそうであるように、シートのオープンスイッチは、フツーにキーシリンダーと一体化させてくれた方が全然便利である。

「燃料タンクリッド・オープンスイッチ」は クルマみたい

キーシリンダー右ヨコにあるボタンの上部を押すと、今度は燃料タンクリッドが開く。
f:id:ToshUeno:20170521065234j:plain
この機能は、NMAXのようにキーを差し替えなければならないタイプよりもスマートだし、しかも廉価な125ccスクーターらしからぬ高級感があって、スイッチを押すと「カチッ→スーッ」って感じでフタが開く。クルマみたいで、ちょっとだけオーナー心をくすぐる。

ただし、リッドを閉めるときは強く押し込む必要があり、そのときに「ガコッ」というチープ極まりない音がして萎える。ホンダのくせに、ツメがアマい。

 

シート下トランク

シート下のトランク内部を初めて見たとき、
(何だこれ、ヘルメット入れにくいじゃん)
そう思った。

一番低いフロア部分に巨大な「デッパり」があったからだ。
f:id:ToshUeno:20170521065304j:plain
NMAXの場合は「ヘルメットはどうぞ逆さまに入れてください」と言わんばかりにフロアが球状になっていたので、素直に逆さまに入れて、ヘルメットの中にインナーキャップとグローブとアイウェア(笑)を入れていたのだが、この形状ではそれができない。

仕方ないのでヘルメットの中にモノを入れるのはあきらめて、フツーに底部を下にして置き、フロアの一段高いスペースに小物を置くようにした(当該スペースにはストッパー的な突起も付いている)。

それでも、トランク容量は「25L」で、同「24L」のNMAXとほとんど違わないはずなのだが、深さはないもののクチが広く開いているせいか、ジャケットをこのように▼無造作に畳んで入れても、キレイに収まってくれる。f:id:ToshUeno:20170615055000j:plain
NMAXのトランクはPCXと真逆で、深さはあってもクチが狭いので、ジャケットを収めるのにヒト工夫が必要だった。

あとさらに便利なのは、上の写真のとおり内部に「仕切り」があって、そこに書類とウエスを1枚入れられること。こういう細かい気の利きようは、「ホンダならでは」である。ヤマハも、少しは見習った方がいい。

 

ハンドルポスト

原付/原付2種スクーターというと、NMAXのように安いハンドルパイプを安っぽい樹脂パーツで覆っているのが相場だが、PCXの場合はご覧のとおり▼、ハンドルバーもハンドルポストもクロームなパーツで構成されている。
f:id:ToshUeno:20170521065756j:plain
ハンドルポスト周辺は、このスクーターのもっとも美しい部分である。

 

メーター周り

ムダに大きいメーターパネルは、円の外周をぐるっと針が動くスピードメーターと、異常なまでに大きいウインカー・インジケータで構成されている。
f:id:ToshUeno:20170521065816j:plain
そのワリを喰って、もっともイマドキな装備であるインフォメーション表示用の液晶パネルは、悲しいほどに小さい。

パーツの多さからすると完全にこっちの方がカネは掛かっているように思うが、メーターパネルはシンプルなNMAXの方が私は好きである。

 

車載工具

シート下トランクの右側に、黒い小袋がちょこんと入っている。
f:id:ToshUeno:20170521065433j:plain
(ん?何かな?)
と言うのはもちろんウソで、オートバイ乗りならヒャクパー、ヒト目でそれが何かはわかるのだが。

さすがはホンダ、原付2種スクーターにさえ車載工具が装備されている。この工具がどれだけ役に立つかはともかく、こういう細かな気遣いがうれしいではないか。
f:id:ToshUeno:20170521065523j:plain
ちなみに写真▲一番下は、ヘルメットホルダ用のワイヤーである。

ワイヤーは、シートの「付け根」にあるこの部分▼に通して使用する。
f:id:ToshUeno:20170523205643j:plain

 

グラブレール

ホンダのPCX公式サイト

グラブレールには、Honda純正トップボックスを取り付けるための専用設計を施しており、穴あけ加工が不要で手軽にトップボックスを装着することができます。

と謳っているとおり、「トップボックスありき」 でデザインされたグラブレールは、
f:id:ToshUeno:20170522065312j:plain
「トップボックスなんて、ブカッコウでジャマなだけ」と思っている私にとっては、まったく以て使えない無用の長物である。

アルミ製でデザインも秀逸なNMAXのグラブバーはしっかりと握ることができたので、駅前駐車場で他車のジャマにならないよう、車体を持ち上げて「極力前方・ガードレールギリギリ」に寄せている私にとっては、非常にありがたい装備であった。

ところがPCXのコイツは▼、
f:id:ToshUeno:20170521065326j:plain
裏面が小さく凹んではいるもののNMAXのように「握る」ことはまったくできないため、思うように力が入れられず、よって車体を持ち上げるのにも難儀する。

個人的には、ここがPCXのもっともダメな部分である。こんなダメ装備をどうやらホンダは気に入っている風なので、今後もホンダ純正のアフターパーツが出ることはないだろう。現在チマタに出回っているような、グラブレールにポン付けするようなヤツでなく、NMAXライクなグラブバーを誰か造ってくれないだろうか。

(つづく)