使いにくいエースのビジネスリュックをカスタマイズした:本篇
前回はタイトルとは関係のない話を延々と書いたら、マイ規定最低文字数である「2000文字」を超えたし、最後まで書こうとするとまた数日かかりそうなのでキリのいいところでブッた切ってしまった。月の記事が「2本」では寂しい、という理由もある。
というワケで、今回ようやく“本題”に入る。
ビジネスリュックの3条件
さて、私がビジネスリュックを選ぶ際には3つの条件がある。
ノートPCの運搬に適した形状であること
現状ではノートPCを持ち運ぶのは週一ぐらいの頻度なのだが、なんせほんの?70年前なら平均寿命だった年齢に達したジジイなので、カラダには気を遣う必要がある。ノートPCに適したリュックとそうでないモノとでは、カラダへの負担が大きく違ってくるのは、言わずもがなである。
ポケットが豊富であること
通勤には絶対に欠かせない「サイフ」や「入館証」や「名刺入れ」を始めとして、私の場合「印鑑」は常に持ち歩いているし、デカくてイビツな頭をカバーするための「整髪料」や「ヘアブラシ」、衣類のホコリを手軽に除去できる「ケータイコロコロ」も必需品なのである。そしてそれらが、決められた場所に収まっていないとキモチ悪いのだ。
よって、「小分け収納」ができるポケットが豊富に付いている必要がある。
3万円以下であること
リュックごときに5万も6万も払う *1 余裕がない、という理由ももちろんだが、あんまり高いモノを買うと、心配性かつ貧乏性な私は電車の網棚に気安く置いておけない。
エースのビジネスリュック
プレスリリース
つい先日購入したのは、「カバンのエース」でおなじみの、エース株式会社のビジネスリュックである。上述した3つの条件は、すべて完璧にクリアしている(と、商品紹介サイトで見たときは思った)。
ちなみにこのリュックは、日経電子版にもプレスリリースが掲載されている。
ハイテク素材の肩紐
上のプレスリリースでも次のように謳われているとおり、
◆製品特長:快適さを追求したショルダーハーネス
肩からズレにくい、ハイテク素材の裏面
帝人株式会社が開発した超極細ポリエステルファイバー「ナノフロント」を裏面に使用。滑り止めとなるうえ摩耗で服を傷めにくく、吸水速乾性も有します。
このリュックの最大の特徴は、「滑りにくい肩紐」である。
私は6年前、オートバイ乗車時にバカ女が運転するホンダ・フィットによって負わされた肩鎖関節脱臼によって左肩の鎖骨が上方にズレているため、フツーの肩紐ではどうしてもズリ下がってきてしまう。
ところがこの「ハイテク素材」が貼り付けられた肩紐は、まったくズレることがない。スゴい。
実は、このリュックを購入したマルイ楽天市場店の商品紹介サイトにはそんなことは一言も書いてなかった・・・
いやウソ、ちゃんと書いてはあったがまったく読んでおらず、モノが届くまで全然知らなかったので、これはウレしい誤算であった。
シンプルだけどブ厚い
自分で撮影してもいいのだが、どんなにがんばってもプロが撮った写真には到底かなわないので、マルイのサイトから勝手に画像を拝借して掲載する。ま、大枚28,080円もハタいて購入したんだから許してもらえるだろう。
▲画像出典:【楽天市場】EVL-3.0/エース(ace.):丸井(マルイ)楽天市場店
見てもらえばわかるとおり、外観は至ってシンプルである。メーカーやブランドのロゴも一切ない *2。非常に私好みである。全然関係ないが、オートバイ用のジャケットって、なんでムダな装飾が施されていたり、ロゴの類がベタベタ縫い付けられているヤツばっかりなんだろう。
サイドからの写真を見ればわかるとおり、かなり厚み(マチ幅)がある。
▲画像出典:【楽天市場】EVL-3.0/エース(ace.):丸井(マルイ)楽天市場店
例によってフロントだけでサイドはロクに見ないで買ったので、実際にモノを見たとき思わず「ぶアツっ」と独り言ちてしまった。
内ポケットがない!
マルイの商品紹介サイトに掲載された内部の写真は、「A4ファイル」と記されたバインダーノートを入れたヤツと、この1枚▼だけである。
▲画像出典:【楽天市場】EVL-3.0/エース(ace.):丸井(マルイ)楽天市場店
「タブレットだの折りたたみ傘だのペットボトルだの手帳だのが、こんな感じで収納できますよ」と伝えたいのだろうが、これでもかとモノが入っているオカゲで、逆に内部の様子がよくわからない。
これまで使っていたTUMIのビジネスリュックは内部にもポケットが豊富に用意されていて、大事な小物・・・「サイフ」や「入館証」や「印鑑」などを入れるのに非常に重宝していた。紛失すると生活に多大な支障を来すものは、心情的に外側のポケットには入れたくないものだ。特に注意力散漫な私の場合、外側のポケットのファスナーを開けっ放しにしてしまうことも多いからなおさらである。
サイトの写真では内部が確認できなかったが、内ポケットぐらいは当然付いているものだと思っていた。が、届いた現物を見て愕然とした。
なんと驚くべきことに、内ポケットがまったく付いていないのだ!これはいったいどうしたことだろう?ユーザに3万円近い金を払わせておいて、この使い勝手をまったく無視した仕様は、「設計ミス」あるいは「手抜き」と非難すべきものではないだろうか。「カバンのエース」というイニシエのキャッチコピーが、私の脳裡で空虚に漂うのであった。
エースのビジネスリュックのダメなところを無印良品でカスタム(かみさんが)
ダメおやじとすてきな奥さん
付いていないものは仕方がない。自分でなんとか工夫するしかない。というわけで早速・・・というのはウソで、
「なんだよコレヽ(`Д´)ノ つっかえねえわ!」
と、私はひとり虚しく憤るだけであった。
そんなアラフィフど真ん中のおっさんをアワレに思ったのか、頼んでもいないのにかみさんが、無印良品・東急プラザ 戸塚店で内ポケットの代わりになるモノを買ってきてくれた。おまえはなんていいヤツなんだ。そしてさらに、それらを内部に縫い付けてくれると言う。おまえはどこまでいいヤツなんだ。
自慢ではないが、私は裁縫の類が一切できない。小学5年か6年のとき、家庭科の授業で「玉結び」や「玉止め」がうまくできずに一切の作業を投げ出した挙げ句、「そんなものは女にやらせればいい」とウソブいてクラスの女子どもに総スカン(死語)を喰らったのも、今では懐かしい思い出である。
本体側=ダブルファスナーケース「大」
本体側の、ノートPCを収納するための大きなポケットが付いている方には、「大」と名付けられた文字どおり大判のケースを付けてもらった。
ノートPC収納ポケットには「フタ」が付いているのだが、その面ファスナーのすぐ下が取付位置である。
こちらはポケット部分のブ厚い生地にしっかりと縫い付けられているため、「サイフ」や「名刺入れ」などの比較的大きくて重いモノを入れる。
フロント側=ダブルファスナーケース「横長」
フロント側(フタ側)には、縦に短く横に長い、アミアミの(「メッシュ」とも言う)部分が2つに分かれているケースを付けてもらった。
かみさんから「こっち側は生地が薄いから重いモノは入れんなよ」というお達しがあったので、「目薬」や「整髪料(携帯用のちっちゃいヤツね)」などを入れている。
それにしてもどうだろう、この▲まるで「純正オプション」のようなピッタリ感は。
持つべきものは・・・
さらにサイドから両側を見ると、このように▼サイズの異なるケースがズラして縫い付けられているため、お互いが干渉しない。すばらしい。かみさんも、そして無印良品も、「カバンのエースの手抜き仕事」を見事にフォローする、本当にいい仕事をしてくれた。
家電製品が作業のほとんどをフォローしてくれる掃除や洗濯、簡単なモノであれば手順などあってないような料理など、ひととおりの家事は「やる気」さえあれば何とかなる。ところが裁縫だけはそうはいかない。知識とスキルと「根気」が必要である。
かみさんはフロント側にケースを縫い付けるとき「あー、こっち側は縫いにくいなあー」とグチりながら、指を針で負傷しながら、それでもきれいに縫い付けてくれた。持つべきものは裁縫上手な妻である。小学5、6年の頃の私には、そう伝えてあげたいと思う。
(この項おわり)