M109Rにリチウムイオンバッテリーを搭載した
ブログを書いている時間など全然ないのに、前回はうっかり「つづきもの」を書いてしまった。案の定、2回目を書く時間も取れないまま年末を迎え、「ようやくひと息つけた」正月休みにPCを起ち上げる気にもなれず、あっという間に2018年である。
書きたい出来事はいろいろとあったが・・・例えば、こんな▼景色。
これは今月 (2018年1月) ではない、2017年11月26日の、東北道・前森山PAの景色である。サマータイヤしか持っていない私は、旅行直前に「雪予報」を見てアワテてチェーンを買って持って行ったのだが・・・(以下自粛)。
「東北の11月をナメていた」と言われればそれまでなのだが、しかし東北道って、なんであんな奥羽山脈に近い場所に通したんだろうか。もっと海側にしておけば、11月にこんなメに遭うことは(ほぼ)ないだろうに。まあ利権とかモロモロが絡んでの、あのルートなんだろうけど。ともあれ、当日に付近をご通行された皆様には、多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。この場を借りて、心よりお詫び申し上げます・・・
そんな心苦しい出来事や、とても驚いた出来事もあったのだが、年が変わったというのに前年11月の旅の記録でもあるまい。
というワケで「つづきもの」はあっさり捨てて、スズキ・ブルバードM109R (2008) にリチウムイオンバッテリーを搭載した顛末について書く。
- さすがに4カ月以上も乗らないと
- リチウムイオンバッテリーはミランダ・カーである
- リチウムイオンバッテリーの軽さとコンパクトさに驚く
- ヨワイ50にして初めて、端子の位置が違うことを知る
- コンパクトなバッテリーの恩恵と、さすがの始動性能
さすがに4カ月以上も乗らないと
12月のある日、ひさしぶりにM109Rのエンジンに火を入れようとした。すっかり冷え込んだ冬の日に、わざわざウェアを着込んで出かけるガッツはとうに失われていたが、「バッテリーが上がっていないか」ふと気になったのだ。
10月にも同じようなことがあったのだが、その時は、2年前に交換した安物リサイクルバッテリーは1,783ccのVツインを難なく目覚めさせてくれた。
が、8月中旬、ユーザー車検のために戸塚~川崎間を数十km乗って以降、いちどもまともに動かしていないエンジンは、10月より10℃以上下がった気温の中ではなかなか目を覚ましてくれない。
しまいには、キュルキュルと力なく呻くばかりだったセルモーターさえ、ピクリとも動かなくなってしまった。
(あーあ・・・やっぱダメか・・・)
しょうがない。忙しさにカマけて、4カ月以上も乗らなかった自分が悪いのだ。まあとにかく、5,000円にも満たない安物リサイクルバッテリーが、2年以上持っただけでヨシとしよう。
リチウムイオンバッテリーはミランダ・カーである
今までは「いかに安くあげるか」だけを考えて、バッテリーを選んできた。が、今後もM109Rに跨がる頻度は低いだろうし、それでもたま~に乗りたくなったとき、エンジンはイッパツでかかって欲しい。50過ぎのおっさんはワガママなのだ。
ネットでいろいろ探してみると、どうやらリチウムイオンを使ったオートバイ用バッテリーがあるらしい。メリットとかは他のブログでさんざん書かれているので割愛するが、ナニより「リチウムイオン」という響きがいいではないか。だってフツーは「鉛」だからね。「鉛」と「リチウムイオン」じゃ、「多岐川裕美」と「ミランダ・カー」ぐらいの違いがある。
・・・多岐川裕美が夜のヒットスタジオで「酸っぱい経験」を歌った時の映像をYouTubeで見ていたら、
酸っぱい経験 多岐川裕美
かみさんが「ミランダ・カーに似てる」と言った。正直、髪型以外はまったく似てないと思うのだが、彼女の視点では共通点が多々あるのだろう。それ以来わが家では「多岐川裕美≒ミランダ・カー」なのである・・・
若い頃の多岐川裕美ならともかく、現時点で60過ぎのバアさんと、30代前半の女盛りを比較するのは酷ってもんである。事程左様に、鉛とリチウムイオンとの差は歴然としているはずだ。で、そんなミランダ・カーのお値段をいろんなサイトで見てみると、概ね2万5千円~3万円!!
た、たけえ・・・。
リチウムイオンバッテリーの軽さとコンパクトさに驚く
ひと晩悩みに悩み抜いて、阪神タイガースオフィシャルスポンサーでおなじみの上新電機・楽天市場店で、大枚25,056円 (税込) をはたいて岡田商事(株)謹製「AZバイク用リチウムイオンバッテリー:ITX14AHL-FP」を購入した。
注文して5日後に佐川急便経由でブツが届いたのだが、なんと外箱のない、パッケージに伝票を貼っただけの豪快仕様▼。
さすがは関西企業、ケチれるところはとことんまでケチる。まあ「コワレモノ」ってワケでもないし、Amazonに代表される「過剰梱包」にアゼンとすることもあるのだが、いくら何でもこれはちょっとどうなんだろう。
とは言えパッケージから取り出してみると、上新電機の梱包担当者が「ま、外箱なくてもええやろ」と判断したのもムベなるかなと思うほど、軽くてコンパクト。
鉛バッテリーと並べてみると▼、そのコンパクトさがよくわかる。
あまりにサイズが違うので、
(また互換品じゃねえヤツ買っちゃったかな)
と焦ったが *1、確かに互換品かどうかをちゃんと確認した記憶がない。
(ま、大丈夫だろ、リチウムイオンだし)
と、根拠の乏しい理由で自分を安心させてはみたものの、実際にM109Rに載せた段階で、相変わらずの自分のダメっぷりに萎えることになる。
ちなみにAZバイク用リチウムイオンバッテリーには、「サイズ調整部品」なるクッション的なウレタンが同梱されている。
M109Rに搭載する場合は、背面に薄いヤツ、(横着して写真は撮っていないが)サイドにブ厚いヤツを貼ると、いい感じに収まった。そう、確かに“収まり”は良かったのだが・・・。
ヨワイ50にして初めて、端子の位置が違うことを知る
M109Rの場合、車体右側にプラス端子がくるようにバッテリーを搭載する。車体からケーブルがそのように“生えて”いるのだ。
(トレイにバッテリーを載せて、ケーブルを繋い・・・あら?)
そこで初めて気づいた。プラス端子を右側にすると、端子が付いている面が奥になってしまってケーブルが届かない。
そう、購入したリチウムイオンバッテリーは、今まで積んでいた鉛バッテリーとプラス/マイナス端子の位置が違っていたのだ▼。
(▲左側のリチウムイオンバッテリーは、赤いキャップが付いている方がプラス端子)
「ったく、ナニやってんだよ・・・」
大枚2万5千円もハタキつつの、相変わらずのテイタラクに萎えて独りゴチる。
とは言え、今さら返品して買い直すワケにもいかないので、無理やりケーブルを引っ張っり、プラス/マイナスを“クロス”してバッテリーに接続した。
ちなみに、こっち▼が前回交換時の“正しい”取り付け方。
サイズ感も含めて、キレイに収まっている。
AZバイク用リチウムイオンバッテリーのトリセツには、こう記されていた。
取換用のバッテリーは、現在の車両に搭載されているものと同等の性能ランクで、(+)端子と(-)端子が同じ位置のものを選んでください。
端子位置の異なるバッテリーを取り付けると、車両側のケーブルに異常な負担がかかり、ケーブルが損傷します。
( ̄0 ̄) ガーン
コンパクトなバッテリーの恩恵と、さすがの始動性能
ケーブル損傷の不安は抱えつつも、何とかリチウムイオンバッテリーを搭載することができた。
そしてバッテリーがコンパクトになったオカゲで、空いたスペースにETC本体を置けるようになった。M109Rのこのスペースには安っぽい樹脂製の“フタ”を被せるのだが、問題なくフタも閉まるし、それによってETC本体もちゃんと固定される。
さらに、今まではETC本体を車載工具用スペースに入れて、車載工具の方はフレームとサイドカバーのスキマに無理やりツッコんでいたのだが、ようやく元の居場所に帰すことができた。
で、年が明けてから2回ほどチョイ乗りしたのだが、肝心の始動性もまったく問題ない。
4カ月以上放置したあげくの真冬の低温下でもイッパツ始動!・・・というわけにはさすがにいかないが、チカラ強く・ネバり強くセルモーターを回し続けて、オーナーと同様にやる気のないエンジンをキッチリシャッキリと目覚めさせてくれる。
いまのところ、2万5千円の価値はありそうだ。さすがはミランダ・カー。できればその“若さ”を、あと5年は保ち続けて欲しいと思う。