PCX (JF56) の低スペックな純正タイヤを換えた(前篇)
通勤用マシン=ホンダ・PCX (JF56) が3年目を迎えるにあたり、今さらながら低スペックな純正タイヤを交換した。
あれから2年が経ちました
アワレNMAX
2017年5月11日の午後8時45分頃、先代の通勤用マシン=ヤマハ・NMAXで帰路を走行中、事故に遭った。
薄暗く、かつ私が走行していた優先道路に対して鋭角に交わっており、さらに角の空き地に駐めてあったクルマによって完全にブラインドになっていた路地から、バカ女が運転するクルマが「ノールック *1」で飛び出してきたのだ。
実際はもっと余裕があったかもしれないが、感覚的には、5メートル手前で突如としてクルマが“出現”したように見えた。NMAXのABS、および私の超絶的ブレーキング・テクをもってしても、衝突を避けることは叶わなかった。
この写真▲を見ると、ユーミンのこの曲▼をいつも思い出す。
私のうそをみんなひきうけて あなた
離れていくの
NMAXがこれだけ大破するほどの事故に遭いながら、左脚のスネに・・・ま、もともとスネは傷だらけなのだが、リアルでも3センチほどのスリ傷を負っただけで、それ以外はまったくの無傷であった。私の衝撃をみんな引き受けて、NMAXは壊れていったのだ。
悲しい事故の防ぎ方
PCX購入当時のブログには、NMAXを手放した経緯として
歩行者用信号がアオに変わって横断歩道を渡ろうとしたら、思いっきり信号を無視したクソバカ女のホンダ・N-BOXが右側からツッコんできた。
ほんと、女は運転すんなよ、ったく *1。
〔後略〕
*1:このセリフが「NMAXを手放した理由」に繋がっている。
-ホンダ・PCXでやり直す8輪生活(1):納車篇 - 遠くへ、もっと遠くへ
なんて脚注表記をして濁しているが、この時点ではまだ気持ちの整理がついていなかった。事故に遭ったことがある人にならわかってもらえるだろうか。
あれから2年が過ぎ、よもや「いい思い出」にはなるはずもないが、上の写真も冷静かつ客観的に見ることができるようになり、こうしてブログに掲載する気にもなれた。
ボケ老人による悲惨な事故は連日のように続いているし、先日も中年のバカ女ふたりによる悲しすぎる事故があったばかりだ。ボケ老人とバカ女からクルマと免許証を強制的に取り上げれば、この国の交通事故は激減するだろう。
PCXを買い換えるか、タイヤを交換するか
残念すぎるPCXハイブリッド
購入から1年も経たずにその生涯を終えてしまったNMAXの後釜として、事故の翌日にソッコーで購入したPCX (JF56) は、先日無事に2回目の12カ月点検を終えることができた。まあそうそう、バカ女に遭遇するわけでもない。
めでたく2周年を迎えたということで、また悩んだ。何をって、
- PCXハイブリッドに買い換えるか
それとも
- このまま2代目PCX (JF56) に乗り続けるか
をだ。
その詳細を知るまでは、PCXハイブリッドの発売 (2018年9月) と同時に買い換えるつもりでいた。でも、トランク内の超大切な「ジャケット収納用スペース」に何の工夫もなくブチ込まれたハイブリッド用バッテリーの画像を見て、そんな気持ちは一気に醒めてしまった。
私の場合、コート類を着込む冬場以外は、オートバイ用のジャケットをトランク内・後方の空きスペースに収納している。つまり、そのためのスペースがないということは、大キライなトップボックスを付けるしかなくなる、ということだ。
他の人はどうか知らないが、トップボックスは見た目的にもブカッコウだし、何より、ただでさえ狭い駅前駐車場の通路にブサイクにはみ出すあの“ハコ”が、他の利用者のジャマになるのが忍びないのだ。
天下のホンダとあろうモノがなぜ、ハイブリッド用バッテリーをステップフロア下に敷き詰めて、トランクはそのままにしてくれなかったのだろうか。技術的には全然可能だと思うし、その方が重心も低くなっていいことずくめだと思うのだが。
ただ、もしそんなことをするとハイブリッド専用のフレームが必要になり、現行の価格 (税込43万2000円) よりもさらに20万円ぐらい高くなって *2、誰も買わなくなってしまうからだろうか。確かに、ハイブリッドとはいえ125ccスクーターが60万円台じゃ、まあ誰も買わないわな。“素”の現行PCX (JF81) はしょっちゅう見かけるけど、その9万円高のハイブリッドでさえ、まだ(オートバイ屋以外では)一度も見かけたことがないし。
また、リチウムイオンバッテリーは劣化したら当然交換しなければならないが、「床下バッテリー」では交換時の工賃もバカにならないだろう。
でもあと5~6年ぐらいしたら、「床下バッテリー」のハイブリッド・スクーターが登場するかもしれない。ただその頃にはもう、「通勤」なんてムダでクソめんどうなことはしなくても、働けるような世の中になっていて欲しい・・・
まあその前に、アラカンになっても、仕事にありつける自分であって欲しい。
PCX (JF56) のサイテーな純正タイヤ
3週間ほど悩んで、結局今回買い換えるのはヤメた。
2年間、平日は(超悪天候の日を除いて)ほぼ毎日乗ってきたが、そもそも今までもこれからも「片道5~6km×2回/日」しか乗らないし。オドメーターはまだ5,000kmちょっと(笑)だし。トップボックスを付けるのは、やっぱりイヤだし。少なくとも次の12カ月点検までは、JF56に乗ろうと思う。とりあえず今のところは、だけど。
さて、JF56に乗り続けるに当たってどうしてもやりたかったのは、タイヤの交換である。JF56乗りなら誰でも感じるだろうし、ネットにもその類の情報はアフレているのだが、「IRC」というまったく聞き覚えのないメーカーの「SS-560」という純正タイヤは、とにかく「滑る」のだ。
そのコメント、マト外れです
価格.comのクチコミにこんな▼スレッド *3 が立つほど、そのサイテーっぷりは甚だしい。
それにしてもこのテの話題でおもしろいのは、実際にそのオートバイに乗ったこともないくせに、やれ「注意して走るのはライダーの責任」だの、やれ「二輪は滑るのは当たり前」だの、やたらとスレ主に突っかかってくるヤカラが湧いてくることだ。
このスレ主さんも「んなことわかってるよバカ」とは思っていただろうが、徹頭徹尾ものすごく冷静かつオトナな対応をしていることには感心する。私には到底できない。できないから掲示板になんて書き込まないし、普段は読むことさえほとんどない。
このブログのコメント欄を「はてなユーザー限定+承認制」にしているのも、そういったオカド違いなヤカラを極力排除するためだ。
以前、「Panasonic謹製の“非”防水PNDをオートバイ用のナビとして使用する」というテーマを記事にした時、「防水じゃなかったら意味なくないですか?」みたいなことをわざわざ書き込んできたバカがいた。
「“非”防水なのを承知の上で、最低限の対策を講じて使用している」と書いてあるのに、そのマト外れっぷりには呆れてしまった。
もちろん、ソッコーで削除したけど。
JF56ユーザーの魂の叫びがホンダを動かした
閑話休題。濡れている路面やマンホールの蓋や横断歩道等のペイントなど、スベりやすい路面を注意して走行するのはライダーとしてシゴク当然のことである。ただ、これまでの経験からは考えられない状況での“スベりっぷり”が、IRC・SS-560にはあった。
私の場合、ホンダにクレームをあげようとまでは思わなかったし、リコール対象ってほどのことではないとは思うが、必要以上に注意が必要(?)なほど、低スペックなタイヤだったことだけは確かだ。
たとえ125ccのスクーターでも、たとえ片道10分でも、オートバイに乗るのは楽しい。その楽しみが半減するような要素は、できる限り取り除きたい。ユーザーに「排除すべき存在」と感じさせてしまうようなタイヤを採用したのは、紛れもなくホンダの判断ミスだったと思う。
私がこんなことを書くずっと前からネット上に数多アフレていた、JF56ユーザーの「魂の叫び」がホンダに届いたのか、現行PCX=JF81には、JF56ユーザーの“駆込寺”的な存在であるミシュラン謹製「CITY GRIP」が純正タイヤとして採用されている。
きっとホンダもSS-560の低スペックさに途中で気づいたのだろうが、フルモデルチェンジをするまで仕様の変更はできなかったのだろう。
ちなみにIRC自身も、「MOBICITY」というパクリまがいな名称の新しいタイヤを紹介するサイトで、 「SS-560は低スペックでした、サーセン」と自己批判を展開している。
オートバイを止めるのはブレーキではない、タイヤである
みんな大好きオートバイ雑誌「BikeJIN」の最新=2019年7月号は、とかく「絶景」でお茶を濁しがちなBikeJINには珍しく、技術的なウンチクをふんだんに盛り込んだ、読み応えのある「『止まる』を考える」特集であった。
その中に、こう記されている。
バイクを減速・停止させるのはあくまでもタイヤです。
ブレーキはホイールの回転をゆるめてくれる補助装置に過ぎません。
けだし名言である。
NMAXの純正タイヤはダンロップ謹製「SCOOTSMART」だが、その性能に不満や不安を感じたことは一度もない。
NMAXとPCXの「制動距離の差」がどれだけあるかはわからないが、BikeJINの名言に従うのであれば、もし、冒頭の事故の時にNMAXではなくPCXに乗っていたら、こんなブログを書くこともできなかったかもしれない。
(つづく)