ガソリンスタンドがなくなっていく(2)
詳細かつ具体的なコメントをいただいた前回の話のつづき。
ガソリンスタンド減少の理由
出典:http://ogb.go.jp/move/sekiyu/data1.pdf
後継者不足
「従業員が足りない」ことがまずは原因のひとつにあるらしい。特に田舎になればなるほど、その傾向は顕著だろう。
セルフならフルサービスよりも人は少なくて済むと思うが、旧来のカタチのガソリンスタンドをセルフに改装するにも費用がかかるだろうから、そう簡単な話でもないのだろう。
地下タンクの更新
そして2, 3年前から一般の私たちにも知られるようになったガソリンスタンド減少の最大の理由は、以下のサイトに詳しい。
2011年2月の「消防法改正」では、地下にある貯蔵タンクの油漏れ規制が強化され、40年以上前に埋められた地下タンクについて改修が義務付けられています。その猶予期間が2013年1月末までだったこともあり、地下タンクの改修ができなかったSSの閉店や廃業が相次いでいるのです。
消防法改正は、安全に関わることなので致し方ないことだと思う。「猶予期間=2年」も、短いとは言えないだろう。
改修費用はタンク1基あたり100万円以上がかかるといわれ、レギュラーとハイオク、また軽油など複数のタンクを保有している規模の大きいSSでは、場合によっては1000万円近い費用が発生することもあります。
100万~1,000万ぐらいなら、自治体なり石油元売なりが援助すればいいと思うのだが・・・
補助金が交付されるなどの対策は行われています。しかし前述の通り、エコカーの普及によりガソリン需要が減少傾向にあり、また1円単位の厳しい価格競争が行われるなど、SSの経営環境は非常に厳しい中では、巨額の投資が必要となる地下タンクの改修に十分な費用がかけられないケースも多いのです。
あ、そう・・・補助金などの対策がなされていても、ぜんぜん足りないのだろう。この国はもはや数え切れないほどの諸問題を抱えているので、ガソリンスタンド経営だけにお金をかけるワケにはいかないのだ。
ロマンよりも生活
どこかの大金持ちが、ポンと寄付とかしてくれないものだろうか。例えばこの人とか。
この人は過去の経緯で日本に感謝していて、その”恩返し”の意図もあってこんなことを言ってくれているらしい。だったら、大昔にてめえの国が沈めた戦艦を引き上げるより、ガソリンスタンドを援助してくれた方がよほど日本国民のためになると思うのだが。
そりゃもし武蔵を引き上げたら(まあ現実的に考えて100%できないとは思うが)たいそうな”ロマン”かもしれないが、ほとんどの国民にとってはこれっぽっちも”恩恵”はないだろう。
ガソリンのニオイが好き
次世代のエネルギー対策も確かに重要だろう。
でも大トヨタは、水素ステーションを整備する前に、やるべきことがあるのではないだろうか。それとももう既に手を尽くしているけれど、メディアに取り上げられていないだけなのだろうか。
いつかはゼロエミッションの時代が来るのだろう(私が生きているうちは来ないだろうが)。それでも、私はモーターよりもエンジンが好きだ。”爆発”の音と振動が好きだ。そうでなければ、大排気量の2気筒のオートバイになんか乗らないだろう。
そして、ガソリンの、排気ガスのニオイが好きだ。こんなことを言うと、今日日はもう”変人”扱いされ、ウシロユビを指されるのかもしれないが。
切なさだとか はかなさだとか 運命だとか言うけれど
そんな言葉に興味はないぜ
ただ鉄の塊にまたがって 揺らしてるだけ
自分の命 揺らしてるだけ
ステキ。
(おわり)