賃貸マンション暮らしがヒャクパー電気自動車・日産リーフを試す(10):総まとめ
10回に渡って延々と書き続け、かみさんに「長すぎじゃね?」とツッコまれる始末のEV話も、今回いよいよ大団円を迎える(そんなたいそうな記事じゃありません)。
ヒャクパー電気自動車によるツーリングのルート
昨日 (2015/05/19) は飲み会があって、そのあと8割方寝ながら更新したので地図を載せるのを忘れてしまった。よって今日の記事に「2015/05/13・電気自動車テストツーリング」のルート地図を掲載する。
一般道は以下の2区間のみ。あとはすべて高速道路(首都高・東北道・磐越道)。
- 川崎~都内:自宅から戸越ICまでの区間(往復)
- 白河中央スマートICで下りて国道294号~同49号を通って会津若松市内に行き、そこからさらに会津坂下町内を通って会津坂下ICで磐越道に乗るまで
さよならリーフ
2015年5月16日(土)、朝いちで近くの日産充電スポットで1時間かけて(30分×2)99%まで充電し、約束どおり毎度御用達・神奈川日産_川崎元木店に日産リーフを返却してきた。
BIGで高額当選でもしてクルマを複数台所有できるような御身分にでもならない限り、今後しばらくは電気自動車に乗ることはないだろう。
日産リーフは、(もちろんダメな点もいろいろあるけれど)天下の日産が会社をあげて世間に売り込むだけの価値がある、とても快適なクルマだった。
日産リーフ御見積
しごく当然の流れで、返却する際に営業さんから日産リーフ購入のご提案をいただいた。見積はこちら▼。
ちなみにグレードは、中間の“X”。私が今回お借りしたのは最上級グレード“G”だったが、それでさえ「ショボい内装だなぁ・・・」と思ったので、もし購入するのであれば、やはりグレードは“G”以外考えられない。また、シートはやっぱりファブリックではなく「革」がいい。
そうなると見積金額は車両代+オプション代がグレード“X”に対してプラス約60万円。上図の見積金額「約290万円」に当てはめると「約350万円」にもなる。いいクルマであることは確かだが、350万円も出すほどの魅力は現行の日産リーフには感じない(※あくまで個人の感想です)。
また、営業さんによると、現在の国の補助金は「最大27万円*1」だそうだ。「え?そんだけ?」と思ったが(100万円以上補助金が出ると思ってた)、お国もそう長い間大盤振る舞いをするワケにもいかないのだろう。
そして何より哀しいお知らせは、愛車スカイラインクーペの下取り金額が驚愕の「53.8万円」だったこと(上図赤枠内)。既に「7年落ち」とはいえ、稼ぎのワルい私が生活のほとんどを犠牲にして購入したのに・・・ま、これが不人気クーペの現実である。
日産リーフ改善点(インフラ含む)
一週間お借りして約730kmを走破した私が思う、「こうなれば日産リーフは購入を検討するに値する」点は以下のとおり。これらが実現されれば、例え賃貸マンション暮らしで自宅で充電ができなくても、その魅力に心はゆれ動くだろう。
充電時間=3分の1
急速充電の30分でも、やはり長い。せめて10分程度になれば、「待たされる」感はほぼなくなるだろう。
航続距離2倍
1回の充電で200kmも走れない(しかも高速道路でペースを上げると100kmちょっとしか走れない)のは、いくらなんでも短すぎる。
充電スタンドの増加と改善
充電スタンド1箇所につき、どこも急速充電器は1台しかない。2台以上あるところは見たことがない(はたして存在するのだろうか?)。ガソリンスタンドのように・・・とまでは言わないが、せめて2台あれば、先客によって待たされることはグッと少なくなるだろう。
“電気的”にムリなのかな?と思ってググったら、ちゃんとこういう商品▼もあるじゃないか。
と思ったら、これは普通充電器だった。
こっち▼は急速充電器でも2台同時が可能っぽい。
「スタンド部と電源部の分離+ダブルスタンド」より、2台の車両へ同時に充電ができます
※一部省略・加筆
とある。
ま、別にコレを自分で所有して商売できるほどの資産があるわけじゃないから、こんな情報はどうでもいいのだが、「2台同時の急速充電はできないのか?」という疑問はひとまず解消された。
充電スタンドの改善
「80%制限」は待ち時間を減らすための苦肉の策(それとも電気代をケチるため?あるいはバッテリー保護のため?)なのだろうが、撤廃した方がいい。別にアンケート調査をしたわけじゃないからエラそうなことは書けないが、
- 80%制限を撤廃することで待ち時間が長くなる
ことを嫌がる人より、
- 待ち時間が長くなったとしても航続距離が伸びる
ことを喜ぶ人の方が多いのではないだろうか。私は乗ったのはたった一週間で、遠出は一度しかしていないが、絶対に後者の方が良いと思った。
クルマに何を求めるか
一週間ぶりに乗った愛車スカイラインクーペ(CKV36)は、驚くほど車高が低く、ハンドルが重く、左脚(クラッチ)と左腕(シフトレバー)を“酷使”し *2、けたたましいエンジン音と身体を芯から揺さぶる振動を発する乗り物であった。
電気自動車は確かに快適な乗り物だ。
バッテリやインフラの問題が解消されたわけではないが、現状が3~4年前からずいぶん改善されているように、日産や関連企業や各自治体が途中であきらめなければ、今後さらに改善されていくことだろう。
ただ一方で、「快適ならそれでいいのか」という思いもある。私にとってクルマとは、重いハンドルを操り、左腕・左脚を駆使し、音と振動を楽しみながら乗るものではないのか、という思いだ。
“快適さ”を優先して老け込むよりも、“不便さ”を享受しながらカッコをつけていたい。そんな自分のポリシー(笑)に立ち返ったとき、やはりまだまだ電気自動車になど乗ってはいけないと、改めて気づくのであった。
(おわり)