「ノームコア」という、ただの「何も考えない」服装について

今週のお題「好きな服」

一昨日の日経朝刊の「春秋」で取りあげられていたので、初めて知った「ノームコア」。

 

〔前略〕ノーマル(普通)とハードコア(究極)を合わせノームコアと呼ぶ。強いて訳せば超普通ファッション。無地のTシャツに緩いジーンズ、スニーカーが代表例だ。

〔中略〕毎朝の服選びには頭と時間を使いません、という哲学の表明でもある。

-2015年7月12日 日本経済新聞朝刊「春秋」

ただ名前を付けただけなのに、「哲学の表明」と来た(笑)。そりゃおかしいでしょ、「Tシャツ+ジーンズ」なんて、”太古”の昔からあったのに。

そんなふうにコバカにしてたら、あっという間にニュースが拡散したようだ。

またジョブズさんか・・・メリケンさんは、ほんとにジョブズさんが好きだねえ・・・こんな巨大な富と名声を手にした人が、フツーの(いつも同じ)カッコしてたから特異なのであって、フツーの人がフツーのカッコしたって、ただ”フツー”なだけだと思うのだが。

そして、「ニューヨーク発」(笑)。なんでもかんでもアメリカ発祥なんですね(笑笑)。「無地のTシャツを着る」ことが、そんなに特別なことなのだろうか? なんだかよくわからん。

 

はじまりはDCブランドブーム

DCブランドブーム。女子のみならず、野郎までもが早朝からバーゲンに並んでいたという異様な時代。「可処分所得」が1万円もないのに、丸井のローンで服を買っていたという、異常な時代・・・いや、それが1万円もないのに服を買ってたのは私ぐらいかもしれないので、「時代」というより個人的な「時期」とでもいうべきだろうか。

私が上京した1986年は、「メンズノンノ」が創刊されて、阿部ちゃんのデカい看板が都内のあちこちに氾濫し、世はまさにDCブランドブーム絶頂期であった。

高校時代までは親や兄弟から与えられた服をただ着ていた私であったが、上京間際の高揚した気分とともに当該ブームに自ら飛び込み、いわゆる”デビュー”よろしく、服を買いまく・・・るカネはなかったので、丸井のローンで「3,000円/月・36回払(笑)」とかで服を買っていた。

  • ダークグリーンのダッフルコート
  • ”ど”ピンクのポロシャツに”ど”ホワイトのパンツ
  • オートバイ用ジャケットのプロテクタよりブ厚い肩パッドが入った麻のジャケット

など、今では考えられない服の数々を喜々として着ていた。

そんな微笑ましい「時代」が、私にもありました。

 

おっさん期以降はずっと「ノームコア」

いつ頃だろうか。普段着をあまり買わなくなったのは。平日は毎晩飲み歩くようになって、その反動で土日はまったく外に出なくなった20代後半からだろうか。

30代後半以降はとうとう「3年に一度、Tシャツを2枚」ぐらいの頻度になってしまっていた。

あれこれ服を考えるって、基本的にめんどくさいので、エネルギーに満ち溢れたワカモノだから成しうる行為なのだろうか。

下の写真▼は、地元・川崎から長崎くんだりまで行ったのに(2013年GW)、カッコは「UNIQLO製Tシャツ+同ジーンズ」に、「GUのパーカー」。全部で5,000円ぐらい(笑)。Tシャツに至っては、この時既に5年以上前に買ったヤツ。
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ヒドいっすね(笑)。しかもこの日に限らず、どこに行くにもこんな感じで「無地のTシャツ+ジーンズ」である。

まあ「ノームコア」はよくわからんが、私の場合は「歳をとればとるほど、シンプルな服装の方がしっくり来るはず」と考えている。

 

サラリーマン版「ノームコア」

シガサラ(=しがないサラリーマン)である私は、普段着はまったく買わないが、平日に着る「会社用の服」は年に数回買っている。

ただし、いわゆるスリーシーズンはスーツ、今の時季(夏場)は、

  • 半袖ワイシャツ+夏用スラックス

という、これまた「何も考えない」カッコである。

昔は「ワイシャツは絶対長袖!なぜなら英国紳士は半袖なんて着ないから!」と、イギリスなんて行ったこともないのに思っていたが、よくよく考えたら、イギリスは日本みたいに高温多湿じゃないから、そもそも半袖を着る必要がないのだ。

そう気づいたら、途端に暑さを感じるようになってしまった。

シャツ

シャツは、半袖も長袖も長年「ランズエンド」一択。メリケンさんのメーカーだが(製造国はもちろん違う)、とても気に入っている。日本で展開し始めたのはいつ頃か覚えていないが、その頃からずっと買い続けている。値段は手頃な割に、モノはしっかりしているし、バリエーションも豊富である(ま、ほとんど「白+ボタンダウン」しか買わないけど)。

ズボン(スラックス)

夏用のスラックスは、「ウール混+裏地付き」のちゃんとしたヤツじゃなくて、

  • ポリエステル100%+裏地なし

の超安物・3,000円ぐらいのヤツ。「楽天コナカ」でまとめ買いする。

見た目もゆったりとしていて野暮ったいし、いまどきの”ヤング”なサラリーマンが着ているホッソいヤツみたいに決してカッコは良くないが、クソ暑い夏は、こっちの方がずっと快適に過ごせる。

おっさんは、カッコよりも「暑くないこと」の方が重要なのである。

最低限守っていること

上述のとおり安モンしか着ていないわけだが、

  • ワイシャツはすべてクリーニング(「リネット」)に出す
  • ズボンは毎回必ずズボンプレッサーにかける

これだけは、多少めんどくさくても、必ず怠らないようにしている。

ワイシャツは家で洗濯すればカネもかからないのだが、クリーニングに出した方が、やはり袖を通したときのキモチが全然違う。ズボンも、何もしないよりちゃんとプレスした方が、履いたときにキモチいい。

そして、安モンでもきちんと手入れすれば、それなりに見えるはずだ(たぶん)。

あと、もっとも重要なのは、体型をキープすること。どんなにいい服を着ていても、腹周りが”ボテッ”としていたら台無しだし、服が多少安モンでも、カラダが”シュッ”としていれば、・・・ま、安モンは安モンだけどね。