「昭和40年男」を読んでウォークマンを思いだすが・・・
「昭和40年男」という雑誌
すっかりその存在を忘れていて、発売から1ヶ月半後に愛読誌「昭和40年男」を買った。
Amazonじゃなくて*1、私的に悪名高いFujisan.co.jp*2で(デジタル版はそこでしか売ってないので)。
いつもは目次をざっと見て、買うに値しない内容だったら見送るのだが、表紙が懐かしのウォークマン「WM-20」だったので、目次も見ずに即買いした(発売1ヶ月半後とは言え)。
「昭和40年男」2015年8月号
特集は「俺たちが目撃した革新(エポック)」と題して、「クルマ・オートバイ・自転車等のいろいろな革新的技術」が掲載されていた。
クルマはまったく興味のないF1の話ばかり、オートバイもやはり興味のないレース用マシンの話が中心でガッカリだったが*3、ウォークマンの記事には、ガキの頃所有していた「WM-30」がちゃんと掲載されていたので”ホッ”とした。
今年3月に発売されたVol.30の「ラジカセ特集」は、心底ガッカリな内容だったので。
ただ、表紙がウォークマンなのに「F1」「オートバイ」が特集の先頭を飾りつつ各8ページあるのに対して、「ウォークマン」は後ろの方に6ページしかないのは「?」な構成だったが。
ラジカセがいつもそばにあった頃とあこがれの存在
今でこそ、酔っ払った時に「テレビ+YouTube」でしか音楽を聴かない私ではあるが、ガキの頃はいつも傍らにラジカセを置いて、音楽とともに生活していた。
初代ウォークマン(TPS-L2)が発売された1979年、私は小学6年で、その年に高級ラジカセ「CFS-D7」を買ってもらったのだが、さすがにさらに「ウォークマンを買ってくれ」なんてことは言い出せず(言い出せたとしても買ってくれるはずもなく)、ウォークマンはずっと、カタログを眺めて自身の購買欲をごまかす「あこがれの存在」であり続けた。
このサイト▼の写真が一番キレイだった(英語はワカンナイけど)カセットテープが「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」なのもステキ
名機「WM-30」と許せないヤツ
ラジカセから遅れること5年、小遣いを貯めて自分で買ったのか、おふくろさんをうまく取り込んだのかは記憶が定かでないが、17歳・高校2年生の時にようやく手にした「人生初・ウォークマン」が、名機「WM-30」であった。
と、ここで押入からそれを引っ張り出してきて写真を・・・と思ったら、あるはずのWM-30がない・・・捨てた記憶がまったくないのだが・・・そもそも、動かなかったとしてもジャマになるものでもないし・・・
あ!
そう言えば、空き巣に盗られたんだった!*4
拙宅は犯罪都市・川崎にあり、2002年12月に空き巣に入られたのだが、その時既に「骨董品」であったウォークマンWM-30も、ノートPCやデジカメや腕時計といっしょに、盗まれたのであった。
腕時計は、その年の9月に亡くなったおやじさんの形見だったし、クソ泥棒の野郎は、「モノ」だけでなく「思い出」まで盗みやがったのである。ひどいことするよなあ・・・
しょうがないので、ネットから写真を拾って掲載する。
こういうヤツ▼。色も同じ。
画像出典:ウォークマン修理/FK記 - AMMT会-TOPICS
WM-30はご覧のとおりの6色展開だったが、
私は迷わずシルバーを選んだ。当時は「ガジェット=シルバー」と決めていたのだ*5。
ウォークマンと二輪の乗り物
高校の頃は片道15kmの道のりを自転車通学していて、いろいろコースを変えていたとは言え、さすがにどこも似たような会津盆地の田舎道を毎日通るのは飽きる。その退屈な時間を、ウォークマンは劇的に変えてくれた。
遠くの山の向こう側に落ちていく夕陽を眺めながら聴くビリー・ジョエルさんの「Vienna」は最高だった*6。疲れていても、ジョン・レノンさんの「Whatever Gets You Thru The Night」を聴くと、ペダルを漕ぐ脚に力が入った。
大げさでも何でもなく、自転車での移動中に聴く音楽は、世界を変えてくれるものだった。ウォークマンは、20世紀の「偉大な発明」だ。
いまオートバイに乗っていて、「音楽を聴きたい」とはこれっぽっちも思わないけれど、音楽と生活をともにしていた当時、毎日手にしていたウォークマンは、自分の身体の一部だった。その大切な「思い出」を奪った空き巣には、しかるべき天誅が下っているだろう。