高野町に行こう
うっかりさん、ブログで留守を宣言
先日、「紀伊半島に行こう」と題して、ツーリング日程等に関する記事を書いたら、
「『○月○日にかみさんとツーリングに行きます≒自宅を留守にします』なんて、全世界に向けて宣言してんじゃねえよ」
と、かみさんに怒られた。
拙宅は、13年前に空き巣に入られたことがあるのだ。「犯罪都市・川崎に住んでいる」ということを、すっかり忘れていた。ま、13年前もたいして盗られるものはなかったが、現在はそのとき以上にないのだが。
よって、今回は「いつ、誰と行くのか」は伏せておく。明日行くかもしれないし、来週かもしれない。あるいは、もう今年は行かないかもしれない。
ひとりでオートバイで行くかもしれないし、かみさんとクルマで行くかもしれない。
と、セキュリティにじゅうぶん配慮した(笑)前置きを書いて、本題に入る。
「聖」と「俗」が入り交じる町
つい先日、齢48にしてようやく初めて和歌山県に行った私であるが、今日(2015/10/23)の日経朝刊のコラム「春秋」を読んで、また旅情をかき立てられた。
「ここには旧家ってないんですよ。長く続いている家でも、せいぜい3代か4代じゃないでしょうか」。一服しようと立ち寄った喫茶店の主人に言われて、なるほど、とうなずいた。
和歌山県伊都郡高野町。真言宗の聖地・高野山は明治のはじめまで、女人禁制だった。
〔中略〕
電柱が目に入らない街並みには、日本の都市としては時代の先頭を走っている印象さえ受ける。
〔中略〕
聖と俗が入り交じり、様々な記憶が積み重なって織りなす不思議な趣こそ、最大の魅力だろう。
- 2015年10月23日付 日本経済新聞朝刊「春秋」
「聖と俗が入り交じり」「様々な記憶が積み重なって織りなす」、か・・・やっぱりプロは、表現力が違うなあ・・・毎日がんばってブログを書いているが、私のオツムでは、この域に達するのは無理なのか・・・閑話休題。
そんな高野町が、外国人観光客に人気だという。
紀伊半島の、こんな▼ところにあるというのに。
何がそんなに魅力なのだろうか。
電線の無い町
まず興味を惹いたのが、上で引用した日経新聞「春秋」に「電柱が目に入らない街並み」とある点だ。確かに、電線が四方八方に張り巡らされた街並みは美しくない。
▼悪い例:東京都港区六本木・外苑東通り。電線が汚い。
▼良い例:山口県萩市・北浦街道。電線が無くてスッキリ。
そして、▼和歌山県伊都郡高野町。未踏の地なので、ストリートビューより。
なるほど、日経新聞「春秋」が絶賛しているとおり、とてもステキな街並みだ(ここに観光客がワンサカいたら、興ざめだけど)。
Wikipediaに「2008年1月1日 - 景観行政団体となる」とあるので、その成果なのだろう。
ということは、萩市もそうなのかしらと思ってちょいと調べてみたら、
東京都 | 世田谷区 | 府中市 | 新宿区 | 江東区 | 足立区 | 杉並区 |
墨田区 | 港区 | 町田市 | 目黒区 | 品川区 | 江戸川区 | |
板橋区 | 八王子市 | 荒川区 | 練馬区 | 台東区 | 渋谷区 | |
立川市 | 三鷹市 | 文京区 | 大田区 | 調布市 | ||
神奈川県 | 川崎市 | 横浜市 | 相模原市 | 横須賀市 | 真鶴町 | 平塚市 |
小田原市 | 秦野市 | 鎌倉市 | 逗子市 | 藤沢市 | 茅ヶ崎市 | |
座間市 | 大和市 | 箱根町 | 大磯町 | 湯河原町 | 葉山町 | |
三浦市 | 海老名市 | 厚木市 | 伊勢原市 | 綾瀬市 | 南足柄市 |
出典:景観行政団体一覧
上記のとおり電線バリバリの港区も、現在住んでいるゴミゴミな街・川崎も入っていた。つか、東京は半分ぐらい、神奈川に至ってはほとんど入ってんじゃん(笑)。
景観緑三法なんて意図がよくわからない法律もあるようだが、どうやら制度の問題ではなくて、各自治体の「やる気」の問題のようだ。
仏教の聖地
まあ電線うんぬんを(ブログに書くほど)気にするのは私ぐらいで、観光客に人気があるのは、ひとえにこのお陰だろう・・・ってあえて書くほどのことでもないか。
「ジャパニーズ・ブディズム・カルチャー」を理解しようと、外国人の皆さんはわざわざこんな土地まで来るのだろうか。
私は一般的な日本人よろしく、ふだん宗教などこれっぽっちも意識しないで生活しているので、仏教関連はワリとどうでもいいのだが、宗教が暮らしに密接に関わっている彼我の人達にとっては、「異教徒の文化」というのは興味深いテーマなのだろう。
そんなナニ教徒でもない私であるが、やはり日経新聞「春秋」の引用中の「明治の初めまで女人禁制だった」という黒(なのか?)歴史はとても興味をそそられる。
その「聖」に因る”縛り”的な何かが、現代の「俗」にどのような影響を与えているのだろう・・・まあツーリングでちょっと行ったぐらいじゃ、そんなことまではわかりゃしないだろうけど、雰囲気よ、雰囲気。
そして、こうやくん
現代の「ゆるキャラ・カルチャー」は、こんな領域にまで浸透していたのか。仏教の聖地の「ゆるさ」に、驚きを禁じ得ない。
画像出典:こうやくん日記
なぜなら、この「こうやくん(笑)」は、高野町のキャラクターではなくて、「高野山開創1200年記念大法会マスコットキャラクター(長い!)」なのである。
パッと見はかわいいが、よぉく顔(的な部分)を見ると、ちょっとコワイ。
クチ、まっ黒だし。
そんな「こうやくん」は、「高野山の魅力を広めるため」に、日々がんばっているそうだ。ありがたや・・・
・・・というか、日本の仏教は、いったいどこに向かおうとしているのだろう。
とても心配である(ウソ)。