M109R:インプレッション(2):エンジン/燃費/ユーティリティ/ハンドリング

 約1年半ぶりに書き直した、M109Rについてのインプレションのつづき。

前回は全体的なことについて書いたが、今回は各部分について検証してみる。 



 

エンジン

このマイナーなオートバイを知ってる皆さんならご存知とは思うが、エンジンは「地上の乗り物で最大のボア径」を誇っている。

それは単なるイロモノを狙ったわけではなく、スズキ的な頭の悪さ(※褒め言葉です)を誇示するわけでもなく、奇をてらったわけでもなく、明確な目的を持って開発されたものだと思う (・・・たぶんね)。
f:id:ToshUeno:20140511135802j:plainこのクルーザっぽくない”具が詰まってる感”が好き。

そのエンジンは、MotoMapのサイト

 

低回転からの強大なトルク特性と高回転域での快適な乗り心地

とあるとおり、

  • 低回転域
    =まるで心臓の鼓動に合わせるかのような”ドコドコ感”を携えつつ、景色を眺めながらのんびり走ることができるし、
  • 高回転域
    =振動がウソのように消えて、まるで4気筒のようにスムーズな走りを堪能することができる(瞬間がある)

という特性を持つ。

また、強烈な加速感を味わうこともできるし、エンブレも良く効くし、右手首のヒトヒネリで自在にスピードを取り出すことができるし、総じて扱いやすい。

私的には、このエンジンと前述のデザインが、M109Rを所有する意義である。

 

燃費

2015年、たった7回(※5月のみ三泊四日であとは全て日帰り)乗った実績である、「Honda Moto LINC」の「月間燃費グラフ」が下図。
f:id:ToshUeno:20151128234516j:plain

昨年5月に書いたときも上図と同様に「平均燃費:19.1km/L」だったので、だいたいこの辺りがM109Rの平均的な燃費であると思われる。

ちなみに、

  • (具体的な数値は差し控えるが)高速道路で法定速度を超過して走り続けたり、
  • 街中でシグナルダッシュを繰り返したり、
  • 2~3速でヒーコラ言いながら峠を走ったりすれば、

15km/L前後まで落ちる。

逆に高速道路で法定速度前後で走り続けたり、街中でのんびり流したりすれば、 20km/L以上になる。

もしトランスミッションが6速まであれば、さらに燃費は改善されるはずだが、スズキに改良する気は・・・10年経っても5速のままなので、どうやら、さらさらその気はないようだ。

 

ユーティリティ

ユーティリティは、皆無・・・は言い過ぎだが、いわゆる今どきの便利/快適/安全のための装備、例えば、「ソケット系」とか「インフォメーション系」とか「各種電熱系」とか「トラクションコントロール系」とかは、一切付いていない。

ハンドルまわり

両側のスイッチボックスは、ご覧のとおりの必要最小限。

ハンドルポストの上に見えるのが、タコメータ+ランプ類(※2008年型)。f:id:ToshUeno:20140516204803j:plainタコメータとランプ類はかなり視認性に優れるが、いわゆる貧乏ランプが点滅すると、その視認性の良さが徒(あだ)となり、視界に入ってうっとうしい。

「あ、ウインカー消し忘れてた! ん? あぁ、ガソリンか・・・」って、いまだに勘違いしてしまう。 

メータまわり

スピードメータの下に配置される、2つの液晶の「時計/ツイントリップ/燃料計」は、便利装備と言えば便利装備。f:id:ToshUeno:20130526202121j:plain

でも、こんなのは今どきのマシンならほぼ常識的に付いているだろう。

ガキの頃に乗っていた1980年代のバイクにはどの装備も付いていなかったので、この程度でも「便利だなあ」と思ってしまうのが、少しだけ悲しい。 

収納スペース

収納スペースも、これまた皆無・・・いや、これはホントに皆無。

シートと、その下のプラスチックカバーを外した状態(写真上がフロント側)。f:id:ToshUeno:20140511134251j:plain「何かを入れるところ」は、右側に車載工具用に設けたスペースがわずかにあるのみ。
私の場合、ここは別体型ETCの本体を入れている(おそらくそうしてる人も多いだろう)。

工具は、ご覧のとおり右側のフレームとカウルのスキマに無理やり突っ込んでる状態。

また、シート下にはウエス4~5枚と、車検証・自賠責のコピーを入れておくぐらいのスキマはあるから、カッパぐらいなら頑張れば入るかもしれない。

タンデムシート/シートカウルの下も、ご覧のとおり。「えっと・・・ユーティリティって何すか?」って感じの設計。f:id:ToshUeno:20131117160336j:plainここにも、ウエスぐらいなら入る隙間はあるが(カッパはヒャクパー無理)、タンデムシート/シートカウルを外すには六角ボルトを2本外す必要があるので、「何かを入れておこう」って気には(フツーの人は)ならないと思う。 

ヘルメットホルダ

クルーザーよろしく、ものすごく低い位置にあるし、キーを差し込んで90度捻ってようやくがズレる形式なので(つまり、スプリングが付いている親切設計ではないので)、使いやすくはない。f:id:ToshUeno:20140516202006j:plain

※おまけ

私の場合は、ヘッドライトケースの裏側に電源ソケットを付けている。f:id:ToshUeno:20140516202023j:plainいかにも「素人の手作業」って感じが恥ずかしいが、ここだとぜんぜん目立たないし、ナビの電源として重宝してる。

ちなみに現行型はここにタコメータ+ランプ類が埋め込まれ、さらにギアポジションインジケータが加わる。

 

ハンドリング

私は車歴も少ないし、スキルもプアなので、悲しいかなハンドリングについては語るべき言を持っていない。アンダーステアがどうとか、よくわからんし。 

それでも、長いホイールベースと太いリヤタイヤから容易に想像できるように、曲がりやすくはないことは確か。

ステップも確かに擦りやすい。
他の人のブログを読んでいて、「『ステップは消耗品』とか言っちゃえる人、かっこいぃー!」とは思うが、あの擦った時の感覚がどうにもイヤなので(クルマのボディやホイールをコスった時の、何とも言えない切ない感覚を思い出す)、極力擦らないようにしている。

どうやら私は、そんな「ステップは消耗品」と言い切れるような”無頼漢”にはなれそうにない。 

例えば、ここ「竜泊ライン」のグネグネ道なんかは、けっこうキツかった。f:id:ToshUeno:20130914175420j:plainちょー楽しかったけど。

エンジンの特性やロングホイールベースがもたらす恩恵として、低~中速(=一般道/高速道路での法定速度以下)で真っ直ぐ走る分には、かなり気持ちがいい。

それに対して高速域では(カウルの無いバイクはどれでもそうだろうが)、やはり風圧がすごいし、具体的な数値は控えるが、ある一定の速度を超えるとフロントの接地感が怪しくなって、ちょっとコワイ。 

ちなみに、重心は低いしエンジンは低回転でもトルクがあるし、クルーザにしては車幅も狭いので、すり抜けはやりやすい。
ただしわずかでも段差があると、ぶっといリヤタイヤが災いしてフラつくので、注意が必要である。

(つづく)

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