天皇誕生日にクリスマスケーキを食べて思う
クリスマス=ただケーキを食べるだけの日
私がガキの頃 (昭和40~50年代)、生まれ育った会津には「サンタクロースになりすました親にプレゼントをもらう」なんて習慣はまだなかった。靴下を二段ベッドのフレームに括りつけたような記憶はあるが、悲しいかな、そこにプレゼント的なモノが入っていた、という記憶はない。
当時の都会がどうだったかは知らないが、少なくとも会津の片田舎では、クリスマスというのは「ただケーキを食べるだけの日」だった。
庭に降り積もった雪。石油ストーブと電気ごたつ。6等分に切り分けられたデコレーションケーキ。それが、私にとっての「クリスマスの原風景」である。
「三つ子の魂百まで」というわけでもないが、普段はまったく甘い物を食べない私も、やはりクリスマスにはケーキを食べたくなってしまう。
ミルフィーユ・シャンティ
今年は、かみさんがファミリーマートのクリスマスケーキのひとつ「ミルフィーユ・シャンティ」を予約していた。数日前からずっとこの日を楽しみにしていた彼女だったが、期待していたほどではなかったらしく、「あんまりおいしくない!」と、フクレっ面であった。かみさん曰く「カスタードクリームがいまいち」らしい。
私はと言えば、「確かにクリームもフツーだし、パイ生地も“じとっ”としてるなあ」とは思いつつも、一年ぶりに食べたケーキがやたらとウマく感じて、この半分をイッキに食べて・・・そして、キモチ悪くなってしまった。
しかも、1個当たりのカロリー=2,583kcal!!
半分でも、1291.5kcal!! 1日の適正摂取カロリーの半分以上じゃん・・・
やはりケーキなんてのは、齢50近いおっさんが食べるもんじゃない。
まあまあウマいです
報道ステーションの天皇誕生日特集
そんな、胃のもたれた天皇誕生日の夜、テレビ朝日系列「報道ステーション」では「今上天皇と沖縄」と題して・・・いたかどうかは番組開始5分後から見たのでわからないが、とにかく番組冒頭から大々的にその話題について特集していた。
今上天皇の明仁さんの発言や行動についてだけではなく、沖縄を「捨石」としてアメリカに差し出すような行動を取ったあげくに、生前ついに沖縄を訪れることのなかった昭和天皇・裕仁さんに対する批判めいた内容も放送された。
「裕仁の“心のこり”を、今上天皇である明仁が受け継ぎ、皇太子時代からずっと沖縄訪問を続けている」という内容は、「天皇礼賛」と言えばそれまでだが、「先の愚かな戦争と、その愚行の最大の犠牲者である沖縄の人々のことを決して忘れてはいけない」という骨太のメッセージは、非常に見応えがあった。
なにかと問題も多い当番組だが、私が見た限りでは天皇誕生日にこのような内容を放送した番組は皆無だったので、とても貴重なニュース番組だと思うし、今後もこのような姿勢を貫いて欲しいと思う。
ちなみに、裕仁さんによる「人間宣言」後の巡幸の様子を撮影した昔のニュース映像で、「空襲で自宅が焼けてしまった」という少年に向かって、
- 裕仁「本は大丈夫だった?」
という、あ然とするほどマヌケな質問をするシーンを放送したのは、きっと“悪意”があったと思われる(おもしろかったけど)。さすがテレビ朝日。
休めるのはうれしいが、それでもやはり天皇制はおかしい
ところで、現在皇太子の徳仁さんの誕生日は2月23日なので、いつかまたその日が「国民の祝日」となるのだろう。そうなったら12月23日は、「平成の日」とでもなるのだろうか。
明治天皇も大正天皇も、その誕生日は現在祝日ではないので、4月29日はどうなるのだろう。ゴールデンウィークを形成する1日なので、よもや祝日でなくなることはないと思うが・・・。
「生きている間に週休三日制の世の中になればいいのに」と思う私にとっては、理由はどうあれ休みが増えるのはいいことだが、そうは思いつつも、われわれと何ら変わらない、たったひとりの人間の“生き死に”によって世の中の動きが変わるこの国は、まさに「不思議の国ニッポン」である。
そして、ただあっけらかんと現状を受け入れるだけではなく、決して忘れてはいけないことがある。
「理由もなく敬われる人がいる世の中には、理由もなく蔑まれる人がいる」
ということを。