会津墓参りツーリング:2016年4月9日:後篇
「会津墓参りツーリング」の後篇。行き先は見事なまでに昨年と同じなのだが、やったことや感じたことは当然異なる。昨年の反省を踏まえてウマくいったこと、また今年も失敗してしまったことについて書く。
- 「食堂いしやま」で懐かしの冷しラーメン *1 を食う
- 生協で花を買って墓参りをする
- キング・オブ・バサシ店で馬刺しを買う
- 日本海の夕陽が見たい
- 日本海トワイライト
- 会津墓参りツーリング2016_まとめ
「食堂いしやま」で懐かしの冷しラーメン *1 を食う
昨年の春にも訪れたが、店が休みだった「食堂いしやま」。昨年の記事では「いしやま食堂」と書いたが、正しくは“前株”ならぬ“前食堂”であった。
今回は土曜日ということもあってか、さすがに営業していた。よかった~。
店の正面左手が、駐車場になっている。店のボロい配達用軽自動車がちょっとジャマだが、キレイに駐めればクルマ3台ぐらいは駐められるかもしれない。
店内に入ると、いきなりストーブが焚かれていて驚いた。今回はほぼヒャクパーに近い冬装備を着込んでいたので、暑くてしょうがなかった。もちろん革ジャンはソッコーで脱いだが、それ以外は前開きの服ではないので、脱ぐのもちょっと面倒くさかったのだ。
オートバイに乗っているならともかく、止まっているぶんには暖かな陽気だったと思うのだが、この店の人達は会津で暮らしているくせに寒がりなのだろうか。
食堂内が暑いから「冷しラーメン」にしたというワケではない。もともと、これが食べたかったのだ。
この冷しラーメンを初めて食べたのは、小学校4、5年生の頃 (1977~78年頃) だっただろうか。この食堂の近所にある母の実家で、親戚のおばさんに「冷やし中華じゃなくて、ラーメンがそのまんま冷たくなったヤツだよ」と説明されて、出前をとった記憶がある。
初めて食べた時は、味もビジュアルも、確かに衝撃的だった。でも、「その後何度も食べたのか?」というと、そんなことはない。小学生の頃ならともかく、高校生にもなればラーメン1杯を気軽に食べに行く程度の小遣いは与えられていたが、自分で食べに行った記憶もない。
つまり、ガキの頃は決して“ドハマリ”したワケではないのだが、やはりその味は、舌と記憶に刻み込まれていたのだろう。30数年ぶりに食べた冷しラーメンは、「ただこの1杯のためだけにココに来る価値がある」と思えるほどにおいしかった。
具材のショボさは否めない *2 が、そんなことはどうでもいい。シコシコ・ツルツルで、かつ噛み応えのあるちぢれ麺と、やや甘みがあって塩辛さを極限まで排除したスープが得も言われぬ一体感を醸し出し、決して他では味わえない秀逸な味となっているのだ。
都内や川崎で食べられる「冷やしラーメン」というと、喜多方ラーメンの老舗「坂内」のチェーン店ぐらいしか私は知らないが、
具材では完敗しているものの、“本丸”である麺とスープは、「坂内」のソレを圧倒している。
ちょっと不愉快だったのは、店主の息子と思しき、30代ぐらい?の男の態度だ。店主は調理場を離れてフロアを担当し、その男が調理場を任されていた。 かみさんにまた「そんなことでいちいちキレてんの?」とか言われるのも本意ではないので詳細は割愛するが(ズルい)、ソイツはココで育って町外に越境通学でもしていない限りは、私の小中学校の後輩なハズである。ミニマムなケツの穴よろしく(先輩に向かってその態度はなんだ!)と思いながら、店を出た私であった。
ま、ラーメンがウマけりゃ、それでいいんだけど。
生協で花を買って墓参りをする
というワケで、冷しラーメンに大満足したあとは、いよいよ“メインタスク”の墓参りである。
今回もいつもどおり、生協(COOP BESTAばんげ店)で花を買った。昨年、「支払のみセルフ」のレジに戸惑って、店員さんにお手間を取らせてしまったことを反省し、
当時の記事を事前にサラッと読み返して、オートバイに跨がりながら(受け取ったレシートのバーコードを読み取らせて、カネを入れて・・・)と手順を反芻して準備万端だったのに、今回行ってみたら、店員さんがすべてやってくれるフツーのレジに変わっていた(笑)。なんなんだよ(笑)。
まあでも、ラクになったので文句を言う筋合いでもない。それにしても、2年おきぐらいにレジが変わっている。儲かってんのかな?それとも、そのぐらいのスパンで変わるのはフツーなのだろうか。来年以降も生きていればまた行くと思うが、次はどんなレジになるのだろう。楽しみだ。
そして昨年と同様に、タンクバッグに花を突っ込んで寺へ向かう。「去年と同じじゃねえか」とツッコまれないように(かみさん以外はツッコんでくれる人もいないけど)、昨年とは違う色の花を選んでみた。
こちら▼が2015年。
そして、こちら▼が2016年。
今年はレジのおねえさんが、新聞紙で丁寧に包んでくれた。ありがとう。
マシン全体で見ると、こんな▼感じになる。なかなかオシャレだと思う。
もちろん走行時に花はジャマになるが、生協から寺までは30秒ほどなので、まったく問題ない。
(うーん・・・花は去年の方が良かったかな)なんて思いつつ、無事“任務”を終えた。
ちなみに花がナナめってるのは、風が強かったからである。
キング・オブ・バサシ店で馬刺しを買う
墓参りのあとは、「馬刺し」である。まいどおナジみ、「竹原肉店」である。
▲「八重の桜」のポスターがいまだに貼ってあって、「会津坂下の馬さし食べてみてくなんしょ」なんてセリフを勝手に綾瀬はるか氏に言わせているのはご愛嬌
「道の駅あいづ 湯川・会津坂下」では他店の馬刺しを売っているようだが、誰が何と言おうと、ココが「キング・オブ・バサシ店」なのである。
私がこの店にコダワるのは、「馬刺しは竹原肉店がいちばんウマいぞ」という亡き母の遺言を忠実に守っているからに他ならない。母は最後にそう言い残して、絶命したのである。
・・・ま、最後の一文はもちろんウソだが、この店が母のイチオシだったことは本当だ。
昨年、ケチって100gしか買わなかったら、あっという間に食べ切ってしまって不満が残ったので、今回は200gにした。「1,000円/100g」なので、2,000円ナリ。わかりやすい。
▲かみさんが「この写真はヤバイ、キモい」とのたまったが、確かに光の当たり具合が良くなかったのか、何かの「臓物」にも見える
そして、昨年スッタモンダしてこれまたお店の人に面倒をかけた「アイスボックス事件」を踏まえ、今回はきちんと「保冷剤だけ付けてください」と注文した。ちなみに保冷剤は200円ナリ。
竹原肉店に馬刺しを買いに行くオートバイ乗りで、私と同様にトップボックスや大容量パニアケースを付けられない貧乏人には、この注文方法がオススメである。
日本海の夕陽が見たい
和以美(株)白河営業所
→道の駅あいづ 湯川・会津坂下
→台ノ宮公園
→食堂いしやま
→墓参り
→竹原肉店
・・・そして、日本海
これが私が編み出した「会津墓参りツーリング」のテッパン・ルートである(ま、最初と最後は会津じゃないけど)。
やはりシメは、日本海の夕陽を見てから帰りたい。昨年は竹原肉店を出たところで既に陽が傾き始めていたため、やむを得ず磐越道を使ったが、今回は昨年より1時間ほど早かったので、通常どおり下道で行くことにした。時間的余裕はないが、すんなり行ければ、じゅうぶん日没までに日本海にたどり着けるだろう。
そして、カーナビに頼り切るのはツマラないので、方角だけ日本海から外れないように注意して、あとは“カン”で走り続けた。結果として、行けども行けども日本海にはたどり着けなかった。今回の敗因ポイントはココ▼である。
新潟県道68号線が大河津分水路に突き当たったところで右折していれば、そのまま真っ直ぐ日本海に抜けられていたハズなのだが・・・と書いていて今思いだした。ここに至るまでが延々と続くダート(!)で、突き当たった地点では左にしか行けなかったのだ。で、舗装された道に出てからも、何も考えずに道なりに行ってしまった。あとはひたすら、迷い道クネクネ。
その大河津分水路沿いには、延々と続く桜並木があった。満開に近い桜の様子を見て、新潟も会津と同じような気候であることを実感する。
桜もキレイだが、今は桜よりも海が見たい。
そして時刻は18時ちょうど、日没ギリギリにようやくたどり着いた日本海。既に夕陽が沈もうとしていた。
ギリギリ間に合ったから陽が沈みきるまでずっと見ていたいが、小便がモレそうだ・・・。
そして小便をしている間に、夕陽は水平線に垂れ込めていた黒い雲に隠れてしまった。オレの膀胱のバカ。
日本海トワイライト
ずっと待ち焦がれていた日本海の夕陽を、わずか5分ほどで見終えたあとは、たそがれどきの国道402号~352号線を南下する。
オレンジから濃いグレーに変わっていく日本海を右手に眺めながら、大排気量Vツインの鼓動を聞く。とても気持ちがいい。今年もまた、オートバイでここに来れて良かった、と思う。
このまま富山まで走り続けて、魚津辺りに泊まってから帰りたくなる。でも翌日は引越業者が見積に来るので、今日中に帰らなければいけない。
陽が完全に落ちて、日本海が暗闇に包まれたところで、左に進路を変えた。
会津墓参りツーリング2016_まとめ
- 走行距離=791.5km
- 走行時間=12時間31分42秒
- 平均燃費=19.95km/L
ちなみに走行時間は、カーナビ (Panasonic CN-MC02L) のルートログファイル (KML形式) に記録された時間である。自宅およびガレージ(借)の場所を特定されないように、ルートログは出発後しばらくしてからONにして、自宅に到着する前にOFFにしているので、実際の時間よりは若干短い。
前篇の冒頭に書いた「ロング“ディスタンス”・ツーリング」および「ロング“タイム”・ツーリング」の両基準を軽く超えたが、疲労感はそれほどでもなかった。どうやら筋トレの効果が確実に出ているようだ。加齢による体力の衰えに抗うには、やはり“努力”が必要なのである。
あと数ヶ月で齢シジュウク、体力面ではまだ問題なさそうだが、あとは精神面である。昨年はゴールデンウィークには遠出したものの、その後はツマラない仕事に振り回されて、ツーリングに出かける心の余裕を失ってしまった。きっと、“プチウツ”状態だったのだろう。
今年のゴールデンウィークは引越に忙殺されて遠出はできそうにないが、その後のベストシーズンにはできる限り遠くに出かけよう。そのためには、カラダを鍛えるとともに、ココロの余裕を失わないよう、給料を下げられない程度にテキトーに仕事しよう。
そんなことを考えた、2016年一発目のロング・ツーリングであった。
(この項おわり)