高校野球神奈川大会の準決勝を見てきた
2016年7月30日、正式名称は「第98回全国高等学校野球選手権神奈川大会」の準決勝2試合を、横浜スタジアムで見てきた。
人で埋め尽くされる横浜公園
6時50分前に戸塚の拙宅を出て、7時45分頃、敷地内にドォンと横浜スタジアムを擁する、横浜公園に到着。「“じゃない方”の横浜」から「ディス・イズ・横浜」の、なんと遠いことか。
既に、先頭が見えない長蛇の列ができていた。
そして、既にお日様も絶好調。
午前8時を過ぎて、列が二重になる。
横浜公園内が人で埋め尽くされたため、午前9時30分の開場予定が30分早まる。
30分早まったが、列が長過ぎてなかなか球場には入れない。
開場して20分以上経って、ようやく“入口”が見えてくる。
そして午前9時30分頃、ようやく球場内へ。野球を見るのもラクじゃない。
それにしてもハマスタに来たのは、ずいぶんひさしぶりだ。
準決勝第1試合
第1試合のカードは「慶應義塾 vs 桐蔭学園」。
ピッチャーは孤独だ。
言うまでもなく野球はチームスポーツだが、ピッチャーという「仕事」は誰の力を借りることもできない。自分の頭と身体だけを頼りに、淡淡と仕事をこなさなければならない。
そんなピッチャーの孤独を噛みしめながら、ぼんやりと試合を眺めていた。
それにしても、コンデジ (Nikon COOLPIX S9500) の望遠で撮ると、ピッチャーではなく、後ろにいる人物にピントがあってしまう。
この写真▼も、コーチャーズボックスで何かを叫ぶ桐蔭学園の選手がクッキリと映っていた。
そんなショボいコンデジで、かつ酔っ払いながら撮った奇跡の1枚。
私がシラフで高級一眼レフを手にしたら、プロ級の写真でこのブログを埋め尽くすことができるだろう。ただ問題は、私にはそんな高級嗜好品を買える経済的余裕がない、ということである。
試合は、10対5で慶應義塾の勝利。
準決勝第2試合
第2試合は、「横浜 vs 桐光学園」。
すっかり酔いがまわって、野球どころではなくなる。そんな不謹慎なおっさんをヨソに、スタンドより数段クソ暑いであろうグラウンドで、うらやましいほどに眩い若者たちは、溌剌とプレイに興じていた。
桐光学園のピッチャーは、アンダースロー。
対する横浜の10番は、ダイナミックなフォームのサウスポーであった。
若かりし頃のイチローさんを見るような、振り子打法のバッター。
ほぼ泥酔に近いアタマで(横浜は強いなあ)なんてぼんやり考えていたら、あっという間に試合が終わっていた。8対4で横浜の勝利。
やっぱり野球はテレビ向けのコンテンツ
昭和の昔みたいに13インチの極小テレビならともかく、現代は拙宅にさえ55インチの大画面テレビがある。「自分の好きなチームや好きな選手をナマで見たい」という欲求でもない限り、野球はテレビで見たほうが全然いい。
球筋もよくわかるし、プレイのひとつひとつをわかりやすい角度で見せてくれるたりもする。見逃したプレイを、リプレイもしてくれる。
球場に行くことの優位性は「臨場感」だけで、(座席の位置によっては) 球筋もわからないし、選手の表情も見えない。そのくせ、後ろに座っているヤツに背もたれは蹴飛ばされるは、「後ろに人がいる」ということさえ気づかないバカに、前方の視界を塞がれたりする。
周囲に気遣いのできない不特定多数の人間たちが集まる空間には、やはり私のように度量の小さい人間は行くべきではないと、改めて思った。
そんなこんなで、中途半端な酔いと徒労感だけが残ったまま、ハマスタを後にする。時刻は既に、17時半になろうとしていた。
夕暮れの横浜スタジアム
「どっかで時間ツブしてから帰ろうよ」と、かみさんが言う。確かに、大群衆といっしょに混雑した電車には乗りたくない。
というわけで、馬車道あたりをぐるっと散歩して、
日本大通りにあるオシャレなカフェ(笑)でアイスコーヒーを飲んで、これまたかみさんに言われるがママ、ケーキ (ザッハトルテ) を食べた。
球場ではビールをたらふく飲んだし、これでまた血糖値が上がるだろう。
このビルで働いていたときはいろいろあったが、今現在よりはヤリ甲斐がある仕事をしていた気がする。
夕暮れの横浜公園は人影もまばらで、つい1時間ほど前までの喧噪は嘘のようだった。
8年前まで、毎朝毎晩ここを通って通勤していた。私がよく知っている、横浜公園の風景である。
つまるところ、野球はピッチャー
この記事は「今日 (7月31日) の決勝が始まるまでに書き上げたい」「そして『横浜が勝つ』という予想を書こう」、そんなふうに考えていたが、怠惰な私にはムリだった。
決勝戦も既に7回ウラ。私の予想どおり、今のところ横浜が大量リードしている *1。
正直あんまり真剣には見ていなかったが、それでも、40年以上野球を見続けている私には、横浜のピッチャーの方がチカラが上であることはわかった *2。
結局、野球はピッチャーがいい方が勝つ。「マウンド」という孤独のステージで、その孤独に耐え抜いた者が勝利の栄冠を手にすることができるのだ。
我が阪神タイガースの往年の大投手・江夏豊が、ノーヒットノーランを達成した上に自らのサヨナラ-ホームランで勝利を手にして、「野球は一人でもできる」と言い放った歴史的事例を挙げるまでもなく、
ピッチャー以外のメンバーは、その“オコボレ”を与っているに過ぎない。
・・・とまあ、そんな“暴論”はともかく、テレビに映しだされるスタンドの様子を見ると、昨日以上に観客が入っているようだ。そして時折、ほぼ土砂降りに近い雨によって試合が中断した *3。
やはり、野球はテレビで見たほうがいい。