墓参りツーリング2018~スカイラインハイブリッド慣らし篇

冬の足音さえ聞こえてきそうな今日この頃だが、ものすごく今さらながら春先に行った墓参りツーリングについて書く。

和人まる出し胴長短足4頭身のくせに日本車に対する愛情がまったく感じられない清水和夫センセー(笑)にボロクソにケナされているアワレな哀車=スカイラインハイブリッドが、まだツルツルピカピカの新車だった頃の思い出として。


メルセデス・ベンツC200アバンギャルド vs 日産スカイライン350GTハイブリッドタイプSP



 

はじめての慣らしドライブ

2018年3月30日(金)。4月は休めそうになかったので、余裕がある3月のうちに墓参りツーリングに出かけた。例年はオートバイで行くのだが、今年はクルマにした。

なんでかって、関東はともかく故郷・会津は、3月はまだまだオートバイじゃ寒いから。あとは、3月初旬に納車されたスカイラインハイブリッド(長ったらしいので、以下「スカイライン」)の、慣らしという目的もあったからだ。
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恥ずかしながら、クルマを新車で買うのはヨワイ50にして初めてである。前車・スカイラインクーペは「走行距離=330km」のタマを購入したのだが、それでも中古であることに違いはなく、特に慣らし運転を意識はしなかった。

 

遙か遠くの磐梯山

例年と同じように、白河中央スマートI.C.で東北道を下りる。
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写真▲奥に見える和以美(株) 白河営業所さんで休憩するのが例年お決まりのパターンなのだが、今回は平日で絶賛営業中だし、そもそもクルマだし、ヘタに停めたらヒャクパー怒られるのでスルーした。

和以美さんで休憩がてら、トイメンのお宅の見事な桜を観賞するのも毎度の楽しみなのだが、今回は3月ということで、まだツボミにさえなってなかった(ように見えた)。

国道294号を会津若松市方面に北上する。
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会津に生まれ育った者のノスタルジック・シンボル=磐梯山とスカイラインをいっしょに写真に収めたくて撮影ポイントを探したのだが、なにぶんかの山が遠すぎて、これがせいいっぱい。

平日の田舎道とはいえ、交通量が皆無というわけではないので路駐するわけにもいかず、ようやく駐車スペースを見つけたものの無粋な電柱と電線が風景を遮っているわ、前方には鉄塔があるわで、写真としてはぜんぜんダメだった。

 

オシャレ気取り蕎麦

道の駅あいづ 湯川・会津坂下で遅めの昼食を摂る。
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この道の駅には何度も訪れているが、農家レストラン(なんだそれ?)「くうべぇる」に入るのは初めてだ。

ここからも、磐梯山を望むことができる。なのに窓側ではなく奥の方に座ったのは、「店内の様子と磐梯山」を伝えるためのブロガー魂である・・・ま、ブログのことなんて、半年以上すっかり忘れてたんだけど。

会津の蕎麦をこよなく愛する私としては、躊躇なく「会津坂下産生そば」を注文した。が、出てきたそれは、私が持つ「会津の蕎麦」のイメージとはずいぶんかけ離れていた。
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(なんでこんな白いんだよ・・・)

洋皿にちょこんと載ったザルにも違和感があったが、その上に控えめに盛られた、透き通るほどの白い蕎麦には驚かされた。これではまるで、都内の某チェーン店で出てくる更科蕎麦じゃないか。

私の中では、もっと濃いグレーで、黒い斑点(蕎麦好きの人は「ホシ」と呼ぶそうだ)が入っているのが「会津の蕎麦」なのだ。

serai.jp

で、気になって改めて調べてみると「会津の蕎麦」がどれも濃いグレーではなくて、作る人によって違いがあるそうだ。なるほど、蕎麦の色のことなんて考えたこともなかったが、ひとつまた勉強になった・・・あ、味はフツーにおいしかったです。

会津人の「お作法」に則って「田圃越しの磐梯山」を眺めたあとは、故郷・会津坂下町に向かう。
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「COOPばんげ」は改装中

亡き母の遺言「クルマは太郎庵のヨコの駐車場に駐めっせ (会津弁)」を今回も忠実に守り、何の躊躇いもなくそこにスカイラインを駐める。なに、後でちゃんと太郎庵でオミヤゲを買うから、道義的には何の問題もない。
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井戸水混じりの融雪水で錆色に染まった路面に映えるオーロラフレアブルーパールのボディに見惚れながら、まずは墓に供える花を買いに行く。

1年ぶりに訪れた「COOP-BESTAばんげ店」の敷地内は、何やら大工事中であった。
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(えっ!?もしかしてツブれちゃったの!?)

周りを見渡してもクルマこそ時折通り過ぎるものの、歩いている人はまったくいない。そんな田舎町だ、スーパーがツブれても何らおかしくない。むしろ、至極当然でさえある。

不安になりながら店舗があった方に歩いて行くと、「←仮店舗営業中」「COOP-BESTAばんげ店新築工事」の看板が見えた。
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よかった、私の杞憂をヨソに、けっこう儲かっているようだ。

エラく狭い通路を進んでいくと・・・
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かつては酒類売り場があったサブ店舗で、ずいぶんこぢんまりと営業が続いていた。
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そのあまりの狭さに(これじゃ花なんか売ってねえんじゃねえの?)とまた不安になったが、入口から少し進んだ目立つ場所に、ちゃんと「お供え花」売り場が設けられていた。
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おそらく、毎年律儀に「COOP-BESTAばんげ店」の様子を記事にしているこのブログを売り場責任者が読んでいて、私がいつ来ても困らないように目立つ場所に設置してくれたのだろう。ありがたい話だ(泣)・・・

・・・まあとにかく、これらの写真は2018年3月30日時点のもので、「COOP-BESTAばんげ店」は8月3日にめでたくリニューアルオープンしたそうです。おめでとうございます。

来年の楽しみが、ひとつだけ増えました。

 

「墓じまい」を考える

「『墓参りツーリング』なのに墓の写真を載せなくてどうする」という自らのポリシーに則り、今回も墓の写真を掲載する。

まずは、枯れきった供花から。
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この枯れきって墓石の色と同化した植物の亡骸はもしかすると、去年(2017年)の4月に私が供えたものじゃないだろうか。1年間ホッタラカシにされた墓の様子を見て、キリキリと心が痛む。

toshueno.hatenablog.com

あえて具体的には書かないが、この近くに墓守をすべき人間がいるはずなのだ。

だがどうやら彼等には、そういう意識はないらしい。嘆かわしい。事故ったり不治の病にでも倒れない限り、私もあと10年ぐらいはこうして墓参りに来られると思うが、私亡き後、この先祖代々続いた墓はいったいどうなるのだろうか。

この定林寺にも、ずいぶん新しくて立派なお墓が増えたが、こうして明治時代からの墓石をいっしょに祀ってあるお墓はほとんどない。
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両親亡き後、実家のことなどまったく省みない私ではあるが、このお墓が示す一族の歴史の重みを目の前にすると、「何とか最良の形で供養してあげなければいけない」と思うのである。

 

消滅可能性田舎

清水屋魚店の思い出

お墓の前に、もっと心配なことがある。ここ会津坂下町の衰退ぶりである。
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定林寺から「ライヴァン通り(笑)」に出て「太郎庵・会津坂下店」までの約200メートルをのんびり5分ほど歩く間、反対側の歩道も含めてすれ違った歩行者はゼロであった。
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その寂れっぷりにセツナクなるのは毎度のことではあるが、ここ▼「清水屋魚店」のように、昔と変わらない店構えのままで営業を続けている店舗もいくつかある。
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亡き母とふたりで魚を買いに行くと、店のおじさんにいつも魚肉ソーセージとかのおまけをもらったのは、遠い微かな記憶である。

何も買わないのに店内に入るガッツはなかったので確認できなかったが、秋祭りの山車のために作られた鉄腕アトムのオブジェは、まだ天井に飾られているのだろうか。 

太郎庵は堅調なり

町の寂れっぷりに心を痛めながら、「太郎庵・会津坂下町店」に入る。f:id:ToshUeno:20180330151737j:plain
色鮮やかで華やかなケーキたちに、痛んだ心が癒やされる。ま、私はまったく食べないのだが。

通りをまったく人が歩いていないというのに、私以外になんと2人も(!)客が来た。
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タイミングがカブるということは「待ち時間が長くなる」ということなので、普段なら
(っんだよ、ホント間がワリイなあ)
とイラつくところだが、この時ばかりは
(ああ、お客さんが来て良かったなあ)
と、なぜかホッとする自分に驚いたのだった。

 

夕映えのサーフィン・ライン

2018年最初の日本海の夕陽を眺めるために、新潟市内を急ぐ。
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日経新聞地域経済版で東北6県はまとめて「東北版」なのに、さすがは単独で「新潟版」を擁する新潟県、会津坂下町と比べれば“大”都会である(よく見ると、この通り沿いには電線がない!)。

ま、“大”都会に興味はないのでソッコーでスルーして、日没までになんとか日本海にたどり着く。
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今年もまた、ここに来ることができた・・・
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と、春先に抱いた感慨を、冬になる直前に書いてみる。

田ノ浦海水浴場に移動する頃には、すっかり陽も落ちてしまった。
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サイドビューに暗いオレンジが映り込んで、なんとも言えない不思議な色合いに染まった。
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伏木悦郎大先生の動画によれば、このリアドア上部のキャラクターラインは、イニシエの「サーフィン・ライン」をイメージしているそうだ。

『F'S IMPRESSION』2017 NISSAN SKYLINE 350GT hybrid

そして、視聴しづらさMAXのこのシロート動画(せっかくいいこと言ってるのに周りのクルマやオートバイがうるさい!)で大先生がおっしゃっているとおり、この「日本版 INFINITI Q50」が「3代目スカイライン・GC10」のオマージュなのであれば、テールランプが円型から角丸型になったマイナーチェンジ後の方が、「よりGC10に近い」と言えるだろう。

 

ロングツーリングは時間のムダなのか

帰路では「アクティブレーンコントロール」+「インテリジェントクルーズコントロール」を駆使して、半自動運転で関越道を走り続けた。

その安楽さは、ブルバードM109Rは言うまでもなく(「オートバイと比べんなよ」というツッコミはスルー)、前車・スカイラインクーペ (6MT)とさえ比べるべくもない。

アクセルペダル・ブレーキペダルはもちろんのこと、ステアリングさえ操作する必要のない長距離移動があまりに退屈だったせいか、初めての思いが脳裏をよぎった。

(ロングツーリングなんて時間のムダなんじゃ・・・残り少ない人生、本でも読んでた方がよっぽど役に立つんじゃねえの)

自分自身で「700km以上または10時間以上/日」と定義したロングツーリングを始めてから7年目。こんなことを思ったのは初めてである。暗闇に包まれる帰路の高速道路でさえも、何かしら得るものがある・・・今まではそう信じてきたのだが、はたしてこんな「単なる移動」に、何か意味があるのだろうか。

「そんなんどーでもいいわ」という嘲笑や「遠出して楽しんだのなら、その代償として退屈な帰路があるのは当たり前」といった冷笑が聞こえてきそうだが、その時の素朴な疑問に対する自分なりの答えが出ていないことと、今年はこれ以降まったくロングツーリングに行っていないこととは、決して無関係ではない・・・

・・・って、ホントどうでもいいか。

  • 走行距離=868.7km
  • 走行時間=13時間20分
  • 平均燃費=13.7km/L

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