ケツの穴と羞恥心~健康診断2019

すっかり冬めいてきた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私はといえば、毎年11月第2土曜日恒例の健康診断 (半日人間ドック) に行ってまいりました。

 

時間貸駐車場の心理的境界線

遠路はるばる川崎まで赴く健康診断。ここ数年御用達の駐車場は「リパーク川崎幸町1丁目第2駐車場」である。午前7時20分頃に到着した昨年は、正面の駐めやすい枠がすべて埋まっていた。

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撮影:2018年11月10日

が、今年はなんと1台も駐まっていなかった。昨年より45分ほど早く着いたせいだけではない。「夜間最大料金500円」という破格の出血大サービスが、今年はなくなっていたからだ。そして、「最大料金1,500円」というこの辺りでは親切な価格設定も、シレっと「2,000円」に上がっていた。

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MC後2年も経たずに“型落ち”となったインフィニティ・スカイラインとともに

時間貸駐車場において、「2,000円」というのはひとつの心理的境界線だと思う。そのおかげで例年は決まって満車になっている出庫時も、今年はほとんどの枠が空いていた。

 

“開店”時刻は守りましょう

あまりにも早く着きすぎたので、フクピカ洗車をしてから午前7時に川崎テックセンターに向かう。例年であれば、午前7時には2階正面エントランスの自動ドアが開くはずだったが、今年はウンともスンともいわなかった。なんだよ。

仕方なく1階ウラ面エントランスから潜り込み、2階ロビーで時間をツブす。1年ぶりの川崎テックセンターは、なーんにも変わっちゃいなかった。つまんね。

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テナントスカスカビルなのに、屋内ローソンは意外にツブれてなかった

(去年は撮れなかった、アルファメディック・クリニックの“開店前”の写真でも撮るか)
そう思い立ち、午前7時30分頃、8階に向かう。まだ丸椅子さえ出ていない薄暗い入口前には、マスク姿の初老の男がゲホゲホ咳き込みながら突っ立っていた。

(早えよ、おっさん・・・オレもだけど)
また今年も、“開店前”の写真は撮れなかった。

マスクをしているとは言え、ゲホゲホ咳き込む人間と狭い空間を共有したくはない。また2階に戻って時間をツブした後、午前7時55分に再び8階へ。今度は丸椅子が出ていたので、ガマンしてゲホゲホ男の隣に座る。なに、去年のブログによれば、あと2分ほどで“開店”するはずだ・・・。

・・・。

だが今年は、午前8時を1分以上経過して、ようやく鉄の扉が開いた。
遅えよ・・・。

 

フライングスタート

去年と同じように、「2」と記された番号札をゲットした。よく見ると、番号札排出マシンの時計はなんと7分も進んでいた。

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今年も2番目

なるほど、アルファメディック・クリニックの時間のルーズさは、こんなところにも表れている。時計ぐらい、ちゃんと合わせようよ・・・。

時間にはルーズな一方で、今年のアルファメディック・クリニックは何かが違っていた。土曜の朝だというのに、ピリピリとした緊張感が漂っていた。例年であれば朝イチは1人しかいない受付が、今年は最初っから2人体制だったのだ。

なので待ち時間は1分弱で受付が始まり、3分で受付が終わり、2分で着替えを済ませ、午前8時7分頃には受付前待合スペースに戻っていた。

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※写真はイメージです

(さて、今年も番号札を取らないヤツでも数えようかな)
そう思いながら腰を下ろした瞬間、受付の女性が駆け寄ってきた。

受付♀「あちらでお名前をお呼びしますので、診察室の方にお入りください」

これは初めてのパターンである。今まではどんなに早く受付を済ませても、どんなに早く着替えを済ませても、午前8時30分まではマヌケな検査着のまま待合スペースで待たされるのが常だったのだ。

というワケで今年は、午前8時10分頃には左腕にブスリと注射針を刺されたのだった。毎年顔なじみのおばちゃんじゃなかったからイヤな予感はしたのだが、案の定少し痛かった。

 

ただコッパズかしいだけの直腸診

「直腸診を受診するか否か」は、今年最大のテーマだった。受付時に受診するか否かを問われるのだが、例年であれば何の迷いもなく断っていたところを、今年は2.5秒ぐらい悩んだ末に「おぉぉおー願いします」そう答えたのだった。

他人にケツの穴をさらけ出す苦渋の決断をしたのは、何もブログのネタのためだけではない。ヒト月ほど前、アラフィフはみんなキニナル「日経Gooday (毎月560円払ってます)」で、とある記事を読んだからだ。

gooday.nikkei.co.jp

 「前立腺がんのうち、99%はPSA値が上がりますが、1%、上がらないこともあります。そんなタイプのがんに、直腸診で気づくこともあるのです。〔中略〕直腸診は原始的なようで、今でも大切な検査なのです

-「たかが頻尿」と前立腺肥大を放置してはならない3つのケース (3ページ目):男を悩ませる「前立腺」問題:日経Gooday

夜中に必ず一度は、小便をモヨオして目が覚めるようになってから久しい。前立腺肥大症ぐらいならまだしも、ガンは困る。たいそうムダなカネがかかるからだ。アフラックのCMで「保険に入っててホント助かりました」とウソブく某大物ミュージシャンのように「おめえ保険なんか使わなくてもナンボでもカネあんだろ」と一般大衆にツッコまれるぐらいの経済的余裕があるワケではない。

わざわざ泌尿器科に行かなくても、健康診断の“ついで”に診てもらえるなら、それでもしガンが見つかったりするのなら、こんなにオトクなことはない。

問題は、ケツの穴に指を突っ込まれる相手である。まず、女医だけはカンベンである。去年の診察は、確か若い女医だった。できれば、10年来の顔なじみである佐藤医師であって欲しい(向こうはイヤだろうけど)。

はたして、順番がまわってきて診察室の前に行くと、去年は不在だった佐藤医師の姿がチラリと見えた。このまま、佐藤医師に当たって欲しい・・・。

そう願いながら待っていると、パーカーにチノパン、リュックサックを肩に掛けてヘッドホンを耳に突っ込んだ若いにいちゃんが、目の前を通り過ぎて薄暗い診察室に入っていった。

(たった今ご出勤か・・・どっかの勤務医がバイトでやってんのかな・・・)
なんてことをぼんやり考えていると、ふとイヤな予感がした。

(ん?ひょっとしてコイツが・・・)
そう思った間際、白衣をまとって医者然としたビジュアルに“変装”したさっきのにいちゃんが、ドアからひょっこりと顔を出して私の名前を呼んだのだった。

(まじか・・・最悪だな・・・)
女医の次に避けたかったのは、若いオトコだったのだ。

ひととおりの診察を終えた後、「直腸診受診希望」であることを知ったおにいちゃん医師は、露骨にイヤそうな反応を示し・・・いや、私の思い過ごしかもしれない。どんなに若いコゾウでも、医者の端クレである。そんなことでいちいち嫌がったりするはずはない。

そう自分に言い聞かせながら壁の方を向き、ケツとチ○ポをペロンと出してヒザを抱えた。一瞬の沈黙の後、おにいちゃん医師の指がケツの穴に入ってきたと思ったら、1秒もしないうちにその不快な感触は消えた。
(おいおい、そんなんで前立腺の“感触”なんてわかるワケねえじゃん・・・)

しかもコゾウ医師は、ゴム製?の手袋を思いっきり引っ剥がしたと思ったら、ペダル式ゴミ箱をこれまた勢いよく開けて、それを放り投げたのだった。
「ビチッ」「ガコッ」「ビャンッ」
一連の衝撃音が、ふたりきりの気マズい空間に響き渡る。やっぱり、よっぽどイヤだったんだろう。つか、なんか気分が悪い。おまえ、それでも医者かよ・・・。

(チョクチョーシン?なんだそれ?)とワケもわからないまま受けて、ただコッパズかしい思いをしただけの“初体験”から10年ぶりに受けた直腸診は、やっぱりただ激しく羞恥心が刺激されるだけの、不愉快極まりない上に何の意味もない“医療行為”であった。

あんな態度で、あんなことしかできねえんだったら、最初っからメニューに加えるなよ・・・。

 

いちばん最初に始めたのに

直腸診で受けた心のキズが癒えないまま、淡淡と受診メニューは進んだ。

最初に受付を済ませたゲホゲホ男がちんたら着替えしてくれたおかげで一番最初に受診を始めたのに、最後のメニューであった「眼底・眼圧」で異常に待たされた(3人も待たされた!)せいで、結局2番目に受診を終えた。

ちなみに「栄光の1番」をゲットしたのは、かのゲホゲホ男であった。 

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去年は一番最初に終わったのに

この▲医師面談前の写真のタイムスタンプが「午前9時16分52秒」なので、今年は診察開始から終了まで1時間15分近くかかったことになる。医師面談も含めてすべて1時間で終わった去年に比べると、大幅な遅延である。

それはひとえに、受診者が多くて待ち時間が長かったことに因る。午前8時10分から受診を始めたのも、多くの受診者をさばくためだったようだ。きっとこの超人気ブログが何度も喧伝してきた「土曜は空いているから早く終わる」という話の広まりによって受診希望者が殺到したせいで、去年耳にした「土曜は受診者を制限している」という基本方針は、変更を余儀なくされたのだろう。

あんまりブログに人気が出るのも、痛し痒しである・・・。  

 

体脂肪率9.3%の衝撃

面談は、2年ぶりの佐藤医師であった。去年このブログで、クソの役にも立たない面談をしやがったヤング医師をボロカスに批判したので、石心会たっての希望で大ベテランが復帰を果たしたのだろう。

去年のヤングは写真を掲示しようとさえしなかったが、佐藤医師は(まあこっちが当然なのだが)レントゲン写真もエコー写真も掲示して、あれやこれやと詳しく解説してくれた。

さて、かみさん全面バックアップ(と書かないと怒られるので)の元で敢行された1年間のダイエットの成果として、私の身体スペックは

  • 体重 (2018 → 2019)
    • 71.7kg → 59.1kg
  • 体脂肪率 (2018 → 2019)
    • 19.9% → 9.3%
  • 胴囲 (2018 → 2019)
    • 85.5cm → 70.0cm

と“激変”していた。佐藤医師もたいそう驚いて「まあカラダに問題がなければいいんですけど・・・」と言った。

佐藤医師「どうやってやせたんですか?」

私「グルテンフリーです」

佐「おぉ、ジョコビッチ!」

私「そうですそうです、去年パンを食べまくって太っちゃったんで一切ヤメて、あとラーメンとかピザとか、うどんもパスタもぜんぜん食べてないです」

佐「なるほど・・・グルテンフリーっていうより、炭水化物が減ったからやせたんだ、そうだそうだ」

佐藤医師はひとり納得して、何の報告かはわからないが面談予約票の下にある「保健指導担当者への申し送り事項」欄 (上の写真参照) に赤いボールペンで「パンを食べるのをやめて・・・」と細かくメモしていた。

 

そんなにガツガツしなくても 

受診開始時刻は去年より20分以上早かったのに、面談を終えた時刻はほとんど変わりなかった。レストラン「ファメデ (仮称)」の“開店”まで30分以上待つのも、去年と同じだった。

違ったのは、私と同様に開店を待つ受診者が明らかに多かったことだ。去年は1人か2人だったが、今年は5人以上いた。しかも何人かは、医師面談を待つ人用のスペースに堂々と座っていた。当該スペースはレストラン入口の真横にあるから、誰よりも少しでも早く入店しようという魂胆だろう。

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公式フロア案内図を勝手に改ざん

さもしい連中だ。そんなにガツガツしなくても、フツーに入りゃいいだろうに。

(今年は窓際はムリかな)
“正式”な待ちスペースである受付前にいた私は、そうあきらめながら6番目に入店した。意外にも、窓際に座ったヤツは2人しかいなかった。

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去年よりはキレイになった窓ガラス越しに教習所を眺める

窓ガラスが去年よりキレイなのは、今年はきちんと窓掃除をしたからだろうか。それとも、2度も直撃した台風によって洗われたからだろうか。

 

“断食”はやめよう

メニューをじっくりと眺めて、「柿」の文字がないことを確認する。今年は小鉢にも柿は使われていないようだ。よかった。

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2019年秋のメニュー

写真を撮ってかみさんにLINEしたら、「精進料理みたいだね」と返事が来た。前日は夕食だけでなく朝食も摂らなかったので *1、実に36時間ぶりの食事である。こんな質素な食事でも、美味に感じることこの上なかった。

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質素なお食事

そう、今年はあまりに空腹過ぎて、アタマがボーッとしていた。あまりにボーッとし過ぎて、看護師のおねえちゃんに「次は『腹部超音波』ですねー」と言われたのに、位置的に真逆にあった「胃部X線 (通称『バリウム』)」の方に行こうとして「あーーーっ、こっちです!」と呼び止められてしまったほどだ。

アルファメディック・クリニック受診11年目の大ベテランとして、あるまじき失態であった。

 

2019年の教訓

今さらながらではあるが、ヨワイ52にして体型をコントロールする術は完全に把握した。あと何年生きるかはわからないが、今後一生太ることはないだろう。メタボでお悩みの中年のみなさん、どうかせいぜいがんばってください。

そんな私にとって、今年の健康診断の教訓はただひとつ。
アルファメディック・クリニックでの直腸診は無意味

フツーに、町の泌尿器科を受診することをオススメします(未来の自分にも)。

 

*1:私は普段から昼食は摂らない