PCX (JF56) の低スペックな純正タイヤを換えた(後篇)

通勤用マシン=ホンダ・PCX (JF56) のタイヤを交換した。後篇では、新しいタイヤのインプレッションを書く。ただ、それだけだとあっという間に終わってしまうので、交換時のヨモヤマも合わせて。 

toshueno.hatenablog.com

丸富オート販売のツンデレ

丸富オート販売のツンツンその1

タイヤ交換は、PCXを購入した丸富オート販売(株)藤沢店にお願いした。藤沢店と言っても、住所は戸塚区(東俣野町)である。5分も歩けば藤沢だし、「戸塚店」は行ったことはないが他の場所にあるらしいから、このネーミングもまあ許せる。

ここは、PCXの最初の12カ月点検の時、大切なお客様の愛車を雨ざらしにして平然としていた、トンでもないショップである。当時 (2018年5月頃) はひどく忙しくてブログどころではなかったので憂さ晴らしの記事は書かなかったが、仕事がヒマになった年末頃だったか、Googleマップのクチコミにはコトの顛末を書き込んだ。

なお、前の記事で「掲示板には書き込まない」と書いたが、Googleマップのクチコミへの投稿は、ローカルガイドとしての“義務”を果たしているまでだ。

ちなみに、罵詈雑言でもデタラメでもそのまま掲載されるGoogleマップのクチコミには価値があるが、「顧客=掲載料をもらっているホテルや店舗」にとって都合の悪い情報は掲載されない、楽天トラベルや食べログのクチコミには何の価値もない。ゴミクズ同然である。

丸富オート販売のツンツンその2

閑話休題。去年の不愉快な思い出もあるので、もしPCXハイブリッドに買い換えるのであれば他のショップにしようと思っていた。でもタイヤ交換程度であれば、ヨソにお願いするのはかえってめんどくさい。世間には、「ウチで買ったオートバイ以外は面倒を見ない」などと、了見の狭いことを主張して憚らないショップもあるらしいので。

12カ月点検の時もそうだったが、この店が不思議なのは、

  • 他のオートバイの修理も入っているし、急ぎの作業が入ることもあるので、いつ終わるかわかりません
  • 場合によっては、(オートバイの)引き渡しは翌日になります

決まって、そう言われることだ。「は?」である。

特に珍しい作業をお願いしているワケじゃないし、内容からおおよその時間はわかるはずだ。だから既に組んであるスケジュールを見て、空きがあれば受け入れる、なければ別の日にしてもらう、ただそれだけのことではないのだろうか? それに、先にスケジュールを組んだ作業よりも、優先すべきことなんてあるのだろうか? 救急救命医じゃあるまいし。

クルマの点検等をお願いしている日産ディーラーはもちろんのこと、もう1台のオートバイの面倒を見てもらっているレッドバロン戸塚にも、そんなことを言われたことは一度もない。

後述の“デレデレ”があったので文句を言うのはガマンしたが、ただ拙宅でダラダラしているだけとは言え、いつナンドキかかってくるかわからない「作業終わりました」の電話をずっと待っているのは、あまり気持ちのいいものではない。

丸富オート販売のデレデレ

何かと不満もある丸富オート販売ではあるが、唯一「代車システム」は優れている。

12カ月点検の時も今回も(ま、要はまったく同じオートバイだったのだが)、レンタルバイク横浜で貸し出している“ほぼ”新車のスクーターを、代車として(もちろんタダで)貸してくれたのだ。

まあ後述のとおりロクでもないスクーターではあったが、それでも、どんなダメマシンでも、“新品”ってのはやはりキモチのいいものである。

 

スズキ・アドレス110 (CE47) のインプレッション

スズキ・アドレス110の「これはイイ!」ところ

代車は、オドメーターが示す通算走行距離がわずか17kmの、“ほぼ”新車のスズキ・アドレス110 (CE47) であった。
というワケで、ここで唐突にアドレス110のインプレッションを始める。

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代車=スズキ・アドレス110

このスクーターのイイところは・・・丸富オート販売藤沢店と拙宅の間の2往復(それでもわずか約10km)では、私には何も感じることはできなかった。

ただ、「値段が安い(希望小売価格=税抜き19万8,000円!)」のは、紛れもなくこのスクーターの長所だろう。
「安いモノを安く作る」スズキの面目躍如といったところだ。

まあでも、たかだか十数万円をケチってこんな不安定な乗り物を買うぐらいなら、多少ムリをしてでもホンダ・PCX(希望小売価格=税抜き31万7,000円)ヤマハ・NMAX(同=32万5,000円)を買った方が、幸せな生活を送れるとは思う。

スズキ・アドレス110の「こりゃダメだ・・・」なところ

作りが安っぽい

こと乗り物としてのイイところはイッコも思い付かないが、悪いところならいくらでもある。まず、「各所の作りが安っぽい」という点だ。

「値段が安いんだから当たり前じゃん」
まあそれはそうなのだが、例えば現行PCX (JF81) との価格差は約12万円だが、それ以上の“落差”を感じてしまう。

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チープなエンジンまわり

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キャシャなアシまわり

以前スズキ歴史館に行ったとき、この国のオートバイ史にその名を残すキング・オブ・チープ「チョイノリ」が、スペシャル・ステージに展示されていたことを思い出す。

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スペシャル・ステージに鎮座するチョイノリ

(この安っぽさは、スズキにとって“自慢”だったんだ・・・)
そう驚いたものだ。アドレス110の安っぽさも、スズキにとっては「してやったり」なのだろう。

狭いレッグスペース

アドレス110に乗って最初に驚いたのは、スクーターのくせに足の置き場がほぼ1箇所に限定されることだ。いつものクセで、PCXに乗車した時と同じように足を前に投げ出そうとして、「ええっ」と思わず叫んでしまった。

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クソ狭いレッグスペース

コンパクトに過ぎる車体サイズおよび着座位置が限定されるシートと相まって、私のような脚長 (自称) の場合、ヒザをやや鋭角に折り曲げないと乗車できない。

不安定な乗り味

数km走って多少乗り慣れたとき、カラダで感じたままの思いが、思わずクチをついて出た。
「チャリンコだな、コレは」
と。ものすごくがんばってホメれば「軽快」と言えなくもないが、率直に言えば「不安定」、極端かつ具体的に言えば「オートバイに任せるのではなく自分から積極的にバランスを取らないと、まっすぐ走ってくれない」、そんな感じである。

PCXで拙宅に戻った後、いつも楽しく読ませてもらっている「間違いだらけのコミューター選び」の、アドレス110のページを見たら、こう書いてあった。

総じて乗り味は動力性能の高いモペットといった感じで、一般的なスクーター勢の骨太さは希薄である。

-スズキ・アドレス110(UK110L5):間違いだらけのコミューター選び

「動力性能の高いモペット」って(笑) 私が感じた思いを、シンプルかつ的確に表現している。「言い得て妙」とはこのことだ。さすが、この人の表現力にはかなわない。

まとめ

他にも「出だしがモッサリ過ぎる」とか「不快な振動がスゴい」とか、PCXと比べたらダメなところはいくらでもあるが、あまりケナすのもスズキおよびこのスクーターを所有している方々に申し訳ないのでこれぐらいにしておこう。

とにかく、「昼メシ代=500円/日」として、「500円×20日×12カ月」で「12万円=アドレス110とPCXの価格差」を埋めることができる。たった1年間だけ昼メシをガマンすれば、そのぶん以上の満足と快感と昂揚を得ることができる。それだけは間違いない。

 

ミシュラン「CITY GRIP」のインプレッション

カントリーな戸塚とファーストインプレッション

この記事の主役は、アドレス110ではない。PCX (JF56) に新たに装着した、ミシュラン「CITY GRIP」である。まあでも、シロートはどうしても書きやすい方に流れてしまう。面目ない。

(ここに来るのも、これで最後かな)
そんなことを思いながら丸富オート販売を後にして、土曜夕方のクソ混んでいる国道1号は避けてウラ道を通って帰った。国道から1本ウラ道に入るだけで、その田舎っぷりに驚かされる、それが戸塚である。

まるで子供のち○ぽのように小さく屹立する“五重塔”の遺構を遠く前方に眺めながら、周囲を畑に囲まれた細い道(ただしそこはクサっても横浜、クルマは頻繁に通り過ぎる)を、軽快に流す。

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ド田舎な風景に小さく屹立する“五重塔”の遺構(写真中央)

店頭では恥ずかしいので少し走ってから写真を撮ったのだが、路面状態さえもカントリーなせいか、あっという間にけっこう汚れてしまっていた。戸塚恐るべし。

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リアタイヤ

まあそれはさておき、表面がムダにツルンとしたIRC「SS-560」と違って、“見た目”の質感からしていかにもグリップしそうな感じがする。

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フロントタイヤ

アドレス110の“グラグラした”乗り味がカラダに残っていたせいもあったのか、CITY GRIPに履き替えたPCXは、ひどく鈍重に感じた。

(これ、空気抜けてんじゃねえの)
一瞬そう思ったぐらいだ。裏を返せば、「それだけガッチリとグリップしている」と捉えることもできるだろう。

雨の月曜日とアドレス110のおにいちゃん

さて、CITY GRIPの“本番”デビューの日=2019年6月10日(月)は、幸か不幸か朝から晩まで、往路も復路も本降りの雨であった。いや、普段であれば雨で「幸」なことなど何ひとつないのだが、CITY GRIPの“実力”を試すという意味では、本番初日から雨というのはラッキーというべきだろう。

さて、その帰り道。

私が契約している駅前駐車場は屋上フロアで、いうまでもなく屋根がない。多少の雨であれば、面倒なので濡れながらカッパを着るのだが、この日はザーザー降り一歩手前だったので、たまらず屋根付きフロアに避難した。

2階に停めた(「駐めた」のではないから許して欲しい)のは初めてなので記念に写真を撮っていたら、前方からちっちゃいおにいちゃんが歩いてきた▼。

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屋根付きフロアに退避したら、おにいちゃんが歩いてきた

おにいちゃんは「なんだこのおっさん」的な冷たい視線を送りながら私のヨコを通り過ぎて、いちばん奥に駐めてあったスクーターに歩み寄った。それがなんと、アドレス110だったのだ。なんという偶然。なんという出会い。
内心ほくそ笑みながら、ちんたらカッパを着る私を尻目に、おにいちゃんはアドレス110を華麗に操ってスロープを降りていった。

なるほど、あのカラダのサイズなら、スリムで足付きのいいアドレス110の方が向いているかもしれない。
「どんなナベにも、合うフタはある」
名言でました。

あ、閑話休題。この日は、“皮むき”が終わっていないうちからいきなりの雨で超不安だったので、ものすごく慎重に、できるだけバンクしないように心がけて走りました。

なので、タイヤについての感想は特にありません。

テッパンでもスベらない

往路の途中で、戸塚区民のセンチメンタル・リバー=柏尾川に架かった、小さな橋を通る。
その橋と道路の継ぎ目の、30cmほどの鉄板状になっているところ *1 で右折のためにバンクするのだが▼、

JF56の純正タイヤ=SS-560の場合、鉄板の上で後輪が“ズルッ”とスベる感覚があった。
ウエットではもちろん、ドライでさえもそんな調子なのだ。

だから毎朝ここを通るたびに
(このタイヤは怖えな)
そう思っていた。

CITY GRIPに換えたら、まったくそんなことはなくなった。
さすがは「街中グリップ」である。

ま、戸塚は田舎だけど。

(この項おわり)

*1:これは「伸縮装置」というものらしい、やっぱブログ書くといろいろ勉強になるなあ