がんばれ神奈川日産~“インフィニティ”スカイライン24カ月点検(前篇)

そうでない人からは無論、クルマファンからもその存在をすっかり忘れ去られている“インフィニティ”スカイラインの24カ月点検に行ってきた。

日曜の京浜工業地帯で飲む青のコーヒー

今回は、寒風吹きすさぶ日曜の午前7時8分に拙宅駐車場を出た。

予約時間は午前10時なので、9時頃でかければ(事故渋滞でもない限りは)ちょうどいい時間にたどり着けるのだが、近頃は完全なるインドア派に成り下がった脆弱なハートは、ほんの少しの渋滞にも耐えられないと思ったからだ。

はたして、最初の目的地であるセブン‐イレブン川崎東扇島店にちょうど40分で着いた。ここで朝メシと飲み物を調達するのだ。川崎に住んでいた頃はプチ・ドライブついでによく立ち寄ったこのコンビニは、今ではスカイラインの点検時のみ、半年に一度だけ訪れる。

近隣の工場で働いていると思しきドカタ・ルックスな若者たちや、トラックドライバーが入れ替わり立ち替わり入店する様子はずっと変わらない。レジのおっさんが皆愛想が良くて「セブンイレブンいいキブン」になるのもまた、昔のまんまである。

いいキブンになった勢いで、青のコーヒーのデッカい方も注文した。カフェインレスによる利尿作用でトイレが近くなるのが気に掛かるが、ま、なんとかなるだろう。

青のコーヒーが冷めないうちに川崎港海底トンネルを戻り、千鳥町の一本道にスカイラインを停めた。日曜の朝のこの道はバカデカいトラックやガラガラのバスが時折通過するぐらいで閑散としているので、クルマで時間をツブすには最適な場所なのだ。

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ヒイキ目を差し引いてもデザインは現行よりこっちの方が良い

まずは朝メシとして買ったハウス・1日分のビタミンゼリー森永・inゼリー・マルチビタミン(いつのまにか商品名から「ウイダー」が消えていた、この記事を書くまでまったく気づかなかった)をチュウチュウと食道に流し込み、青のコーヒーをズズズッとススる。たまには外に出るのも悪くない、と思う。

toyokeizai.net

さて問題は、もはやオスとしての生殖機能をすっかり果たせなくなってしまったムスコから、水分を放出する必要に迫られた時である。

ひと昔前はこの近くに「市バス専用折返所」という施設があって、ソコに(本来はバスの運ちゃん専用と思われる)小さな公衆トイレが設置されていたのだが、当該折返所の撤去と同時にトイレもなくなってしまったのだった。

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今は無き市バス専用折返所(撮影:2010年10月2日)

なので・・・軽犯罪法とは言え法律違反行為の具体的な描写はここでは避けるが、まあつまりはそういうことだ。

夜はともかく明るい時に見てもただのコキタナい工場の周辺には、死角がたくさんある。でも上の方をよく見ると、鉄塔のてっぺんに監視カメラと思しき長方形のハコが見える。すべての“目”をかいくぐる絶妙なポイントを探し出すのに少し苦労したが、無事に目的を果たすことができた。

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鼻につく薬品のニオイがした

というワケで問題は解消された。半年後もまた、ココに来ようか。(どこかで隠し撮りされて、画像付きの貼り紙でもされていない限りは)

 

まさかの店内リニューアル

開店5分前を狙って千鳥町を後にしたのだが、8分前に着いてしまった。神奈川日産(株)川崎元木店の入口を塞ぐステンレス製のポールは、屹立したままであった。若い営業マンが慌てて駆け寄ってくる。まいどサーセン。ま、戸塚という最果ての地からわざわざ川崎くんだりまで出向いているので、どうかカンベンしてください。

半年ぶりに訪れた店内は、少し様子が違っていた。

クルマになどカケラほどの興味もないのに親に付き合わされてヒマを持てあますガキどもの気を逸らすために設けられた、いわゆる「キッズスペース」は店内のいちばん奥に追いやられ、そこに半透明のパネルで仕切られた、どこか“VIPルーム”的な雰囲気の一角が新設されていた。

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なぜかココだけおしゃれ空間

営業さん曰く
「お客さんによく『カネあんじゃねえか』って言われるんですよ」
だそうだ。もちろんそのイヤミの前置きには「日産のクルマなんてたいして売れてねえのに」というセリフが入るのだろう。

 

代わり映えのしないラインナップ

毎年同じカレンダー掲載車種

スカイラインを新車で購入してから、営業さんが毎年「日産カレンダー」を送ってくれるようになった。前車・スカイラインクーペはチューコで、しかもいつのまにかツブれていた「日産カーパレスみなとみらい」で購入したものなので、10年間フルシカトであった(中古っつったって、400万円以上したのに)。

hamakore.yokohama

日産車オーナーとしてその2020年版カレンダーの掲載車種を眺めると、つい暗い気持ちになる。ラインナップが、2019年とほぼ同じだからだ。変わったのはスカイライン(インフィニティ→ニッサン)とセレナ(ゲヒン化)の見た目ぐらい。

社長が変わって日産のイメージも変わることを期待しているのだが、今のところは何も変わっていない。株価は一向に上がる気配はないし、新車の話はウワサレベルでさえ相変わらず出てこない。

どういう事情があるのかは知らないが、中味 *1 はともかく外観はかなりイケている新型ジュークを日本で売らないのは“アホ”としか言いようがないし、「なんだ結局ナンも変わってねえじゃん」と落胆することしきりである。

▼このポール・ウェラーにちょっと似てるおっさんはおもしろいです

【詳細レビュー】新型 日産 ジューク - 個性的なコンパクトSUV

日産最大のナゾ

それにしても不思議なのは、「『日産なんてツブれてしまえばいい』とでも思っているんじゃないか」と勘ぐりたくなるほど日産には手厳しい日経新聞が

日産はカルロス・ゴーン元会長時代に新興国への拡大戦略に投資を振り向けた影響で新型車の開発が遅れた

19年世界新車販売 日仏連合3位に後退 VWとトヨタは過去最高 :日本経済新聞

なんてことをよく書いているのだが、はたして、クルマメーカーのブランドイメージにとって何よりも大切な新型車の開発をおざなりにするという信じがたい判断をするほど、(この名前を書くのも忌々しいが)カルロス・ゴーンを始めとした日産の旧経営陣はバカばっかりだったのだろうか。

何も私のような貧乏人が汲々としながらナケナシの給料をヤリクリするわけじゃあるまいし、どうして「いい按配の投資」ができなかったのだろうか。

(つづく)

*1:1L・3気筒ターボしかないなんて・・・