M109Rで二輪のユーザー車検に行く_2023

編集方法もすっかり忘れてしまった今日この頃だが、ユーザー車検に大きな変革があったので久しぶりにブログなどを書いてみる。

 

ほそぼそと乗り続けている

名ばかりのGT達は……

2年前の車検の頃は、乗ってみたい、ともすれば購入したいオートバイもいろいろあったのだが、

最近はそれすらもほとんどなくなってしまった。

装備も最新に近いし、値段も(装備の割には)お手頃ってことで、スズキ「GSX-1000GT」は発売(2022年2月)前からだいぶ心が動いていたのだが、

発売間もない頃にレッドバロン戸塚で見かけた薄いブルー(当然新車)の車両を実際に目にして、そのあまりの安っぽさに萎えてしまった。

売約済で“入っちゃダメウォール”の向こう側にあったので上からしか撮れなかった

「トリトンブルーメタリック」という名称だからメタリック塗装であるはずなのだが、全体的な印象のせいかソリッドカラーにしか見えない。サイドカウルやテールランプ周辺の無塗装樹脂も新車のうちならまだ許せるが、数年経てばみすぼらしくなってしまうだろう。

抱いていた期待はしぼみつつも(濃い方のブルーだったらもうちょっとマシなのかもなあ)と想像しながらはや一年、つい先日レッドバロン戸塚で販売されていた「リフレクティブブルーメタリック」の車両は……やっぱり、安っぽかった。

2022年モデル・走行距離3031kmの中古なのに定価と同じ販売価格

別にM109Rだって高級感があるマシンではないのでそこに重きを置いているワケではないのだが、現物を目にしても購入意欲がわかないというのは、私にとっては“正解”ではなかったのだろう。

“もっと遠く”で三浦半島一周

稀代の名車・ブルバードM109Rを超えるオートバイが見つからないまま、また2年が過ぎてしまった。車重約350kgの重量級マシンを取り回しできなくなれば降りるしかないが、そうならないために300回のラテラル・スクワットを始めとした筋トレを欠かさず続けている。

とは言え、長年のインドア体質がすっかり染みついてしまって、コロナ禍が下火になっても数年前のように遠くまでツーリングに行く気にはどうしてもなれない。

乗車感覚を無くさないように月イチで観音埼まで行って帰ってくる(往復約100km)のが関の山で、8月20日時点で今年もっとも“遠出”したのは、6月某日の三浦半島一周である。

2023年5月某日、みうら縦貫PAにて

今年こそは、4年ぶりに墓参りツーリングに行こう、行きたい、行かなければ……と想い続けて、もう8月の終わりが見えてきてしまった。

 

6回目のユーザー車検

なんで“自動”って付けたの?

奇数年の8月といえば、車検である。めんどくせえなあ……と思いつつも、やってみればどうってことのない手間と作業と手続きの代替に大枚をはたく気にもなれないので、今回もやっぱりユーザー車検を選択した。

前回「自動車検査自動受付システム」というステキシステムの存在をすべての手続きが終わってから(笑)気づいたので、今回は少しだけ気がラクだった。大キライな手書きをしなくて済むから……。

撮り忘れたので2年前の使い回し

なお受付が自動になるわけではないので、このシステム名は間違っている。ネーミングセンスが欠けているだけでなく、

  • “紙オンリー”の車検証に8コも印刷されたQRコードのどれを読み取ればいいかわからない
    (車検証がICタグ付きになったからか、2年前はディスプレイに貼り付けてあった“ヘルプ”用紙は撤去されていた)
  • 読み取りエラーになるたび、けたたましいエラー音が鳴る
    (コッパズかしいし、そもそもエラー音要ります?)
  • 読み取りエラーになるたび、デフォルトOFFのチェックボックス2つがOFFに戻ってしまう
    (1度ONにしたら、印刷終わるまでONのままで良くないですか?)

というフシギ仕様満載のクソシステムであった(ま、私には作れませんがね)。

しかも手書きがまったく不要になるってワケではなく、結局数カ所はヘタクソな文字を書き込まなければならなかった。

おそろしくスムーズに進んだ検査

なんぼトシを取っても、周りが気になり過ぎるナイーヴな性格は変わらない。

誰かが近くに寄ってくるだけで(やべ、早く書かなきゃ)とテンパって、なんちゃら用紙に書き込む住所を間違えてしまった。住所変更が面倒で車検証の住所は旧住所のままなので、旧と現のどっちを書けばいいのかわからなくなってしまったのだ。

冷静になって見直したら思いっきり間違っていたのだが、(まいっか、指摘されたら直せば)と思ってそのまま受付に提出した。で、何も言われなかった。

まあその程度のモンなのだ、こんなモノは。

お昼休み中ですが何か?

受付開始時刻は12時45分なのに46分にちんたら2階から降りてきた受付担当者は、とても親切丁寧だった。

毎回この受付には何の問題も不満もない。不遜で不親切な担当者が窓口にいたことは一度もない。今回は後述する疑問点を解消しないまま受付したのだが、それに対しても丁寧に対応してくれた。

毎回何かしら問題があるのは、検査なのだ。

撮影禁止らしいけどやっぱりココ来たら撮りたくなるよねー

でも今回の検査員は、おそろしく親切丁寧だった。

終始敬語であったことはもちろん、ハキハキと滑舌よく的確な指示を出してくれて、耳の遠い初老の男が聞き取れないことも、前回のように意味不明な指示にとまどうことも一度もなかった。すばらしい。

この2年間で、この検査場に何があったのだろうか。

きっとこのブログを読んでレアマシンのM109Rを覚えていて、「また文句書かれちゃタマらん」ってことで態度を改めたのだろうか。きっとそうに違いない。

ブログを書いていて良かった……。

ブレーキとスピードメーターのテストにおける高回転ローラーによる強烈な横Gにも、ラテラル・スクワット300回の成果で難なく耐えることができた。

毎回鬼門の光軸テストも、イッパツオッケーだった。あの客を客とも思っていない、傲岸不遜なテスター屋のジジイの貧相な顔を見なくて済んだ。

A棟に戻ってかみさんにLINEしたのが13:09なので、定刻どおり13時頃始まった検査は6~7分ほどで終わったことになる。もはやバイク屋並みの手際の良さである。

 

デジタル敗戦がもたらしたもの

夢にまで見たキャッシュレス

さて、上述は前置きで、ここからが本題である。下述以降のことがなければ、ここまで放置したブログなど書く気にはならなかったはずだ。

2年前の記事の最後に

さらにDXを進めて(利権が絡んでるとか法律がどうとか、その存在意義は知らないが)クソ面倒で不衛生な現金払いオンリーのなんちゃら印紙も廃止してオンラインのクレジットカード払いに変更すれば、申請用紙さえも不要になるだろう。

そうなるまで、果たしてあと何年かかることやら。

M109Rで二輪のユーザー車検に行く_2021(後篇) - 遠くへ、もっと遠くへ

と書いた。「なんちゃら印紙」も「現金払い」も、あと10年は絶対になくならないと思っていたのだ。

まあでもいちおう、もしかするともしかするかもしれないので、前日の夜に「ユーザー車検 費用 支払い カード」とGoogle検索してみた。

クレジットカードで 自動車重量税・自動車検査登録手数料の ...

自動車検査登録総合ポータルサイト
https://www.jidoushatouroku-portal.mlit.go.jp/Information-Files/jigyousha_chirashi.pdf

検索結果のトップに表示されたリンク先がPDFなのはご愛嬌である(つかホームページぐらい作れや……)。

わたせせいぞうチックなイラストが描かれた当該PDFのタイトルには、

令和 5 年 1月 4 日から
クレジットカードで
自動車重量税・自動車検査登録手数料の
お支払いが可能になります。

と書かれていた。

(え!?……まじすか!?……)

厚生労働省のみならず、国家公務員のみなさんはコロナ禍におけるデジタル敗戦がよほど骨身に沁みたのだろう。あるいは、シガナイ一般庶民がセツセツと訴えたこのブログが、いつの間にか国土交通省のみなさんの重い腰に作用したのだろう。

ブログを書いていて良かった……(2回目)。

ナゾは解けた

そこから先のもろもろの登録作業は、特に難しいことはない。わたせせいぞうチックなPDFを参照せずとも、画面を追っていけば「支払い者ID」も「お支払い情報」もフツーに登録できるだろう。

で、すべて登録し終えると「お支払い情報登録完了通知」なるメールが届くのだが、それ以降のことがどこにも書いていない。

当該PDFには

 運輸支局の窓口または電子申請(OSS)で事前に登録した内容の検査登録手続きを行ってください。

とは書いてあるのだが、「電子申請(OSS)」「事前に登録した内容の検査登録手続き」ってなんなんだよ、って話である。この辺が不親切だよね……。

で、上述の「受付窓口での疑問点」とは、この件だった。

私「手数料とかはカードで支払ったんですけど、あとどうすればいいんですか?」

担「あーはい、お支払い情報のメールって来てますよねー」

私「(スマホでメールを見せて元気に)はい!来てます!」

担「この番号をここに書いて、その下に“継続検査”って書いてください」

私「わかりましたーあぃがとぉござぃまーす!」

正解は

  • 「お支払い情報登録完了通知」メールの
  • 「支払受付番号」を
  • 「自動車検査票1」の
  • 「手数料納付書」欄に書き
  • さらにその下に
  • “継続検査”と書く

です。みなさんわかりましたか?

そもそも紙自体出す必要がなかった

「電子申請(OSS)」で検索すると、下記サイト▼がヒットする。

どうやら、車検場で「なんちゃって自動システム」を使う必要すらなかったようだ。

車検前日に、なんでこの検索をしなかったんだろう?
相変わらず情弱だわ……。

さらばD棟

でも、下には下がいるのが世の常である。

私が12時35分頃A棟に入ったとき既に、書類記入用立ち机の前にいかにもライダー然としたカッコの20代前半と思しき若者が、記入例を穴の開くほど的なレベルで見入っていた。

いつ見ても素っ気ないデザインのA棟

ジャマをしちゃ悪いので、私がなんちゃって自動システムでビィービィー何度もエラー音を発生させて結局ジャマをして満面に苦笑いを浮かべているうちに、その若者はいなくなっていた。

その後「継続検査申請書」に住所を書き間違えている頃、もうひとりライダー然としたカッコの、今度は30代くらいの男がやってきた。

(げっ……ふたりもいるわ……こいつらより早くやんなきゃ……)

推定30代男性は難なくプリントアウトして見せた

しかも30代男性は手慣れた様子でなんちゃって自動システムを操作して、一度もエラー音を出さずにプリントアウトしていた。

(え……3回もエラー出したオレって……)
デジタルネイティブと、「物心ついた頃ウチの茶の間にあったテレビはまだ真空管だった」世代の差だろうか。

でも私が検査を終えてA棟に戻ってきたとき、30代男性はまだA棟の中をウロウロしていた(B棟=検査棟にその姿はなかった)。

先にA棟にいた若者に至っては、私が帰ろうとM109Rに跨がるとき、申請用紙の束を手に持ってD棟に小走りで入っていった。

(君たち、まだまだだねえ……まあがんばりたまえ)
過去にA棟←→B棟←→D棟を3往復ぐらいしたこともある初老の男は、そんな昔をすっかり忘れて勝ち誇っていた。

どっかのクソバカのハイエースがD棟への進路を思いっきり塞いでいた

人間としての底の浅さはともかく、今回ばかりは一度もD棟に行かずに済んだのは確かだ。

他人の迷惑というものを想像すらできない低知能者が入口のど真ん前に駐めたハイエースにイラつくことも、あーあなた人間だったんですねてっきりアンドロイドかと思いましたよ的に無愛想無表情な会計窓口の女に萎えることも、他人との適切な距離感がわからないセカセカババアのプレッシャーに脅えることも、なんちゃら印紙が風に飛ばされそうになることも、雑菌だらけのビチョビチョスポンジに触れることもなかったワケだ。

キャッシュレスは本当にすばらしい。

コロナ禍が文字どおり災禍だった人達には申し訳ないが、それがなければこんな早くには変わらなかっただろう。