がんばれ神奈川日産~“インフィニティ”スカイライン24カ月点検(後篇)

ひさびさに満ち満ちていた書く気力も、一週間以上が過ぎてすっかり萎んでしまったけれど・・・“インフィニティ”スカイライン24カ月点検の後篇。 

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それでも新車のニオイはいい

「効率がいいから」ってホントだろうか

どーせ半年前とおんなじクルマだから、今回は展示車に乗り込むのはヤメようと思っていた。半年前はウヤウヤしく店内に置いてあった現行“ニッサン”スカイラインも、早々に売るのをあきらめたのだろう、アタリマエのように *1 展示車からは消えていて、ラインナップはいつもと同じセレナとエクストレイル、そして軽自動車が3台。

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そりゃ667万円じゃ誰も買わないよ(撮影:2019年8月17日)

これだけ車種が少ないと売る側もさぞや大変だろうと他人事ながら心配になるのだが、ジュークのことを検索していて見つけた記事に

日産の販売店スタッフに話を聞いてみると、次のようにコメントします。

「〔前略〕いまのように人気車種だけに絞るというやり方は販売スタッフにとってもやりやすいのです。なぜなら、扱う車種が少なければ、スタッフが新型車について詳細に勉強する時間を減らせます。じつは、その負担はスタッフにとって意外に大きいのです。

また、お客さまに対して『SUVが欲しいならエクストレイル』というようにズバッと車種を絞れ、その結果、商談を効率よくスムーズに進めて契約までの時間を短縮できるのです

なぜ新型ジュークを日本で売らない? 日産のイケてるモデルが海外でしか販売されない理由 | くるまのニュース  

なんてことが書いてあった。

ホントかよ。どこの誰だよ、その「販売店スタッフ」ってのは。「扱う車種が少なければ新型車について詳細に勉強する時間を減らせます」って、どんだけバカなんだよ。じゃあ家電売り場のスタッフなんてどーすんだよ。

少なくとも日産が新型ジュークを日本で売らないのは、そんな理由じゃない。国内では未だにラインナップに名を連ねる“レームダック”な旧型より、3気筒ターボしかないとはいえ新型の方が、販売店だっていいに決まっている。だいたい効率ウンヌンの前に、店に客が来なきゃナンも始まらねえじゃん。タダ記事とは言えこんなテキトーでマユツバでいい加減な内容を書いても広告料が入るんだから、いい商売だわ・・・おっと閑話休題。

とにかくセレナにもエクストレイルにも特段興味はなかったが、オプションをいろいろ頼んだせいで待ち時間が長くなって、スマホで新聞を読むのも飽きてきたので外に出た。そして、セレナの運転席に座って思った。

やっぱり新車のニオイはいい。たいして代わり映えはしなくても、ただ乗り込むだけでも、シアワセな気分になれる。

ミニバンは家電みたい

セレナのエクステリアはマイナーチェンジ前のどこか知的な感じはすっかり消え失せ、ひたすらバカっぽい、トヨタライクなデザインになった。平たく言うと“ゲヒン”になった。なぜこうも仰々しいデザインがウケるのか心底理解に苦しむが、この世の中はデザインセンスの欠如した人々で占められているということなのだろう。

それでも、ボンネットからバンパーにかけての滑らかな曲線にVモーショングリル(笑)が絶妙に融け込んでいる点は好感が持てる。

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ぐにょわ~んってカンジのフロントのラインがステキ

インテリアの方はマイナーチェンジ前とそう大きくは変わっていないが、センターディスプレイが異様にデカくなったりシフトレバーが小ぶりになったりしていて(なんか、家電みたいだな)と思った。

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インテリアはまるで家電のよう

「スタート/ストップ」ボタンが妙にキレイなブルーで加飾されている(ちょっとそこだけ浮いている)のも、そう感じる要因だと思う。

ブルーなエクストレイルはイケている

エクストレイルもつい最近マイナーチェンジしたらしいが、見た目の違いはわからなかった。MC前後の外観を念入りに比較したわけではないが、おそらく何も変わっていないだろう。

ただ展示車は私の好きなブルー(現行のテーマカラーであるシャイニングブルー)なヤツだったので、いつもよりカッコ良く見えた。

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ブルーだと3倍増し

一方でインテリアの方はあまりパッとしない。セレナのように細かな改良が施されているワケでもないし、シフトレバーは巨大かつ昔ながらの“ガッチャンコ仕様”だし(ま、スカイラインもそうだけど)、樹脂の質もよろしくない。ナビまわりもなんか古くさい。

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プラスチッキーなインテリア

こんなテイタラクじゃ、そりゃ今買うならみんなRAV4にいっちゃうよ。

 

クルマを下から見てみよう

時間は前後するが、(展示車を見るのは今回はヤメておこう)なんて思いながらボケっと新聞を読んだり読まなかったりしていた頃、キャップの脇から長めのチャパツがはみ出した、日産整備士のユニフォームを着ていなかったら「その辺のチャラいおにいちゃん」的なビジュアルの若者が近づいてきてこう言った。

「いま、『クルマを下から見てみませんか?』っていうのをやってまして・・・ご覧になりますか?」

リフトはもちろんガレージさえ持たない貧乏人は、フタツ返事で答えた。

「見ます見ます、ちょー見たいです!」

50過ぎのおっさんがするリアクションでないことはすぐに恥じたが、それもやむを得ない。貧乏ゆえ劣悪な環境に置かざるを得ない愛車の“底部”がはたしてどんな惨状を呈しているのか、常々気になっていたからだ。

また、価格帯やクルマのキャラクターからしてGT-Rのように全面が覆われているなんてことは期待していないものの、

▼こういう動画を観ると、やっぱGT-Rの設計は別格だなと思う

【激安GT-Rリフレッシュ計画 #02】ミッションとフライホイールハウジングをバラします。ガラガラ音がなくなりました!|KUHL Racing R35 GT-R

(日産車の中では)いちおうの高級車である「INFINITI Q50」として、どんな車体構成になっているかも見てみたかった。ま、パッと見で構造を理解できるほど、クルマに詳しくはないのだが。

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フロントサスペンションまわり

さて、2年目にして初めて、下から見た愛車はどうだったか。

ひと言で言うと「萎えた」。ある程度わかってはいたことだが、特にマフラーは想像以上にサビていた。まあ無理もない。屋根もなければ舗装さえされていない、オマケに隣は大規模家庭菜園という、クソみたいな環境に駐めているのだから。

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サビだらけで萎えた

渡辺慎太郎とかいうヒョーロンカ(笑)に「商品力が大幅に低下していたのも事実である *2と散々コケにされた“インフィニティ”スカイライン。

はたしてそんな“事実”がどこにあるのか、ヒョーロンカ先生には詳細なエビデンスを提示して欲しいし *3、「コミコミでも600万円台で買える3.5リッター6気筒ハイブリッドセダン」ってだけでもじゅうぶんな商品力だと私は思うし、ボンネットのキャラクターラインにVモーショングリル(笑)をムリクリ繋ぎ合わせた現行よりも、デザインは数段まとまっている。

だから、プロパイロット2.0なんて付いてなくても、パーキングブレーキが足踏み式でも、「Nissan Connect」がぜんぜんコネクトしなくても、私は“インフィニティ”スカイラインを愛している。その愛を具現化できずにそんな場所にしか置いてあげられない自分は、心底情けないと思う。ブログを書く気力だけでなく、生きる気力もなくなってくる。それでも、人は生きていかなければならない・・・。

何の話かわからなくなったが、まあそのぐらい萎えた、ということだ。

 

がんばれ神奈川日産

ふと窓の外に目をやると、オンボロの6代目トヨタ・マークIIが滑り込んできた。

(お、場違いなクルマが来たぞ)と眺めていたら、中からディーラーではあまり見かけない家族構成の3人組が出てきた。老夫婦とニートの中年息子、といったところだろうか。

クルマの汚さに似つかわしくない腰の低さ *4 で店内に入ってきた3人組は、川崎元木店にずっと昔からいるが一度も接したことはないイカツイ顔をした営業マンと何やら話し込んでいた。

しばらくすると、1台の真新しい、あまりお目にかかれないモスグリーン色(「“プレミアム”オリーブ」だそうです)のデイズ (素) がマークIIの隣に並べられた。

(20年以上乗ったマークIIから、ようやく軽に買い換えたのか・・・)

驚いたのはそこからだ。

マークIIのトランクから、薄汚れたデッキチェアやらクーラーボックスやらのいわゆる“レジャー用品”一式が、次々と運び出された。1つや2つではない。全部で5、6点ほどはあっただろう・・・もちろんその労役の担い手は3人組ではなく、営業マンである。

それらをデイズに移すのであれば全然わかるのだが、そうではなくすべて店舗の奥の方まで持っていていた。どうやら、“ゴミの始末”まで営業マンにさせているようだった。

そんなの、自分で捨てて来いよ・・・。

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お買い上げ、あざます!

イカツイ顔をしたベテラン営業マンはそのコワモテに笑みを浮かべながら、横着な客の粗大ゴミをせっせと片付ける。 

整備士の若者はキツキツのタイムスケジュールを調整しながら、愛車の底部をハシャギながら撮影して作業の進捗をジャマするおっさんに笑顔を振りまく。

肝心要の日産本体が迷走し続けている中で、販売の現場はがんばっている。 

ミエっぱり低所得者向けローンが一区切りつく3年後まで、少なくともあと5回はこのディーラーを訪れるだろう。どうか1日でも早く、日産らしい先進的かつ洗練されたニューモデルで、店内が活気づくことを願ってやまない。

(この項おわり)

 

 

*1:川崎元木店には試乗を頼んだ時以外は一度も(フルモデルチェンジの頃でさえ)スカイラインが置いてあったことがない

*2:「ル・ボラン」とかいう欧州車マンセー雑誌より引用

*3:単純に「商品力が低いから販売実績が悪いのだ」ってことなら拍子抜けだが、逆に販売実績を持ち出されたらグウの音も出ない

*4:汚い“旧車”で来店したジジイがタメグチかつ横柄な態度で営業マンに接する光景は「ディーラーあるある」だ