Panasonicのコンデジ「DMC-LX9」は値段相応の高級機だった:前フリ篇

まいど御用達、パナソニックストアのモニター販売で、コンデジ「DMC-LX9」を買った。私にとっては、かなり勇気の要るハイプライスだったが、値段相応の“高級機”だった。



 

Galaxy S7 edgeの衝撃

今年の8月下旬、スマホを「Galaxy S7 edge (以下「S7 edge」)」に買い換えた。「Galaxy Note 7」の大騒動で新聞社にネタを提供しまくったSamsungだが、S7 edgeについては、今のところ何の問題もない。最初は違和感があったサイドがラウンドした画面にも、もうすっかり慣れた。

購入したばかりの頃、夜8時の戸塚の二輪専用駐車場を写真に収め、PCに取り込んでその画像を見たとき、思わず「スゲー!」と口走ってしまった (▼この写真)。
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今まで、デジカメというとガラケーまたはスマホ、良くてコンデジ (普及機) しか使ったことのない私にとって、「デジカメでは夜景はまともに写らない」というのが常識だったが、暗い駐車場の様子をピントもピッタリ、クッキリ鮮明に捉えていたからだ。

あの「これはヤバい!」ってCMにはイラッとするが、


Galaxy S7 edge:テレビCM「登場」篇(docomo)

「暗い場所でもキレイに撮れる」というCMの謳い文句はウソではなかった。

そりゃその道のプロが厳しい眼で評価すれば、色味がどーだのノイズがこーだのって言われるんだろうが、スマホの薄っぺらいボディに埋め込まれた、豆粒みたいなレンズで撮った写真である。これだけキレイに写ればじゅうぶんだろう。

 

「F値」を初めて知る

ではなぜ、S7 edgeは夜景をキレイに捉えることができるのか。調べてみると、「F値」というスペックが関係していることがわかった。

   F値とは、レンズの焦点距離を有効口径で割った値であり、レンズの明るさを示す指標として用いられる。F値が小さいほどレンズは明るく(=レンズを通る光量が多い)、シャッター速度を速くできる。

- F値 - Wikipedia 

カメラ好きの人にとっては「そんなことも知らなかったのかよ」と噴飯モノ *1 だろうが、デジカメというと、「画素数」(と値段) だけがそのスペックを示す指標かと思っていた・・・私と同様のシロートには、そういう人も多いんじゃないかな? (と思いたい)。

ちなみに、S7 edgeのF値は「F1.7」。3年ほど愛用してきたニコンのコンデジ「COOLPIX S9500」のF値が「F3.4」。道理でS9500では、まともな夜景が撮れなかったわけだ。

 

「撮像素子サイズ」を初めて意識する

(F値が高けりゃスマホでもこれだけキレイに撮れるんだから、デジカメのちゃんとしたレンズなら、もっとキレイに撮れるんだろうな)そんなことを思いながら、価格.comでいろんなコンデジのスペック表を眺めた。

そうすると、「撮像素子サイズ」とやらも画質に影響があることがわかってきた。これまで、「F値」は完全にアウトオブ眼中(死語) だったが、「1/2.3型CMOS」なんて表記は目にしたことがある。ただ、それが重要な要素だということは、恥ずかしながらこの時まで知らなかった。

「フルサイズ」というヤツが一般的にもっとも高性能らしいが、それだとコンデジ *2 でさえ20万円(!)近い超ハイプライスになってしまう。たかがカメラにそんな大金を出せるほど「写真命」ではない。
「『写真命』ではないが、どうせ撮るならできるだけキレイに撮りたい」私が、カメラに対して支払える上限金額は、せいぜい7、8万円ってところだ。その価格帯で見る限りでは、どうやら「1型」ってサイズが、高性能の「基準」らしいこともわかった。

kakakumag.com

ただ、今年8月下旬の時点では、「イイ!」と思った機種でも発売日が古かったり、逆に新しくてもスペック的にいまいちだったりと、大枚はたいて触手を伸ばしたくなるような機種は見当たらなかった。

 

パナソニックストアのモニター販売で「DMC-LX9」を知る

そんなふうに新しいコンデジを探したことなどすっかり忘れてしまった9月21日、まいど御用達パナソニックストアから、新しいコンデジ「LUMIX LX9 (DMC-LX9)」のモニター販売を知らせるメールが届いた。

ec-club.panasonic.jp

   大口径F1.4ライカDCレンズと大型1.0型センサーが描く、一眼クオリティの高画質。

まさに、待ち望んでいたスペックのコンデジである。

入札価格帯(税込)は「88,300円~94,900円」。さすがに最低価格は気が引けるので、ギリギリ8万円台の「89,000円」で入札。

それからさらにヒト月が経過した10月20日、「モニター販売当選・ご購入のご案内」のメールが届いた。落札価格は「88,500円(税込)」。500円だけ安くなった。だが、いざ“たかが”カメラに9万円近い金を払うとなると、かなり悩んだ。3日間悩んだ末、「エイヤッ」で購入ボタンをポチッとした。

そして11月19日、発売日の2日後にモノが届いた。
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モニター販売なんだから、もっと早く・もっと安くして欲しい

Panasonic Store店配送センターから「商品発送の御案内」メールが届いたのが11月16日の19時20分。つまり、どんなに早くても、発売日当日の11月17日にしか受け取れない。これって、「モニター」って言えるんだろうか。

また、発売日当日には、価格.comの最安値が「85,000円台」にまで落ちていた。なんだよ、「モニター販売」の方が全然たけえじゃん・・・

が、今回に限り、シルバーランク以上の会員には「ハイエンドデジカメモニター10%OFF 特別クーポン」が付いていたのだ!そのクーポンを使って「79,650円」。ああ良かった・・・と思ったのも束の間、発売日の2日後、つまり実際に私がモノを受け取った日には、価格.comの最安値は「78,000円台」まで落ちていた。ちぇっ。

kakaku.com

 

デカすぎカメラバッグに萎える

発売日に先行して届くワケでもなく、価格が安いワケでもない。なんのメリットもないパナソニックストアのモニター販売だが、「最後の砦」があった。 モニター販売のページで「カメラバッグをプレゼント!」と告知されていたとおり、カメラバッグが付いてくるのである。そのカメラバッグで、ようやくモニター販売の“オトク感”を感じることができる・・・はずだったのだが。

カメラバッグ、デカすぎ。
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LX9を入れると、上半分が全然余ってしまう。これ、いったいどういう使い方をするんだろう? 余った上半分には、何を入れろっていうんだろう?

そもそもその名前が示すとおり「コンパクトであること」が、一眼レフやミラーレス一眼に対する、コンデジの“唯一”と言っていいアドバンテージなのに、こんなデカいバッグで持ち歩いたんじゃ、コンデジの意味がないじゃん・・・というわけで、この無用なカメラバッグは、ソッコー押入の奥に放り込まれたのであった。

ああ、モニター販売・・・。

(つづく)

 

*1:本来の意味は「おかしくてたまらないこと」で、「腹立たしくて仕方ないこと」は誤り

*2:ソニー「サイバーショット DSC-RX1R」等