GWツーリング2015:裏日本の海沿いを行く:3日目(2015/05/02)(3)
今週のお題「ゴールデンウィーク2015」
GWツーリングの3日目。一昨日の「朝の部」、昨日の「昼の部」につづいて、今日は「夜の部」。主に「須佐湾エコロジーキャンプ場」での話。
須佐湾エコロジーキャンプ場
島根県益田市から山口県に入った辺りで、いつもどおりにPND(Panasonic CN-MC02L)の検索メニューにある「周辺施設」-「キャンプ場」でキャンプ場を探す。
1件だけ、「須佐湾エコロジーキャンプ場」というキャンプ場がヒットした。
なにゆえ「エコロジー」と冠しているのかは不明だが、距離も5kmちょっとと近いので、あれこれ悩まず向かうことにする・・・というか、もう日没も近い。悩んでいるヒマはない。
ファミリーキャンパーだらけ
私にしてはめずらしく、一切迷わずに辿り着いた「須佐湾エコロジーキャンプ場」は、ぱっと見ほぼ100%、家族連れで賑わっていた。
うーん・・・またここもうるさいのか・・・・
だが、コテージからもファミリーキャンパーの巨大テントからも、聞こえてくるのは子供達の声ばかり。子供の声は、それほど気にならない。なぜなら、子供はうるさくて当たり前だから。そりゃあ家族でキャンプになんか来たら、うれしくてしょうがなくて、はしゃいでしまうだろう。
しかも、マリンパーク多古鼻と違って、コテージとキャンプサイトがいい感じに隔離されている。
キャンプサイトも二層になっていて、上層の方はかなりのスペースが空いている。
(※ホームページを確認したら、ここはキャンプサイトってより「展望園地」という多目的広場だった)
下層のキャンプサイトはファミリーキャンパーの皆さんで賑わっていたが、上層とはだいぶ“標高差”がある。
よし、ここに泊まろう。というわけで、管理棟に向かう。
おばちゃん三人衆
管理棟には、3人のおばちゃんがいた。
- ボス的なおばちゃん
- メインワーカーなおばちゃん
- 愛想担当のおばちゃん
ボスは、受付や会計等の重要業務をこなしながら、愛想担当に指示を出していた。
メインワーカーは、大きなタライを洗ったり等の肉体労働を黙々とテキパキこなしていた。
愛想担当は、ボスの指示をなかなかこなせず、ただウロウロしていた。
でもこの愛想担当のおばちゃんの笑顔や仕草がとってもかわいくて、なんとも微笑ましかった。このおばちゃんに接しているだけで、“ほっこり”した気分になったのだ。
ちなみに、テント1張りの宿泊料金は1,030円(※ゴミ袋が必要な場合は+50円)。まあ高いっちゃ高いんだが、前日のキャンプ場がもっと高かったので、あまり気にならなかった。
今夜の宿は最高のロケーションで
「バイクで来てるんだったら、サイトにバイク持ってきたいですよね?」
なんともありがたいことを突然ボスが言い出す。
「え!?いいんですか!? はい、持ってきたいです!」
まるで熟女に手ほどきを受けるドゥーテーのコゾウのように、精一杯従順なフリをしてリアクションを返す。
「(展望園地の)奥まではダメですけど、(入口近くの)時計台の下辺りだったらいいですよ、○○さん、場所教えてあげて」
ボスが愛想担当に指示を出す。
その後、愛想担当のおばちゃんが、時計台の場所や、トイレ・コインシャワーがある「サニタリー棟」について、親切丁寧に教えてくれた。
というわけで、時計台の下の“超一等地”を陣取り、明るいうちに今夜の宿を作り上げる。
「寝室」と(写真には少ししか写っていないが)テーブル+ベンチを置いた「リビング」、そして「ガレージ」。しかも、「最上階」かつ「角部屋」。
すばらしい。これほどのロケーションは、なかなかないだろう。
すっかり気分が良くなって、落ちてゆく太陽をしばし眺める。
曇っていてそれほどキレイじゃないが、ぜんぜん気にならなかった。
温泉に行こう
宿は整ったので、今度は風呂だ。PNDの検索メニュー「周辺施設」-「銭湯/温泉/スパ」で風呂を探す。 「田万川温泉 憩いの湯」がヒットする。
PNDが示す「田万川 (たまがわ) 温泉」までの距離は、約11km。フツーなら「遠いよ」と思う距離だろうが、私は気にならない。
なぜなら、テントを張り終えて身軽になった後、陽が落ち、暗くなりかけて濃淡さまざまなグレーに染まった田舎の道を、のんびり流すのが好きだからである。毎日、こういう生活をしたいとさえ思う。
そんなシアワセを感じながら、「田万川温泉」に辿り着く。なかなか立派な建物だ。
休憩所はもちろん、地元の特産品売り場もある(▼風呂上がりの19:45には既に店じまいしていた)。
温泉は浴槽も広く、露天風呂もあってなかなか快適だった。10箇所ほどある洗い場がいっぱいになるほどには混んでいたが、地元の人には人気の施設なのだろう。
ちなみに、すぐ近く(歩いて行ける距離)にキャンプ場(田万川キャンプ場)もある。でもなぜか私のPNDの「周辺施設」検索ではヒットしなかった。
おうちに帰ろう
温泉から“我が家”に戻る帰り道。
真っ暗な夜空。そこに描かれた山の稜線。夜空よりも暗く沈む山の漆黒。様々な“黒”に囲まれ、包まれながら、オートバイのライトだけを頼りに闇の中を進む。このシチュエーションもまた、キャンプ泊の醍醐味である。
さて、メシにしようか。
つっても、“メインディッシュ”はカップ麺だけど(笑)。実戦初投入の「ジェットボイルZIP」でお湯を沸かす。
500mlの水が、3分で熱湯になる。はやい。
まあこの程度の感動は、真のキャンパーの皆さんにとってはまさに「ヘソが茶を沸かす」レベルなんだろうが、「なんちゃってキャンパー」にとってはすごく新鮮なのである。
須佐湾エコロジーキャンプ場_施設紹介
トイレ(※当日夜は撮り忘れたので翌朝に撮影)。
個室は残念ながら和式のみ。ブーツだと足(“脚”じゃないよ)が曲がらず前に体重がかけられないので、和式はキツイっす。ムリっす。
コインシャワー。
普段はほぼシャワーしか浴びない私ではあるが、キャンプ場まで来て、ちょっとこれは寂しすぎるので温泉に行った次第。
炊事場。
「井戸水です 涸れます」
シンプルかつ力強いメッセージだ。漢字も、「枯れる」ではなく「涸れる」と正確な漢字を使っているところもさすがである。
暗闇に身を置くこと
楽しそうにはしゃぐ子供達の声が遠くから聞こえる。まるで祭の夜みたいだ。
オートバイをサイトに移動させるときに少しだけ話したメインワーカーのおばちゃんが「今日は祭だ」と言っていた。それを聞いたときは何のことかよくわからなかったが、この賑やかさを「祭」と表現したのだろう。
はるか沖に灯る漁り火。
青白い月明かり。
かたわらで眠るマシン。
やわらかな風の音。
子供たちの笑い声。
とてつもなく孤独で、この上なく幸せな夜は、どんどんと更けていく。
ときに暗闇に身を置くことも、人間は必要なのである。
- 走行距離=316.9km
- 平均燃費=17.7km/L
(つづく)