四国・九州ツーリング:2013GW~5日目

2013/05/01(水):宮崎~鹿児島~熊本

前日の雨から、打って変わっての好天。f:id:ToshUeno:20130501071217j:plain

宮崎地鶏があったりして、ビジネスホテルの朝食バイキングにしては満足だった。f:id:ToshUeno:20130501095557j:plain

JR九州ホテル 宮崎は、とてもいいホテルです。f:id:ToshUeno:20130501100118j:plain

そんな宮崎を後にし、知覧へ向かう。

この旅で唯一、”明確に行きたかった”場所である。

 

カーナビさんの言うとおりに高速を通り、指宿(いぶすき)を抜け、なんなく知覧町に到着。

そこは、どこか懐かしいような、何度か来たことがあるような、不思議な感覚を抱く町だった。

 

知覧特攻平和会館は、(GW中とは言え)平日にもかかわらず、想像以上に人が多かった。

特に、若いヤツらが多いのには驚いた。

・・・ま、比率的にはじいさんばあさんの方が圧倒していたが。

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展示物でひとつ気づかされたのは、当時は特攻をあくまで「兵器」として捉えていたこと。

「角度は何度で、どこに体当たりするのが最も効果的か」なんて解説したパネルがあって、少し驚いてしまった。”願掛け”(「神風よ吹け」)で行っていた行為ではなかったのだ(当たり前か)

そして、そこには死んでいく”人間”の存在はない。

 

あとは・・・特攻隊員の方々の手紙は遺品は、もっと心打たれると思ってたんだけど・・・

 

なんだろうな・・・

情感に訴えるような、心の奥底を鷲掴みにするような、いわゆる「魂の叫び」というか、そんな手紙は見つけられなかった。

どれもこれも、なにか取り繕っているというか、”よそゆき”というか・・・

ああいう手紙なら、「円谷幸吉の遺書」の方がまだ心打たれると思った。「円谷幸吉の遺書」には、人間の”弱さ”がにじみ出ているからだ。それだけ、特攻隊員である彼らが”立派”だったということだろうが、まあそれはわかりきっていることなので。

 

「疾風」を見られたのは良かったかな。

「零戦」の”残骸”もすごかった。

「飛燕」は、ホンモノだってわりには色が”ペンキ塗り立て”みたいで、不自然な感じがした。

遺品はともかく、飛行機も全て撮影禁止だったのが残念だった。撮りたかったなあ、写真。

ひとりだけバシャバシャ写真撮りまくっているジジイがいて、注意しようかと思ったが、そういうジジイは面倒だからやめておいた。

 

この「隼」は、慎太郎さんの映画用の”ハリボテ”。f:id:ToshUeno:20130501131203j:plain

ロビーで上映してる館内の案内ビデオを”最後に”見たのだが、結局それが一番泣けた。

 

全体的に、期待が大きかっただけに物足りない気はした。

もっと、当時の兵士達の生活や、”内面”を浮き彫りにするような展示ができたらいいと思う。

三角兵舎ぐらいじゃなかったかな、そういうのは。f:id:ToshUeno:20130501132411j:plain

例えば、こういう話を元に、当時の特攻隊員の生活と心情を展示物に反映するとか。

 

まだ星の出ている特攻出撃の早朝、熟睡している隊員たちを起しに行き、

「起床の時間であります。ただいま四時であります」
そう告げるのが任務であった。

ところが、話がそのくだりにくると老人はにわかに顔を歪めて絶句し、大粒の涙を膝にしたたらせた。老人の話は、そこから先に進まなかった。

涙をこぼしながら老人は、それでも私のために幾度か話をすすめようとしたが、「起床の時間であります・・・・・・・」そう云うと また咳きあげ、唇をふるわせるのである。

http://www.geocities.jp/kamikazes_site/tokko_episode/sankakuheisya.html

だがもちろん、いい記念にはなった。鹿児島なんて、そうそう行けないし。

また、思いの外かみさんが興味を示していたので、いっそう来た甲斐はあった。

 

知覧を後にして、海岸沿い・・・は時間的体力的にやっぱりあきらめ、高速で熊本へ直行。f:id:ToshUeno:20130501171946j:plain

 

八代市は、ただの寂れた地方都市だった。

アーケード街は、ほぼシャッター通りと化していた。f:id:ToshUeno:20130501184618j:plain

マックスバリュで晩飯を買ったんだが、なんか楽しかった。

スーパーなんて全国どこも似たようなもんだが、客を観てると、やっぱり東京とか川崎とか横浜とかとは違う気がした。

 

ホテルは・・・いや、この日宿泊した所は、ホテルと呼べる所ではなく、フツーのウィークリー/マンスリーマンションだった。いくらなんでも、”ホテル”と呼ぶには、ちょっと汚すぎた。f:id:ToshUeno:20130502083753j:plain

それでも、ベッドは大きめのヤツにひとりだったので、よく眠れたのだが。

 

  • 381.6km
  • 5時間3分

※PNDの操作ミスで、知覧を出た後しばらくするまで、GPSログを記録していないことに気づかなかった。一番遠くに行った日なのに。超もったいない。