日経新聞の“飛ばし”記事と三菱の新型SUV
日経新聞の“飛ばし”記事問題
若干古い話で恐縮だが、先週木曜日(2015年9月3日)に放送された「バラいろダンディ」で、「日経新聞が”飛ばし”記事で三菱地所を出禁になった」というニュースが紹介された。
本年8月29日(土)、日本経済新聞朝刊に当社が進めている常盤橋再開発事業に関する記事が掲載されましたが、当社が発表したものではありません。
当社では、本日8月31日(月)13時より本計画に関する発表を行うことを報道各社へご案内しておりますが、公平に正確な情報を開示することを目的として、発表までの報道・取材を控えて頂くことを要請し、日本経済新聞社以外の各社並びに関係各所には理解を得、各社には報道・取材をお控え頂いております。
この度の日本経済新聞による記事は、既出情報に憶測情報を交えて記事化されたものであり、当社としては遺憾に感じております。
▼三菱地所のプレスリリース
http://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec150831_tb_nk.pdf
8月31日(月) の「ZIP!」で「東京駅前に390mのビルが建設される」と放送されたのを視て、
既に8月29日に日経新聞でそのニュースを見ていたので、
「日テレ、ニュースおっせえなあ」 「日経には『400m』って書いてあったけど?」なんてノンキに思ってたが、そんなとんでもない事情があったとは・・・。
「バラいろダンディ」では、敬愛する苫米地英人先生が日経の「”飛ばし”体質」や「”驕り高ぶり”っぷり」を批判されていた。この報道に関わった人達は「約束は守らないといけない」と、お父さんお母さんに教わらなかったのだろうか。
何はともあれ、私にとって日経新聞は貴重なニュースソースなので、関係者の皆さんには、報道姿勢を律しつつ素早く的確な情報を届けるよう、努力して欲しいものである。
三菱系でまた”飛ばし”記事?
そんな折、2015年9月7日の日経新聞朝刊「企業」面に
三菱自、17年メド新SUV
小型で街乗りタイプ、PHV用意
という記事が載っていた。
益子修会長兼最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞社の取材に対し明らかにした。
これまで同社はSUVとして大型の「パジェロ」と海外向けの「パジェロスポーツ」、中型の「アウトランダー」、小型の「RVR」を販売してきた。新たにRVRよりやや大きい街乗りタイプのSUVを開発する。
- 2015年9月7日 日本経済新聞朝刊
おいおい・・・また”飛ばし”記事じゃねえの? と思ってググってみたら、他のクルマ情報系サイトには、まだ上記引用のような記事は出ていなかった。
まじか・・・でも三菱地所と同じ三菱系ということで、また出禁になったら笑えるなあ・・・
なんて思ったが、上記引用のとおり記事に「CEOが日本経済新聞社の取材に対し明らかにした」と明記してあるので、れっきとした「独自スクープ」ということなのだろう。
アウトランダーとRVRの中間?
記事には「新SUVはアウトランダーとRVRの中間」と書いてあったが、「アウトランダーとRVRって、そんなに大きさとかに違いあったっけ?」と疑問に思ったので、真面目に比較してみた。
アウトランダーPHEV_PremiumPackage | RVR_4WD_G | |
全長 (mm) | 4695 | 4295 |
全幅 (mm) | 1800 | 1770 |
全高 (mm) | 1710 | 1615 |
ホイールベース (mm) | 2670 | 2670 |
室内長 (mm) | 1900 | 1865 |
室内幅 (mm) | 1495 | 1480 |
室内高 (mm) | 1235 | 1260 |
車両重量 (kg) | 1880 | 1430 |
価格 | 4,590,000円 | 2,589,840円 |
ともに最上級グレード同士、しかもアウトランダーはあえて”お高い方”のPHEVで比較してみた。
全幅にそれほど大きく違いはないが(ただし1,770mmと1,800mmでは乗った印象は結構違うとは思う)、全長は400mmと、かなり差があった。
でもホイールベースが同じなので、プラットフォームは共通なのだろうか。
車両重量のとんでもない差のほとんどは、バッテリーによるものだろう(アウトランダーのガソリン車は1,570kgなので)。
私個人がわかりやすいように日産車で例えると、
- RVR=ジューク
- 新SUV=デュアリス
- アウトランダー=エクストレイル
ということになるのだろう。 ま、デュアリスはなくなっちゃったけど。
がんばれミツビシ!
われながら、デュアリスの例えはなかなかイイと思った。
というのは、日産がSUVを”縮小”したのに対して、
高級セダンなどは他社から調達し、得意なSUVの車種の開発に特化することで人材や資金などの開発資源を集中して強みを出す考え。
- 2015年9月7日 日本経済新聞朝刊
「SUVに特化して生き残りをかける」という三菱の戦略をわかりやすく解説することができたからだ(たまたま思いついただけだが)。
「生き残る道」を切り拓きつつあるマツダ・スバルに負けないよう、三菱自動車にもぜひがんばって欲しい。そしていつかまた、ランエボのような”ピュアスポーツ車”を、開発して欲しいものである。