10月20日から22日の深夜にかけて、一泊三日で岩手までツーリングに行ってきた。帰り道のあまりの寒さに幾度となく心が折れかけたが、何とか無事に帰ってくることができた。
気温的にもモチベーション的にも、オートバイではこれが2016年最後のロングツーリングになるだろう。
太平洋側にも行っておきたい
先月、秋田へのツーリング記事の「岩手県には半島があるかないか」について書くために岩手県沿岸部の地図を眺めていたとき、
(そう言えば、岩手のリアス式海岸の道って、ちゃんと走ったことねえなあ)
そう思った。
岩手県の海沿いには2013年に2度行っているが、
いずれも国道45号をサラッと流しただけで、「リアス式の何たるか」をちゃんと確認してなかったのだ。
あとは、今年もまたロクに走りもしないまま、すっかり冬を迎えようとしているが、「ツーリング2016のテーマ」として「『秋田県=日本海側』の次は『岩手県=太平洋側』で締めくくりたい」という思いもあった。
ちなみに、現代では「リアス“式”海岸」ではなく、「リアス海岸」と呼ぶのだそうだ。
その理由を教科書の出版会社の一つに聞きました。
「実際はないのに『リアス地方』というのが存在してそれが由来で名前がついたとか、さらには『リアス地方に見られる海岸』という風な勘違いを生まないように最近表記を変えました」ということです。
- NHK盛岡放送局 | ニュースの?(はてな) ※読みやすくするために読点とカギ括弧を追加
おっしゃることはごもっともだが、ではなぜ、元々「式」と付けたのだろう。昔の人は日本語をよく理解していなかったのだろうか。
私が思うに、おそらく昔は語源なんかどうでも良くて、音的にも字ヅラ的にも「式」と付けた方が語感がしっくり来るから、そちらが定着したのだろう (もちろん、ちゃんと調査・検証したわけでも何でもないが)。
というわけで、現代の新常識には背を向けて、ここでは「リアス式」と記述する。
なんちゃってキャンパーに東北の冷たい風が吹きすさぶ
ここ数年は、泊まりのツーリングは基本的にキャンプ泊することにしている。その方がカネがかからないから。ただそれだけ。アウトドアを楽しむとか、そんな気はさらさらない。
キャンプ泊を始めたのは2013年からで、なぜかずっと日本海側ばかりだったのだが、今回は初の太平洋側ということで、大船渡市にある「フレアイランド尾崎岬」にテントを張る予定だった。
予め確認しておいた、この日 (2016年10月20日) の大船渡市の予想最低気温は、9℃だっただろうか。安モンのシュラフの使用可能温度が「10℃」なので、まあギリギリなんとかなるかなと思った。
問題は、夕方以降の風速が「9m/s」と予想されていたことだ。風が強くちゃ、テントを張るのもままならない。(ま、予報がハズレることもあるし)相変わらずの行き当たりばったりで、現地に向かう。
はたして、大船渡市が近づき、空が暗くなるにつれて、気温はどんどん下がり、風は強くなる一方であった。
(ま、テントはダメでも、コテージもバンガローもあるし。料金がいくらかはチェックしてないけど、せいぜい5,000円ぐらいだろう)
「フレアイランド尾崎岬」に辿り着く頃には、装備重量400kg超のM109Rでもフラつく程の突風が吹いていた。おまけに、クソ寒い。別に修行をしに来ているわけではないので、ソッコーでテント泊はあきらめる。
どれどれ、コテージはいくらかな・・・
え!? い、いちまんさんぜんえん!? ウソだろ!?
どうもすみません、田舎のキャンプ場をナメてました。つかそんなに払うぐらいなら、来る途中にあったビジネスホテルに泊まるわ。
M109Rでさえ、まともに走れない程の突風が吹きすさぶ真っ暗闇の田舎道を、泣きそうになりながら大船渡市内に戻った。
「大船渡“駅”」に目を見張る
這這の体で大船渡市内に戻り、キャンプ泊にクジけたときの御用達「楽天トラベル」で見つけた、「大船渡プラザホテル」に向かう。
「フレアイランド尾崎岬」に行く途中で見かけた、真新しい「ホテルルートイン大船渡」は、平日にもかかわらず既に満室であった。おそらく、工事関係者の方々がたくさん宿泊しているのだろう。
狭くはないが広くもない、ビジホ・デフォルトな広さの部屋に荷物を下ろし、
いまいち愛想のない (終始ニコリともしなかった) フロントの男性に説明されたとおり、コンビニに向かう。
「当ホテルのすぐ近くに大船渡駅がありますので・・・」コンビニの場所を説明してくれたとき、フロントの男性はそう言っていた。
(ふーん・・・ホテルに入る道がわかんなくて *1 グルグル廻ったけど、駅なんかあったかなあ・・・)疑問を抱きつつ、駅があるという方向へ歩く。
(お、さっきのクソバスが停まってたバス停か・・・)
周辺をグルグル迷っていたとき、ホテルの方を見ながら走っていたら、うっかり「バス専用道路」に入ろうとして、思いっきり「ハイビーム+ロングクラクション」コンボを喰らったのだ。しかも、すぐに気づいてUターンしようとしてたのに *2、クソ運転手はずっとハイビームのままでクラクションを鳴らし続けた。
(必死こいて戻ろうとしてるのに、しかもバスは停車してるのに、そこまでしなくていいだろ・・・)
よく見ると、そのバス停が「駅」であった。(ああ、「鉄道が復旧してない地域は、代替手段としてバス専用道路を設置している」って聞いたことがあるけど、それがこの辺なのか・・・)
いわゆる「BRT (Bus Rapid Transit)」である。
それにしてもフロントの男性も、宿泊者名簿に思いっきり「横浜市」と書いた観光客に対して、単に「大船渡駅」と言うのではなくて、「『駅』という名のバス停である」旨を一言添えるのが「親切」というものではないだろうか。
ゴォゴォゴォ 風が泣いている ゴォゴォゴォ
この日は、朝から体調が万全ではなかったせいかヘトヘトに疲れたので、22時過ぎにはベッドに潜り込んだ。
が、通気口 (※下図矢印) に吹き込む突風がビュゥビュゥゴォゴォとものすごくうるさくて、前回の秋田ツーリングでの南の池公園キャンプ場に引き続き、また耳栓をして眠りについたのであった。
- 走行距離=621.4km
(大船渡プラザホテルの周辺地図を作ろうと思ったが、さすがのGoogleマップ/ゼンリンも未だ絶賛開発中の大船渡駅周辺は地図に反映できていないらしく、現地の道路と結構違っているのであきらめた)
(つづく)