健康診断で2017年の時を思う

2017年11月11日。11月の第2土曜日、毎年恒例の健康診断に行ってきた。今の会社に転職して2年目の2009年からなので、実に9回目である。特におもしろい出来事もなかったのだが、もし来年もまた生きていて、さらに今の会社に留まっていたとすれば、きっと参考になるので記事にしておく。

toshueno.hatenablog.com

去年の記事が、今年も役に立ったから。



 

シャカリキはみっともない

去年の記事には「午前6時5分頃、駐車場を出た」とあった。めっちゃ早い。が、相変わらずの激務が続く今年は、前日の帰宅が23時過ぎだったということで無理に早起きはせず、洗車する時間もなかったのでフクピカで取り急ぎヨゴレを落としたりしたため、拙宅駐車場を出たのは午前6時41分であった。それでも土曜日の午前6時台であれば、横浜から川崎に向かう上り線が渋滞することはない。

横浜新道では、GLEだかGLSだか知らんが、要はメルセデスのSUVに煽られ気味にビタ付けされたが、一切無視して右端を走った。そいつは新道手前の国道1号でも急に(ウインカーと同時に)車線を変えたりしていたのだが、はたしてバカなのかただのヘタクソなのか、せっかくのいいクルマもああいう低レベルの人間に乗られると台無しである。閑話休題。

午前7時24分、約43分で去年と同じ三井のリパーク「川崎幸町1丁目第2」に到着。渋滞していたわけでもないのに去年(約37分)より時間がかかったのは、全般的にのんびり走ったからだろうか。

鶴見区あたりで1台のチンタラトラック(といっても法定速度レベル)がいて、どのクルマも必死こいてそのトラックを追い越していたのだが、私はずっと後ろを走っていた。シャカリキになって前に出ようとするのはみっともない。ヨワイ50にして、ようやくそんなふうに思えるようになった自分に、少しだけホッとするのだ。 

 

いろんな命が生きているんだなあ(©サントリー)

そんなこんなで午前8時2分、毎度おなじみ「アルファメディック・クリニック」の中に入る。
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待合スペースで受診開始時刻(午前8時30分)になるのを待っている間、ブログのネタにするために受付に来る人達を観察していた。気になったのは、2パターンの人種である。

問診票ぐらい書いてこいよ

いちばん驚いたのは、問診票を書いてこないヤツがいたことだ。まったく書いてこなかったヤツが2人。ともに60代後半と思しきジイさん。大幅に書き漏れていたらしいヤツが1人。50代前半ぐらいか。いずれも、見た目年齢を考えれば初めて健康診断を受けるわけではあるまい。

アルファメディック・クリニックの場合は、1カ月以上前に自宅に「問診票+検便・検尿セット」が送られてくるので、キッチリ記入した問診票に加えて、2日分のウンコのカスと当日朝イチのションベン少々を持参するのは「オトナのたしなみ」である。

問診票を書いてこないことの何が問題かと言うと、

  1. いったん受付をする
  2. 問診票が書かれていない
    →受付担当者は、本来不要な説明を強いられる
  3. その場で書いてもらって提出してもらう
    →受付担当者は本来の業務を中断して確認しなければならない

という手順を受付担当者は踏まなければいけないわけで、二度手間三度手間になり、業務が滞ることにある。順番を待っている「ちゃんと書いてきた人達」はタマったもんではない。
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(※写真はイメージです)
問診票を書いてこなかったヤツは“罰”として受付を後回しにする。そういう措置はとれないものだろうか。

昭和じゃないんだから

次に驚いたのは、視野が狭いのか、あるいは現代の常識をまるで知らないのか、そんな人達だ。アルファメディック・クリニックの受付には「ボタン式受付番号発券機」がカウンターのいちばん手前の目立つ所に置いてあるのだが(▼赤矢印)、
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それを素通りしてカウンターに並んで、受付担当者に「受付番号をお取りください」と注意されたヤツが3人もいた。

今日び待合スペースがある施設では、まず最初に発券機を探すのではないだろうか。少なくとも私はそうする。小さな町医者など発券機がないところもまだ多いが、それが見当たらなければカウンターに行けば良い。

上の写真のとおり、アルファメディック・クリニックの場合は小さいけれども発券機としか思えないホワイトなマシンが、カウンターのものすごく目立つ場所に鎮座している。著しく視野が狭いのか、あるいはよもや「受付番号」というシステムを知らないのか。

「昭和じゃないんだから」とツッコミたくなったが、その3人ともが昭和をほとんど知らないであろう、30代ぐらいの(私よりは)若者であったことに二重に驚いた。

ほんと、世の中にはいろんな人間がいるもんである。 

 

去年よりも30分も遅かった

入口の写真を撮りたいがためにわざと時間をズラして受付に行ったら、受付番号は「9番」であった。
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冒頭の引用記事によれば去年は「5番」だったので、4人も後ろになったことになる。
(まあいい。終わる時間は変わんないよ)
そうタカをくくっていたら、最初の受診科目「胸部X線」は、受付番号順に名前が呼ばれていたようだった。9番目の私が呼ばれたのは、実に8時37分。初っパナから7分もロスしてしまった。そして私の前の8人には、「問診票を書いてこなかったヤツ」3人が含まれていたのだ。これを不条理と言わずに、何を不条理と言えばいいのだろうか。

その後もこんな調子で、どんどんと後回しにされている気がした。
(いやいや、そんなはずはない。ただの思い過ごしだろ)
そう思っていたが、実際に診断および面談が終わったのは、去年より30分も遅い、10時15分であった。

なぜだろう。当日の受診者は、約20人。受診開始時点での受付番号が「20番」だったので、1番から始まるその値がイコール受診者の数というわけだが、去年は何人ぐらいだっただろうか。残念ながら去年は記録していなかったが、特に去年より人数が多かったという印象はない。「早く受付したからって早く終わるわけじゃない」という長年の私の認識は、やはり間違っていたのだろうか。

少し釈然としない気持ちを抱きながら、例年と同じようにレストラン「アルファ (仮称)」で昼食をいただく。2017年11月のメニューはこちら▼。
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インスタ映え(笑)のしない冴えないビジュアルで、味がいまいちなのもまた例年と同様である。
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特に、メインディッシュである「鮭の有馬焼き」は、「コレ昨日焼いたんじゃねえの?」ってぐらいカタくてマズかった。食事が出るだけでありがたいとは思うが、もう少しが喜ぶような料理を提供してくれることを願う。

 

確実に時間が過ぎていることを実感する場所

去年と同じ場所で、同じことをして過ごす時間は、ひどく不思議な感じがした。まるでこの1年が、なかったようにさえ思えた。違っていたのは、受診管理票 *1 に明記された「50歳」という数字だけである。その数字だけが、時間の経過をはっきりと示していた。

その数字を見ながら思った。

自分が50歳になったなんて、未だにピンと来ない。エラくなったわけじゃないし、大金が稼げるようになったわけでもない。他人様のお役に立てるような人間になったわけでもない。考えていることも、10年前はおろか20年前と比べてもたいして変わっていない。つまり若い頃に漠然と思い描いていたほどには、人間として成長していないのだ。

一方でカラダの方は、年齢相応にシワが増えたことと、チンポの勃ちが悪くなったぐらいで(まあ勃ったところで使い途はないのだけれど)、概ね健康である。

そういえばγ-GTPは、断酒して1年3カ月も経つのに、まだ「96IU/l」もあった *2。今年もまた面談してくれた佐藤医師は「体質なんですかねえ」と言っていた。浴びるほど酒を飲むようになる前に測定したことがないので、この値が体質によるものかどうかはわからないが、もう二度と、無意味な精密検査を受けることはないだろう。閑話休題。

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淡淡と過ぎていく時間の中で、年に一度の健康診断は、まるでピリオドのように立ち止まる機会を与えてくれる。立ち止まったとき、年齢欄に明記された数字だけが確実に1つ増えている。それが同じ時期・同じ場所であれば、そのピリオドがより明瞭になることに今年初めて気づいた。

戸塚くんだりから川崎まで行って帰ってくるのも面倒なので、来年は地元の施設に鞍替えしようとも考えたが、思い直した。

この不思議な感覚を味わうのも、そう悪くはない。

 

*1:受診済の科目に印をつけて「何が終わったか/終わってないか」を管理する紙ペラ

*2:基準値は「50IU/l以下」